本書のレベルは高い。
なかには相当に難しい文章も取り上げられている。
いたずらに本書を手に取る前に他の標準レベルの英文解釈書を1冊確実に仕上げておくとよい。
本書は単なる受験参考書に留まらず
散文の英文学に独学で近づくために適した内容の英文解釈書である。
構成は初期・中期・後期の3部に分かれている。
初期は50の英文(と50の練習問題)から構成されていて、構文の理解を主目的としているが
それに付随して文法事項の確認やいくらかの語彙を身につけることができる。
初期は比較的読みやすい文章が多く解説も比較的詳しいが、やや程度の高い文章も含まれており
すべてこなすには骨が折れるはずである。読みやすいとはいえ全体的な難度は高めである。
中期は30の英文と練習問題からなるが、ここから相当難しくなる。
文脈から意味内容を紐解いていくことが主目的となり、本格的な英文解釈となる。
「現代最高の散文」を取り上げたと書いてあるとおり、英語力だけでなく
しっかりとした言語運用能力もないと正確な読解は困難となる。
中期以降の文章が読みこなせるようになることこそが英文解釈の神髄である。
後期はさらに演習の数をこなしたい場合に有用である。
初期の50の文章を確実に解釈できるようになった時点でもすでにかなりの力がつくが
しっかり何度も繰り返し読んでこそである。
中期はそもそも何度も読まないと意味がつかめないような文章が多く取り上げられているので
相当に骨が折れるが、中期を終えた時点で英文解釈についてはそのぶん実力がついている。
中期まで終えた時点で英文学の作品を読んでいくのもよいし、後期に進んでもよいと思う。
自分の実力を見誤って挑むと手に負えないはずの一冊である。難しいのは事実である。
解説が不親切と感じるなら素直に実力不足を認めなければならない。
しかし、本書の文章は内容的にも優れたもの、興味深いものが多いので
十分な基礎力を身につけていれば、骨は折れるが楽しく読める一冊である。
大学などで英文学を学ばなかった者が独学で英文学に挑戦するステップとしてもよい本である。
本書ほどの英文解釈は大学入試だけを目的とすれば必要ないかもしれない。
では何のためにするのかとなると、「趣味のため」といえるような人にこそ本書は最適である。
英文解釈はそれ自体が楽しいのである。
そういうニーズにこそぴったりな一冊であり、それだけに読む人を選ぶことは事実である。
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英文標準問題精講 単行本 – 1999/9/29
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購入オプションとあわせ買い
初版以来半世紀以上にわたって、高校生・受験生に「原の英標」の愛称で親しまれ、絶対の信頼を得ている名著の新装版。入試頻出の英文を収めて、懇切丁寧に解説した英文徹底征服書。新装版では本文の1色が2色に、練習問題の解答が別冊になり、使いやすくなりました。全体は、初期・中期・後期各10日間でマスタ-できる3部構成になっています。初期は文章の構造・分析・語法など、中期は文脈推理による解釈法を、後期では要約問題などの特殊形式の問題を収録。わずか1か月であらゆる形式の英文がマスタ-できます。
- 本の長さ323ページ
- 言語日本語
- 出版社旺文社
- 発売日1999/9/29
- ISBN-104010323310
- ISBN-13978-4010323311
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価格 | ¥968¥968 | ¥968¥968 | ¥968¥968 |
教科 | 英文(英文解釈/精読) | 英文法 | 英語長文 |
レベル | 標準 | 標準 | 標準 |
(入試基礎) | |||
(センター試験/共通テスト) | |||
(私大標準) | |||
(国公立大標準) | ✓ | ||
(私大難関) | ✓ | ✓ | ✓ |
(国公立大難関) | ✓ | ✓ | ✓ |
著者 | 原仙作,中原道喜 | 原仙作,中原道喜 | 中原道喜 |
判型 | B6変型判 | B6変型判 | B6変型判 |
現代文 標準問題精講 | 日本史 標準問題精講 | 世界史 標準問題精講 | 政治・経済 標準問題精講 | |
---|---|---|---|---|
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価格 | ¥1,430¥1,430 | ¥1,595¥1,595 | ¥1,595¥1,595 | ¥1,595¥1,595 |
