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イーロン・マスク 下 単行本 – 2023/9/13
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いま、世界で一番の注目を集め、議論の的である起業家イーロン・マスクの赤裸々な等身大ストーリー。マスクはルールにとらわれないビジョナリーで、電気自動車、宇宙開発、AIの時代へ世界を導いた。そして、先日ツイッターを買収したばかりだ。
イーロン・マスクは、南アフリカにいた子ども時代、よくいじめられていた。よってたかってコンクリートの階段に押さえつけられ頭を蹴られ、顔が腫れ上がってしまったこともある。このときは1週間も入院した。
だがそれほどの傷も、父エロール・マスクから受けた心の傷に比べればたいしたことはない。エンジニアの父親は身勝手な空想に溺れる性悪で、まっとうとは言いがたい。いまなおイーロンにとって頭痛の種だ。このときも、病院から戻ったイーロンを1時間も立たせ、大ばかだ、ろくでなしだとさんざんどやしつけたという。
この父親の影響から、マスクは逃れられずにいる。そして、たくましいのに傷つきやすく、子どものような言動をくり返す男に成長し、ふつうでは考えられないほどのリスクを平気で取ったり、波乱を求めてしまったりするようになった。さらには、地球を救い、宇宙を旅する種に我々人類を進化させようと壮大なミッションまでをも抱き、冷淡だと言われたり、ときには破滅的であったりする常軌を逸した集中力でそのミッションに邁進するようになった。
スペースXが31回もロケットを軌道まで打ち上げ、テスラが100万台も売れ、自身も世界一の金持ちになった年が終わり2022年が始まったとき、マスクは、騒動をつい引き起こしてしまう自身の性格をなんとかしたいと語った。「危機対応モードをなんとかしないといけません。14年もずっと危機対応モードですからね。いや、生まれてこのかたほぼずっとと言ってもいいかもしれません」
これは悩みの吐露であって、新年の誓いではない。こう言うはしから、世界一の遊び場、ツイッターの株をひそかに買い集めていたのだから。暗いところに入ると、昔、遊び場でいじめられたことを思いだす――そんなマスクに、遊び場を我が物とするチャンスが巡ってきたわけだ。
2年の長きにわたり、アイザックソンは影のようにマスクと行動を共にした。打ち合わせに同席し、工場を一緒に歩き回った。また、彼自身から何時間も話を聞いたし、その家族、友だち、仕事仲間、さらには敵対する人々からもずいぶんと話を聞いた。そして、驚くような勝利と混乱に満ちた、いままで語られたことのないストーリーを描き出すことに成功した。本書は、深遠なる疑問に正面から取り組むものだとも言える。すなわち、マスクと同じように悪魔に突き動かされなければ、イノベーションや進歩を実現することはできないのか、という問いである。
- 本の長さ464ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2023/9/13
- 寸法13.5 x 3.2 x 19.6 cm
- ISBN-104163917314
- ISBN-13978-4163917313
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出版社より
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2023/9/13)
- 発売日 : 2023/9/13
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 464ページ
- ISBN-10 : 4163917314
- ISBN-13 : 978-4163917313
- 寸法 : 13.5 x 3.2 x 19.6 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 17,632位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,355位コンピュータ・IT (本)
- - 4,724位文学・評論 (本)
- - 5,458位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
翻訳者(出版・実務)。1959年生まれ、東京大学工学部卒業。大手石油会社から会社派遣で米国オハイオ州立大学大学院修士課程に留学するも、1998年、子育てに必要な時間的やりくりを家庭内でつけられるようにと退職し、技術・実務翻訳者として独立。その後、産業翻訳から出版翻訳へと仕事の主軸を移し、多くの話題作を手がける。得意分野は、エネルギー・環境、エンジニアリング、IT、ビジネスなど。翻訳フォーラム共同主宰。大昔はフィギュアスケート選手(シングル、アイスダンスで全日本に出場)で、いまは年がいもなく自転車ロードレースを走っているなど根は体育会系。楽しみは、自転車イベントで訪れた地域のクラフトビールを飲み歩くこと。
訳書:『スティーブ・ジョブズ I・II』(講談社)、『イーロン・マスク 上・下』(文藝春秋)、『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』『スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション』『リーン・スタートアップ』(日経BP)、『リーダーを目指す人の心得』(飛鳥新社)、『PIXAR 〈ピクサー〉 世界一のアニメーション企業の今まで語られなかったお金の話』(文響社)など多数。
著書:『「スティーブ・ジョブズ」翻訳者の仕事部屋 フリーランスが訳し、働き、食うための実務的アイデア』(講談社)、『実務翻訳を仕事にする』(宝島社新書)
共著書:『できる翻訳者になるために プロフェッショナル4人が本気で教える 翻訳のレッスン』(講談社)
イメージ付きのレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
面白かったです。
結局偉人の人生は面白い!
