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デザイナーであれば常識として知っておきたい事項が簡潔にまとめられている。一度は目を通しておきたい。
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インフォグラフィックスの潮流: 情報と図解の近代史 単行本 – 2016/2/1
永原 康史
(著)
膨大なデータが行き交う現代において情報を視覚化して理解を促すインフォグラフィックはその重要性を増しつつあります。
本書はインフォグラフィックの歴史をマップ,統計,図解,関係,コードといった観点から探求し,インフォグラフィックを本質的に理解する視点を提示するとともに,今後の視覚情報のあり方を考える機会を提供します。
図版資料も満載。
インフォグラフィックの歴史や基礎的な知識を学ぶ一冊としてデザイナー,編集者,プログラマなど情報の視覚化にかかわる人すべてにおすすめします。
* * *
情報を視覚的に表現したものを総称してインフォグラフィックといいます。
人類は古代より情報を図や記号によって視覚化してきました。
とくにルネサンス以降の印刷技術の発展や産業革命以降のマスコミュニケーションの発達はインフォグラフィックの発展に大きな影響をあたえ,ダイアグラム、チャート、ピクトグラムといった近代的手法の確立を後押ししました。
こうしてインフォグラフィックスは交通、地図、ニュース、マニュアル,教育をはじめ,社会のあらゆる場面で活用されるようになっています。
そして21世紀,コンピュータの普及やネットワーク化によって私たちをとりまく情報量が飛躍的に増加しました。
人間の認識能力を超えた膨大な量のデータと人間の理解をとりもつインターフェイスととしてインフォグラフィックがその重要性を増すとともに,動的なデータ表現によってその表現方法も大きく革新されつつあります。
いまやインフォグラフィックの制作,運用,理解のためには表面的な処理方法の問題をこえて,情報と表現の関係を本質的に捉える必要があります。
そこで本書ではインフォグラフィックをマップ,統計,図解,関係,コードといったアプローチ別に考察し,インフォグラフィックにかんする基本的な考え方を提示します。
また,インフォグラフィックの形成史のなかで,データ視覚表現の「変化ドライブ(変化の要因)」を探り、今後の視覚情報のあり方を考える機会を提供します。
本書はインフォグラフィックの歴史をマップ,統計,図解,関係,コードといった観点から探求し,インフォグラフィックを本質的に理解する視点を提示するとともに,今後の視覚情報のあり方を考える機会を提供します。
図版資料も満載。
インフォグラフィックの歴史や基礎的な知識を学ぶ一冊としてデザイナー,編集者,プログラマなど情報の視覚化にかかわる人すべてにおすすめします。
* * *
情報を視覚的に表現したものを総称してインフォグラフィックといいます。
人類は古代より情報を図や記号によって視覚化してきました。
とくにルネサンス以降の印刷技術の発展や産業革命以降のマスコミュニケーションの発達はインフォグラフィックの発展に大きな影響をあたえ,ダイアグラム、チャート、ピクトグラムといった近代的手法の確立を後押ししました。
こうしてインフォグラフィックスは交通、地図、ニュース、マニュアル,教育をはじめ,社会のあらゆる場面で活用されるようになっています。
そして21世紀,コンピュータの普及やネットワーク化によって私たちをとりまく情報量が飛躍的に増加しました。
人間の認識能力を超えた膨大な量のデータと人間の理解をとりもつインターフェイスととしてインフォグラフィックがその重要性を増すとともに,動的なデータ表現によってその表現方法も大きく革新されつつあります。
いまやインフォグラフィックの制作,運用,理解のためには表面的な処理方法の問題をこえて,情報と表現の関係を本質的に捉える必要があります。
そこで本書ではインフォグラフィックをマップ,統計,図解,関係,コードといったアプローチ別に考察し,インフォグラフィックにかんする基本的な考え方を提示します。
また,インフォグラフィックの形成史のなかで,データ視覚表現の「変化ドライブ(変化の要因)」を探り、今後の視覚情報のあり方を考える機会を提供します。
- 本の長さ174ページ
- 言語日本語
- 出版社誠文堂新光社
- 発売日2016/2/1
- ISBN-104416115490
- ISBN-13978-4416115497
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商品の説明
著者について
永原 康史:グラフィックデザイナー。多摩美術大学情報デザイン学科教授。ブックデザインから電子メディアのプロデュース、展覧会のアートディレクションまで、メディア横断的に活動する。主著書に『日本語のデザイン』(美術出版社)、『デザインの風景』(BNN新社)などがある。
登録情報
- 出版社 : 誠文堂新光社 (2016/2/1)
- 発売日 : 2016/2/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 174ページ
- ISBN-10 : 4416115490
- ISBN-13 : 978-4416115497
- Amazon 売れ筋ランキング: - 635,247位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,180位グラフィックデザイン (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年6月17日に日本でレビュー済み
