本書はDevOps導入の取り組みを成功させ、目指した目標を達成するために必要な理論、原則、実践について書かれている。
DevOpsの主要なプラクティスである継続的インテグレーションの実践や主要なツールについても解説されているが、
それだけでなくDevOpsのビジネスバリューについてやGoogle, Netflix, LinkedInといった著名な企業の事例も掲載されている。
前半部では以下のようなDevOpsの原則とスタートのための糸口が書かれる(中盤以降は各原則を実践するための詳解)
■DevOpsの3つの原則:
①フローの原則…開発から運用、そして顧客に仕事の成果を送り届けるまでの流れを加速する方法。
②フィードバックの原則…さらに安全なシステムを作るために運用から開発への高速フィードバックの手段。
③継続的な学習と実験の原則…日常業務の一部として改善のリスクを組織的に引き受けるための高信頼マネジメントの文化と科学的アプローチの奨励。
■DevOpsのビジネスバリュー: 2013年~2016年の25,000人以上のITプロフェッショナルからのデータを集めた結果、業績の高い企業はそうでない企業に比べ、次のように優れている。
①コードと変更のデプロイを30倍頻繁に実施。
②コードと変更のデプロイリードタイムが200倍高速に実施。
③本番デプロイの信頼性(成功率)が60倍高い。
④サービス復旧のための時間が168倍短い。
⑤時価総額の増加が3年間で50%高い。など。
■DevOpsを始めるために:
①比較的リスクを恐れないグループで始めて基礎を築いてから広げる。対象とするシステムは新規の方が簡単ではあるが、既にサービスインしている既存システムでも成功させることはできる。
②対象システムのバリューストリーム(ビジネス上の仮設を立案してから、顧客に価値を送り届ける技術サービスを生み出すまでの間に必要なプロセス)の全てのプロセスを洗い出すために、主要なステークホルダーを集めてワークショップを開く。
③専任の変革チームを組織し、6か月から2年の間に達成すべき測定可能な目標を設定する。
④ツールを使って、開発と運用が同じ目標を共有し、仕事にグローバルな優先順位をつけられるようにする。
⑤これらを通じて、チームがコスト最適化ではなくスピード最適化を意識し、独力で安全に仕事を進められるように育てる。
本書を読めば、DevOpsは単なるツールの活用やテクニックではなく、組織として思想を持って実践していくべき文化であり、決して一過性のバズワードではないことがわかる。
Webサービスに限らず、今後は基幹系システムやその他のソフトウェアでもこうした考えが一般的になっていくように思える。
また実際にプロジェクトでテスト環境やビルド環境の構築でトラブルを経験した立場としては、そうなっていってほしい。
本書においても小売業者や教育機関向けパッケージソフト会社の事例なども書かれている。
顧客からの年々リリースサイクルの早期化を要望されるIT業者において、本書は技術者だけでなく、プロマネやサービスマネージャといった管理職も読んで意義のある内容となっていると信じる。
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The DevOps ハンドブック 理論・原則・実践のすべて 単行本(ソフトカバー) – 2017/6/22
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DevOps改革を「迅速に・確実に・安全に」実践するための必読書です。
システムの開発と運用を一体化するDevOpsの理論と実践を徹底解説。
ビジネス成果に結びつく考え方・導入・実践・事例を網羅した決定版です。
事例については、Google、Facebook、Twitter、LinkedIn、Netflix、Target、Etsy、Pivotalなどの実例を
当事者のコメントやポイントともに紹介しています。
本書の目的は、DevOps導入の取り組みを成功させ、目指した目標を達成するために必要な理論、原則、実践を読者に伝えることだ。このガイドは、経営理論の数十年の蓄積、高い業績を上げているIT企業の研究、組織改革を手伝うために私たちが行ってきたこと、処方されたDevOps実践の有効性の検証を基礎としている。また、関連する分野の専門家たちに対するインタビューや、DevOps Enterprise Summitで発表された100件近いケーススタディの分析も織り込まれている。
本書は6部構成になっており、「3つの道」を使ってDevOpsの理論と実践を説明していく。ITバリューストリーム(一般に、製品管理、開発、品質保証、IT 運用、情報セキュリティから構成されている)の仕事を行っているか影響を与えているすべての人々のための本であり、ほとんどのITプロジェクトを生み出すもととなっている経営者、販売推進(マーケティング)リーダーのための本でもある。
読者は、これらの分野やDevOps、アジャイル、ITIL、リーン、その他のプロセス改善手法のことを知っている必要はない。これらのテーマは、本書のなかで必要になったときに登場し、説明していく。
(序章より)
(本書で詳述する)「3つの道」はDevOpsの大原則であり、DevOpsを理解・実践するための大きな着眼点であるととらえればよい。第1の道はITバリューストリームのスピードアップであり、開発から運用を経て顧客接点のビジネスまでのスムーズな展開、第2の道はその逆方向でのフィードバックプロセスの有効化と迅速化、第3の道はこうした展開の安定と継続のなかで組織的に学習していくプロセスを表している。第1章の図5に示されているシンプルな矢印の重ね合わせこそが大原則なのである。