人と違うのは素晴らしいと思いました笑
買い推奨です。
本書では報道もされている直近1年のイーロン・マスクの行動、言動の裏側が事細かに書き記されています。
下巻のXに関する章だけでなんと13章もある(苦笑)上、それぞれ章が独立しているので、Xについて気になる方はぜひ『イーロン・マスク(下)』から手に取り、関連章から読み進めてみてください。
以下自分が一読し、興味深かった部分を列挙したものです。
・なぜTwitterに手を出したのか?(第72章)
・取締役会でのやりとり(第73章)
・なぜ取締役→買収へ?(第78章)
・大量のコードチェックの裏側(第83章)
・広告に関するやりとり(第83章)
・広告主への説明(第85章)
・なぜサブスクに固執するのか?(第86章)
・社内Slackをどう見たのか?(第87章)
・ティムクックとは1:1で何を話したのか?(第88章)
少しだけかいつまんで、詳細も書いておきます。
例えばマスク自身、2022年6月にはツイッターについて自分がどうしたいのかよくわからなくなったため(p216参照)プランを3つ考え、比較検討をとある人物にお願いし進めていた話や、買収後のコードチェック(書いたコードを確認し優秀なエンジニアをふるいにかけた)について、実はマスクの血縁者で、テスラでオートパイロットチームでソフトウェア技術者をしているジェームズ、ニューラリンクでソフトウェア技術者をしているアンドリューなどの計3名(本書では「三銃士」「銃士隊」と表記)の優秀なエンジニア陣で取り組んでいた話や、またどのような空気感の中でそれらが進められたのか(ちなみに危険因子を持つTwitter社員を社内Slackから炙り出す作業も彼らが中心となり実施)といった話が事細かに書かれています。
また買収後、広告主やエージェントがTwitter離れた際にマスク自身がどう考え何をしたのか(実際思い至ったその日のうちにNYに飛び、広告チームと策を練り、広告主やエージェントに安心してもらえるような働きかけを行なっている)についても書かれています。
他にも、例の「アップルはツイッターに広告をほとんど出さなくなった」とポストした日の夜、実は元スティーブ・ジョブズのメンターであり、マスクの現メンターである投資家のラリー・エリソンから電話で「Appleと喧嘩をするな」と注意され、冷静になった後日、ティムクックに直接会いに行き、そこで約1時間ほど1:1でミーティングをした話なども(本書にはそこで実際に2人が何を話したかについても書かれている)事細かに書かれています。
そういった裏話が好きな人は、まず読んでおいて損はないかと。
ちなみに、私も読むまで詳しくは知りませんでしたが、彼が同時に複数のプロダクトに深く携わり、様々なプロジェクトを同時に進めていたこともよくわかる一冊でもあります(読むと凄まじさがよくわかります)
少し分厚い書籍ではありますが、Xに携わる仕事をされている方は読んでおいて損はないかと思いますので、この機会にぜひ。
◾️補足
このレビューを書いているのは発売当日の深夜なのですが、上巻に早速星1の低評価がついているため、補足しておきます。
本書にはX(旧Twitter)利用者の方からやっかみや、いわれのない批評として低評価がつく可能性があるかと存じます。
これは持論ですが、プラットフォームと運営責任者、運営責任者と著者(訳者含む)への評価は分けるべきです。
特に日本語版は訳者が心血を注いで作り上げたことが、手にとって読んでいただけるとわかるかと思いますので、レビューによる評判が気になった方は、まずは手にとって少し読み進めていただければと思います。
本書では報道もされている直近1年のイーロン・マスクの行動、言動の裏側が事細かに書き記されています。
下巻のXに関する章だけでなんと13章もある(苦笑)上、それぞれ章が独立しているので、Xについて気になる方はぜひ『イーロン・マスク(下)』から手に取り、関連章から読み進めてみてください。
以下自分が一読し、興味深かった部分を列挙したものです。
・なぜTwitterに手を出したのか?(第72章)