教科 | 現代文 | 日本史 | 世界史 | 政治・経済 |
レベル | 標準 | 標準 | 標準 | 標準 |
(入試基礎) | ||||
(センター試験/共通テスト) | ||||
(私大標準) | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ |
(国公立大標準) | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ |
(私大難関) | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ |
(国公立大難関) | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ |
著者 | 神田邦彦 | 石川晶康 | 松永陽子 | 昼神洋史,金城透 |
判型 | A5版 | A5版 | A5版 | A5版 |
数学Ⅰ・A 標準問題精講 | 数学Ⅱ・B 標準問題精講 | 数学Ⅲ 標準問題精講 | 物理(物理基礎・物理)標準問題精講 | 化学(化学基礎・化学)標準問題精講 | 生物(生物基礎・生物)標準問題精講 | |
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教科 | 数学ⅠA | 数学ⅡB | 数学Ⅲ | 物理(物理基礎・物理) | 化学(化学基礎・化学) | 生物(生物基礎・生物) |
レベル | 標準 | 標準 | 標準 | 標準 | 標準 | 標準 |
(入試基礎) | ||||||
(センター試験/共通テスト) | ||||||
(私大標準) | ✓ | ✓ | ✓ | |||
(国公立大標準) | ✓ | ✓ | ✓ | |||
(私大難関) | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ |
(国公立大難関) | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ | ✓ |
著者 | 麻生雅久 | 亀田隆 | 木村光一 | 中川雅夫,為近和彦 | 鎌田真彰,橋爪健作 | 石原將弘,朝霞靖俊,山下翠 |
判型 | A5 | A5 | A5 | A5 | A5 | A5 |
登録情報
- 出版社 : 旺文社; 新装5訂版 (1999/9/29)
- 発売日 : 1999/9/29
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 323ページ
- ISBN-10 : 4010323310
- ISBN-13 : 978-4010323311
- Amazon 売れ筋ランキング: - 9,319位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 39位英文読解
- - 341位高校教科書・参考書 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2024年2月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2023年11月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
学生時代、英文解釈の参考書は伊藤和夫『英文解釈教室』でとどめだった。
この年齢になり、子ども達の大学受験準備に合わせて、いくつかの参考書に目を通した。
丁度良い機会なので、趣味としての英語を進めようと思い、本書を手に取った。
良質な問題文が用いられ、なおかつ、引用元まで明示してある。
『これは楽しめそうだぞ』という期待通り、知的興味を刺激されながら読み続けている。
この年齢になり、子ども達の大学受験準備に合わせて、いくつかの参考書に目を通した。
丁度良い機会なので、趣味としての英語を進めようと思い、本書を手に取った。
良質な問題文が用いられ、なおかつ、引用元まで明示してある。
『これは楽しめそうだぞ』という期待通り、知的興味を刺激されながら読み続けている。
2022年6月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大学生受験時代に5回繰り返しました。説明が割と不親切なので、1〜2回目はただ問題と解答を何も考えずに書き写して、辞書を引きながら見比べるだけ。3回目以降はやはり問題文を書き写して自分なりに解答を書き、本書の解答と見比べて違いをチェック。4回目以降になると語彙が飛躍的にアップ。5回目になると問題文を見ただけで回答が頭に浮かび上がるようになり「英語だけなら東大理IIIにも受かる」レベルになります。