本書の構成はこの「3つの道」を中心の部として配置し、そのなかにトピックごとの章立てがなされている。まずは「3つの道」の概念をしっかりと理解、頭に入れた上で読み進めるのがよいだろう。
(監修者あとがきより)
システムの開発と運用を一体化するDevOpsの理論と実践を徹底解説。
ビジネス成果に結びつく考え方・導入・実践・事例を網羅した決定版です。
事例については、Google、Facebook、Twitter、LinkedIn、Netflix、Target、Etsy、Pivotalなどの実例を
当事者のコメントやポイントともに紹介しています。
本書の目的は、DevOps導入の取り組みを成功させ、目指した目標を達成するために必要な理論、原則、実践を読者に伝えることだ。このガイドは、経営理論の数十年の蓄積、高い業績を上げているIT企業の研究、組織改革を手伝うために私たちが行ってきたこと、処方されたDevOps実践の有効性の検証を基礎としている。また、関連する分野の専門家たちに対するインタビューや、DevOps Enterprise Summitで発表された100件近いケーススタディの分析も織り込まれている。
本書は6部構成になっており、「3つの道」を使ってDevOpsの理論と実践を説明していく。ITバリューストリーム(一般に、製品管理、開発、品質保証、IT 運用、情報セキュリティから構成されている)の仕事を行っているか影響を与えているすべての人々のための本であり、ほとんどのITプロジェクトを生み出すもととなっている経営者、販売推進(マーケティング)リーダーのための本でもある。
読者は、これらの分野やDevOps、アジャイル、ITIL、リーン、その他のプロセス改善手法のことを知っている必要はない。これらのテーマは、本書のなかで必要になったときに登場し、説明していく。
(序章より)
(本書で詳述する)「3つの道」はDevOpsの大原則であり、DevOpsを理解・実践するための大きな着眼点であるととらえればよい。第1の道はITバリューストリームのスピードアップであり、開発から運用を経て顧客接点のビジネスまでのスムーズな展開、第2の道はその逆方向でのフィードバックプロセスの有効化と迅速化、第3の道はこうした展開の安定と継続のなかで組織的に学習していくプロセスを表している。第1章の図5に示されているシンプルな矢印の重ね合わせこそが大原則なのである。
本書の構成はこの「3つの道」を中心の部として配置し、そのなかにトピックごとの章立てがなされている。まずは「3つの道」の概念をしっかりと理解、頭に入れた上で読み進めるのがよいだろう。
(監修者あとがきより)
- 本の長さ488ページ
- 言語日本語
- 出版社日経BP
- 発売日2017/6/22
- ISBN-104822285480
- ISBN-13978-4822285487
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商品の説明
出版社からのコメント
DevOpsの理論・原則・実践を網羅しているだけでなく
米先進企業の実例がふんだんに盛り込まれており、大いに参考になると思います。
以下、掲載されているケーススタディの一例です。
Facebook Chat─ダークローンチ(2008年)
Amazon─発展的アーキテクチャ(2002年)
Google─ローンチ/引き継ぎ準備調査(2010年)、コードレビュー(2010 年)
Twitter─静的セキュリティテスト(2009年)
Salesforce.com─自動化されたインフラストラクチャによる変更を標準的な変更に
LinkedIn ─ Operation InVersion(2011年)
Netflix ─オートスケーリング機能(2012年)
Target ─ API Enablement(2015年)
米先進企業の実例がふんだんに盛り込まれており、大いに参考になると思います。
以下、掲載されているケーススタディの一例です。
Facebook Chat─ダークローンチ(2008年)
Amazon─発展的アーキテクチャ(2002年)
Google─ローンチ/引き継ぎ準備調査(2010年)、コードレビュー(2010 年)
Twitter─静的セキュリティテスト(2009年)
Salesforce.com─自動化されたインフラストラクチャによる変更を標準的な変更に
LinkedIn ─ Operation InVersion(2011年)
Netflix ─オートスケーリング機能(2012年)
Target ─ API Enablement(2015年)
登録情報
- 出版社 : 日経BP (2017/6/22)
- 発売日 : 2017/6/22
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 488ページ
- ISBN-10 : 4822285480
- ISBN-13 : 978-4822285487
- Amazon 売れ筋ランキング: - 140,080位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 243位Web構築・管理
- カスタマーレビュー:
著者について