・取締役会でのやりとり(第73章)
・なぜ取締役→買収へ?(第78章)
・大量のコードチェックの裏側(第83章)
・広告に関するやりとり(第83章)
・広告主への説明(第85章)
・なぜサブスクに固執するのか?(第86章)
・社内Slackをどう見たのか?(第87章)
・ティムクックとは1:1で何を話したのか?(第88章)
少しだけかいつまんで、詳細も書いておきます。
例えばマスク自身、2022年6月にはツイッターについて自分がどうしたいのかよくわからなくなったため(p216参照)プランを3つ考え、比較検討をとある人物にお願いし進めていた話や、買収後のコードチェック(書いたコードを確認し優秀なエンジニアをふるいにかけた)について、実はマスクの血縁者で、テスラでオートパイロットチームでソフトウェア技術者をしているジェームズ、ニューラリンクでソフトウェア技術者をしているアンドリューなどの計3名(本書では「三銃士」「銃士隊」と表記)の優秀なエンジニア陣で取り組んでいた話や、またどのような空気感の中でそれらが進められたのか(ちなみに危険因子を持つTwitter社員を社内Slackから炙り出す作業も彼らが中心となり実施)といった話が事細かに書かれています。
また買収後、広告主やエージェントがTwitter離れた際にマスク自身がどう考え何をしたのか(実際思い至ったその日のうちにNYに飛び、広告チームと策を練り、広告主やエージェントに安心してもらえるような働きかけを行なっている)についても書かれています。
他にも、例の「アップルはツイッターに広告をほとんど出さなくなった」とポストした日の夜、実は元スティーブ・ジョブズのメンターであり、マスクの現メンターである投資家のラリー・エリソンから電話で「Appleと喧嘩をするな」と注意され、冷静になった後日、ティムクックに直接会いに行き、そこで約1時間ほど1:1でミーティングをした話なども(本書にはそこで実際に2人が何を話したかについても書かれている)事細かに書かれています。
そういった裏話が好きな人は、まず読んでおいて損はないかと。
ちなみに、私も読むまで詳しくは知りませんでしたが、彼が同時に複数のプロダクトに深く携わり、様々なプロジェクトを同時に進めていたこともよくわかる一冊でもあります(読むと凄まじさがよくわかります)
少し分厚い書籍ではありますが、Xに携わる仕事をされている方は読んでおいて損はないかと思いますので、この機会にぜひ。
◾️補足
このレビューを書いているのは発売当日の深夜なのですが、上巻に早速星1の低評価がついているため、補足しておきます。
本書にはX(旧Twitter)利用者の方からやっかみや、いわれのない批評として低評価がつく可能性があるかと存じます。
これは持論ですが、プラットフォームと運営責任者、運営責任者と著者(訳者含む)への評価は分けるべきです。
特に日本語版は訳者が心血を注いで作り上げたことが、手にとって読んでいただけるとわかるかと思いますので、レビューによる評判が気になった方は、まずは手にとって少し読み進めていただければと思います。
その中でも本人の変わらぬ姿勢が何より学びのポイントだったと思います。
日本が近代化に向かう中で、
当時の武士が「我々が勉強を1日怠れば日本の近代化が1日遅れる」みたいな文面を見たことがありますが、マスクの姿勢は完全にそれでしたね。
スケールが大きく人類の将来を見据えて、
生きてる間にどこまでできるか。
志とメンタルとリスクを恐れない姿勢。
凄いっす。
イーロンがTwitterをなぜ買収したのかという疑問が晴れました。簡単な決断ではなかったこと、道楽で行ったことではないこと、本来のあるべき姿を取り戻そうと働きかけたことなど、納得できる内容が書かれています。
買収後のレイオフのやり方や、同時並行で他事業をやっているとは思えない仕事ぶりなど、事細かに書かれているので、イーロンの印象がガラッと変わりました。
これを読むと、従来からのTwitterからの変更点も納得できますし、今後の見通しも何となくですが見えてきます。
色々な意味で、面白い本です。