慶応大学の人事を専門とする知り合いの先生に勧められて購入しました。一言でいうとニューサイエンスという物理学の世界で考えたときに組織を形作る人はどのような関係性であることが自然なのか？などを考察した本となります。
たとえば、私たちは会議や何かを決めるときに何らかの正解があるということを前提にすべての物事を進めています。
これはある一定の規則ですべての物事は動くという、ニュートン物理学の世界観から派生しているものです。しかし最近のニューサイエンスでは出来事の不連続性・不確実性の集積が世界を形作っているという説が一般的になりつつあり、そうであるとこの瞬間の各自の判断は不連続でありながらも最終的にはひとつの世界を形作るということになるようです。
個人的には４章の「シュレーディンガーの猫」を引き合いに出して全員参加型組織が今なぜ必要なのかという件が面白くてお気に入りです。
本書は全体を通して、私たちは回答を追い求めるのではなく各自の意見を尊重して最適な解を出せば、世界はそれに従って形作られると本書では語られています。
このような状況で発揮されるリーダシップはどのようなものであるかを考えさせられれた本でした。
少し難解で、何度か読み返さないと頭に入っていかない部分がありましたが、それでもテーマとしては斬新なのでビジネスリーダの方々にはお勧めしたい本です。
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