最近、語彙力が落ちてきたので再度購入して使っていますが、さすがに解答文が古めかしく感じられるため、自分なりに解答をアレンジしています。
個人的には最高の問題集だと思う思いますが、万人にオススメできるものではないため、保湿4としました。
最近、語彙力が落ちてきたので再度購入して使っていますが、さすがに解答文が古めかしく感じられるため、自分なりに解答をアレンジしています。
個人的には最高の問題集だと思う思いますが、万人にオススメできるものではないため、保湿4としました。
2022年11月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
英検準一級取得後、一級を目指す方にこれ頑張っての文字を発見し購入。良書の噂通り、期待通りでこの金額で発売されているたくさんの本の中でも価値がありすぎる。
2009年11月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
35年ぶりぐらいに通読してみました。
すき間時間を利用して読みましたが、
一通り読むのに2週間ぐらいかかりました。
今は読めないところがほとんどないにも
かかわらず、2週間かかったということは、
以前は相当苦労して読んだだろうと思います。
今回は、味わえる英文を少し読んでみたかったのと、
はるか昔に大学受験を終えた者として、
高校生諸君になにか助言できることがあるのでは
ないかと思って読み返してみたのですが、
主な気づいた点は以下の3点です。
1. 確かに名文が多いです。英語としての名文は
もちろん、Russell や A. Huxley など、内容的にも
味読できる文章が載せられていますので、
高校生諸君なら大いに知的刺激が得られるでしょう。
2. 載せられている文章に出てくる単語、言い回しは、
大学受験、あるいはその後のある程度実用レベルの
英語の習得のために、ほとんど必須というべきものです。
高校1年生ぐらいですと、いきなりこの本にとりつくのは
かなりハードルが高いかも知れませんが、高校3年終了までには
ぜひとも読めるようになっていなければならない本と
覚悟して、折に触れてこの本を繰り返すとよいと思います。
3. ところどころに、間違いや怪しいところはちらほら
あります。特に訳文。著者訳を読んでも、意味がよくわからない
ところがあります。そういうところはたいてい間違いと
思っていいでしょう。自分で適訳をつけると力になります。
英文にも少し怪しいところはありそうです。
総じて、ロングセラーだけあって、とてもよい参考書だと
思います。注意点は、時間をかけすぎないことです。
こればかりやっていると、ほかのことができなくなりますので、
やさしい文法書を1〜2冊やって大まかな文法を
頭に入れ、構文の問題集で知識を増やしながら、
気に入った英和辞典とOALD(オックスフォード現代英々辞典)を
使い、時々楽しみながらこの本に挑戦する、そして
1つ読み取れるようになったら音読を繰り返して
また楽しむ、というような、1粒で何度もおいしい、
というような使い方をするのがよいのではないでしょうか。
すき間時間を利用して読みましたが、
一通り読むのに2週間ぐらいかかりました。
今は読めないところがほとんどないにも
かかわらず、2週間かかったということは、
以前は相当苦労して読んだだろうと思います。
今回は、味わえる英文を少し読んでみたかったのと、
はるか昔に大学受験を終えた者として、
高校生諸君になにか助言できることがあるのでは
ないかと思って読み返してみたのですが、
主な気づいた点は以下の3点です。
1. 確かに名文が多いです。英語としての名文は
もちろん、Russell や A. Huxley など、内容的にも
味読できる文章が載せられていますので、
高校生諸君なら大いに知的刺激が得られるでしょう。
2. 載せられている文章に出てくる単語、言い回しは、
大学受験、あるいはその後のある程度実用レベルの
英語の習得のために、ほとんど必須というべきものです。
高校1年生ぐらいですと、いきなりこの本にとりつくのは
かなりハードルが高いかも知れませんが、高校3年終了までには
ぜひとも読めるようになっていなければならない本と
覚悟して、折に触れてこの本を繰り返すとよいと思います。
3. ところどころに、間違いや怪しいところはちらほら