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1960年生まれ。東京大学教育学部卒。英語ともコンピュータとも縁はなかったが、大学を出て就職した会社で当時のPCやらメインフレームやらと出会い、当時始まったばかりのパソコン通信で多くの人と出会う。それらの出会いを通じて、1987年頃からアルバイトで技術翻訳を始め、その年の暮れには会社を辞めてしまう。1988年に(株)エーピーラボに入社し、取締役として97年まで在籍する。1997年に(株)ロングテールを設立して現在に至る。訳書は、上下巻に分かれたものも2冊に数えて百数十冊になった。一方で、95年『長い夢』、96年『イギリス観光旅行』、97年『縁起でもない』、00年『頭の名前』、18年『抒情詩試論?』という著書もある。https://www.longtail.co.jp/
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年2月18日に日本でレビュー済み
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2023年7月9日に日本でレビュー済み
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DevOpsの概念と実例を説明した本。
・技術本・体系立てたリファレンス本というよりも概念を作るに至った実例の紹介をした読み物。また、元が英語圏の本なので、原著からだと思いますが、かなり内容が冗長です。
※基本的に章が3段論法→まとめ構成ですが、全部同じこと言ってる・・・という感じ
・開発標準(ウォータフォール、アジャイル)等をある程度理解していないと、読むのは辛そう
※この本を手にした時点でそういった方は少ない気もしますが
・訳が微妙すぎる
例)開発者、デベロッパ等、同一意味で表記ゆれがちょこちょこある。そのまま原文を訳しているので、日本語的に文章表現がいびつ、アメリカ映画の日本語訳みたいな箇所が多い
とはいえ、DevOpsの訳著としてこれ以上のものが現状存在しないので、欲張りはいけないのですが。
・技術本・体系立てたリファレンス本というよりも概念を作るに至った実例の紹介をした読み物。また、元が英語圏の本なので、原著からだと思いますが、かなり内容が冗長です。
※基本的に章が3段論法→まとめ構成ですが、全部同じこと言ってる・・・という感じ
・開発標準(ウォータフォール、アジャイル)等をある程度理解していないと、読むのは辛そう
※この本を手にした時点でそういった方は少ない気もしますが
・訳が微妙すぎる
例)開発者、デベロッパ等、同一意味で表記ゆれがちょこちょこある。そのまま原文を訳しているので、日本語的に文章表現がいびつ、アメリカ映画の日本語訳みたいな箇所が多い
とはいえ、DevOpsの訳著としてこれ以上のものが現状存在しないので、欲張りはいけないのですが。
2018年10月3日に日本でレビュー済み
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体系だってまとめられていて、実例も載っているので理解しやすかったです。
一方でこれを読めば(何も考えないでも)自分の会社や環境で即実践できるというような類のものではないです。当たり前ですが。
環境なんて千差万別なので、実践にあたってどうするかは当事者に委ねられています。
一方でこれを読めば(何も考えないでも)自分の会社や環境で即実践できるというような類のものではないです。当たり前ですが。
環境なんて千差万別なので、実践にあたってどうするかは当事者に委ねられています。
2017年7月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
こんなに早く日本語版がでたので驚いています。有名な4名の著者が5年を要して書き上げたという大変すばらしい本だと思います。一読に値します。DevOpsには興味はあるが、その意味する正確な理解やDevOpsが実現する価値とは何か、そうしたものを正確に理解したい人に向けて、この本はその辺の本質論を判りやすく展開してくれています。最新のシステム開発動向、ITサービス動向、そうした最新事例も多く記載されていますので、大変参考になります。
2022年7月7日に日本でレビュー済み
読み始めるといきなり「DevOpsに対する世間の誤解」から始まって、
・DevOpsという言葉はこのときに生まれた
・DevOpsはこのように発展してきた
・DevOpsではこうする
・DevOpsで~が得られる
とかが延々と書いてあるがDevOpsが何を指すのかというのが全然出てこない。
だから、ある程度読んだが本書においてのDevOpsがなんなのかさっぱりわからず、具体例やら理論やらが出てきても群盲象を評すといった感じで全体像が見えない。
あと、内容は仕事の大きな枠組みを決める話なので、部長とか相当偉い人向けの内容で平社員とかチームリーダぐらいの役職の方にはあまり参考にならない。
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とかが延々と書いてあるがDevOpsが何を指すのかというのが全然出てこない。
だから、ある程度読んだが本書においてのDevOpsがなんなのかさっぱりわからず、具体例やら理論やらが出てきても群盲象を評すといった感じで全体像が見えない。
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