当該書籍は、副題にもあるとおり「情報と図解の近代史」です。それは「情報の視覚化の近代史」と言い換えることもできそうです。
「インフォグラフィックスの潮流」という主題については、こう説明されています。《『インフォグラフィックスの潮流』とは、絵が図になり、グラフになり、ダイアグラムになり、そしてインフォグラフィックスと呼ばれるに至るまでの流れのことです。それは、絵によって「絵以前のもの」があらわされ、それによって何かが伝わり、人びとの理解や発見を助けるようにと、表現が変化していく流れでもあります》。
第1章は、産業革命を先駆けた19世紀ロンドンの都市交通網の話から始まります。そこで用いられた地図が話題となります。そこでこんな記述があります。《(1890年頃から)既存の(実際の)地図に路線を書き込んだ程度の路線図(図11)やヴィクトリア朝様式の時刻表(図12)こそ存在しましたが、「絵」や「表」にとどまっており、「図」には届いていません。ましてや「言語」にはほど遠いものでした》。《20世紀に入ると、その地図も少しずつダイアグラム化されていき》《1908年ごろから駅の案内板や車両内部にダイアグラム(図17)が登場します》そして《1933年、まったく新しい路線図 『(通称)ベックマップ』が登場します。それが《世界中の路線図の姿を一変させたことはよく知られています》。
情報・知識を可視化する人類の営みの歴史については、『THE BOOK OF TREES―系統樹大全:知の世界を可視化するインフォグラフィックス』という書籍もあります。そこでは800年の歴史をたどり、200余りの図版が用いられています。特に「系統樹」に焦点をあてた興味深いものです。ですが、それは、どちらかというと網羅的です。それに対して、当該書籍の魅力は、その解説です。当書も多数の図版が用意されていますが、物語性が、その魅力です。著者の言葉をそのまま借りるなら、(読者の)「理解や発見を助けるようにと、表現が変化していく」流れ(“話の筋”)の魅力です。すべての章をとおし著者の思いは一貫しているように見受けられます。
終章末を引用します。《私は、視覚表現をさかのぼると四つの行為に行きあたると考えています。「描く」「写す」「数える」「伝える」です。「描く」は動物たちなどを描いた「洞窟壁画」。「写す」はやはり洞窟に残る手形「ネガティブハンド」。「数える」はくさび形の印が刻みつけられた「トークン」。「伝える」は「象形文字」にそれぞれさかのぼることができます。人間にとって目から入る情報は全体の8割を超えるといわれていますから、文明が起こる以前から、人は自分の外の「世界」と視覚的に“交流(インタラクション)”しようとしていたのだと思います。// そういう行為のつづきが今日のインフォグラフィックスであるとすれば、「図」を介在して起こる「人」と人を取り囲む「世界」とのインタラクションこそが情報視覚化の変化要因なのでしょう》。
言語によるものも含め「表現」について考えるよい機会となったことを報告したく思います。
「インフォグラフィックスの潮流」という主題については、こう説明されています。《『インフォグラフィックスの潮流』とは、絵が図になり、グラフになり、ダイアグラムになり、そしてインフォグラフィックスと呼ばれるに至るまでの流れのことです。それは、絵によって「絵以前のもの」があらわされ、それによって何かが伝わり、人びとの理解や発見を助けるようにと、表現が変化していく流れでもあります》。
第1章は、産業革命を先駆けた19世紀ロンドンの都市交通網の話から始まります。そこで用いられた地図が話題となります。そこでこんな記述があります。《(1890年頃から)既存の(実際の)地図に路線を書き込んだ程度の路線図(図11)やヴィクトリア朝様式の時刻表(図12)こそ存在しましたが、「絵」や「表」にとどまっており、「図」には届いていません。ましてや「言語」にはほど遠いものでした》。《20世紀に入ると、その地図も少しずつダイアグラム化されていき》《1908年ごろから駅の案内板や車両内部にダイアグラム(図17)が登場します》そして《1933年、まったく新しい路線図 『(通称)ベックマップ』が登場します。それが《世界中の路線図の姿を一変させたことはよく知られています》。
情報・知識を可視化する人類の営みの歴史については、『THE BOOK OF TREES―系統樹大全:知の世界を可視化するインフォグラフィックス』という書籍もあります。そこでは800年の歴史をたどり、200余りの図版が用いられています。特に「系統樹」に焦点をあてた興味深いものです。ですが、それは、どちらかというと網羅的です。それに対して、当該書籍の魅力は、その解説です。当書も多数の図版が用意されていますが、物語性が、その魅力です。著者の言葉をそのまま借りるなら、(読者の)「理解や発見を助けるようにと、表現が変化していく」流れ(“話の筋”)の魅力です。すべての章をとおし著者の思いは一貫しているように見受けられます。
終章末を引用します。《私は、視覚表現をさかのぼると四つの行為に行きあたると考えています。「描く」「写す」「数える」「伝える」です。「描く」は動物たちなどを描いた「洞窟壁画」。「写す」はやはり洞窟に残る手形「ネガティブハンド」。「数える」はくさび形の印が刻みつけられた「トークン」。「伝える」は「象形文字」にそれぞれさかのぼることができます。人間にとって目から入る情報は全体の8割を超えるといわれていますから、文明が起こる以前から、人は自分の外の「世界」と視覚的に“交流(インタラクション)”しようとしていたのだと思います。// そういう行為のつづきが今日のインフォグラフィックスであるとすれば、「図」を介在して起こる「人」と人を取り囲む「世界」とのインタラクションこそが情報視覚化の変化要因なのでしょう》。
言語によるものも含め「表現」について考えるよい機会となったことを報告したく思います。