あります。特に訳文。著者訳を読んでも、意味がよくわからない
ところがあります。そういうところはたいてい間違いと
思っていいでしょう。自分で適訳をつけると力になります。
英文にも少し怪しいところはありそうです。
総じて、ロングセラーだけあって、とてもよい参考書だと
思います。注意点は、時間をかけすぎないことです。
こればかりやっていると、ほかのことができなくなりますので、
やさしい文法書を1〜2冊やって大まかな文法を
頭に入れ、構文の問題集で知識を増やしながら、
気に入った英和辞典とOALD(オックスフォード現代英々辞典)を
使い、時々楽しみながらこの本に挑戦する、そして
1つ読み取れるようになったら音読を繰り返して
また楽しむ、というような、1粒で何度もおいしい、
というような使い方をするのがよいのではないでしょうか。
2022年5月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私は初版を除いて英標のすべての版を持っている。初版は中身だけ見たことがある。原仙作は初版出版当時25歳だったが、初版は彼が20代前半に受験雑誌に寄稿したものをまとめただけのものだったらしく、解説は辞書をひけば分かるようなあってもなくてもどうでもいい語句注だけだった。よって現在の英標の原型は1948年の改訂版である。その後1954年に後半4分の1をすべて入れ替えた版が出る。1962年の版で問題の大半を入れ替えたのだが、現行版はこれと220題中176題、つまり80%同じである。解説もほとんど変わらない。2022年現在で60年前とほぼ同内容の本が受験参考書を扱っている書店ならどこにでも置いてあるのは驚くべきことだ。来年で英標は出版90周年を迎えるが、実はひっそりと「現在とほぼ同内容になって60周年」を迎えていたのだ。このレビューを見ても分かるが、今でも英標をやっている受験生はいる。入門精講や基礎精講は普通に売れているので、その先に英標をやろうとするのは当然だ。ところで受験生諸君、いい加減に「解説が少ない」とか言うのを止めて辞書を引かないか? 辞書も引かないで自分で考えずに教師に質問しても意味ないよ。大学でも同じことするのか? 社会人になってからも同じことするのか? いい加減にしろや
2018年7月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まず、普通の受験生が手を出すべき本ではありません。
解説が擁護できないほど薄くて、参考書としては使い物にならないと思います。
練習問題に至っては、訳文と申し訳程度に語句がピックアップされているだけです。
本当に読者に理解して貰おうという気持ちがあるのかと言いたくなってくるのが率直なところです。
基本的に、本書は堅い文章とその訳が収録されているだけと言った方がより正確だと思います。
それならば、好きな洋書とその邦訳本を用意して読んでいった方がずっと楽しいと思いますが、いかがでしょうか。
また、全体的に気分の沈んでくる文章が多く、そういった意味でもお勧めできません。
少なくとも読んでいて楽しいと思えるものではないと思います。
私も一応全ての文章を読み解きましたが、二度と手に取ろうとは思えない書籍です。
そうは言っても、本書をやりきれれば大きな力が付くのは間違いありませんし(ただし、本書を敢えて選ぶ必要はない)、抽象的なことが書いてある洋書を探す際の、いわば「洋書カタログ」として利用できます。
そういった意味では、全く価値が見いだせない本というわけではないので、星2つとします。
解説が擁護できないほど薄くて、参考書としては使い物にならないと思います。
練習問題に至っては、訳文と申し訳程度に語句がピックアップされているだけです。
本当に読者に理解して貰おうという気持ちがあるのかと言いたくなってくるのが率直なところです。
基本的に、本書は堅い文章とその訳が収録されているだけと言った方がより正確だと思います。
それならば、好きな洋書とその邦訳本を用意して読んでいった方がずっと楽しいと思いますが、いかがでしょうか。
また、全体的に気分の沈んでくる文章が多く、そういった意味でもお勧めできません。
少なくとも読んでいて楽しいと思えるものではないと思います。
私も一応全ての文章を読み解きましたが、二度と手に取ろうとは思えない書籍です。
そうは言っても、本書をやりきれれば大きな力が付くのは間違いありませんし(ただし、本書を敢えて選ぶ必要はない)、抽象的なことが書いてある洋書を探す際の、いわば「洋書カタログ」として利用できます。
そういった意味では、全く価値が見いだせない本というわけではないので、星2つとします。