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ロックンロール (角川文庫) 文庫 – 2007/8/24

大崎善生 (著)

3.7 17個の評価

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ツェッペリンの名曲をバックに、パリで繰り広げられる恋模様

小説執筆のためパリに滞在していた作家・植村は、筆の進まない作品を前にはがゆい日々を過ごしていた。しかし、そこに突然訪れた奇跡が彼を昂らせる。欧州の地で展開される、切なくも清々しい恋物語。

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本の長さ

304ページ
言語

日本語
出版社

KADOKAWA
発売日

2007/8/24
ISBN-10

4043740042
ISBN-13

978-4043740048
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大崎善生
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商品の説明

著者について

●大崎善生:1957年12月11日、北海道札幌市生まれ。早稲田大卒業後、日本将棋連盟に就職。「将棋世界」編集長を経て、00年、ノンフィクション「聖の青春」でデビューし、新潮学芸賞を受賞。以後、「将棋の子」で講談社ノンフィクション賞、「パイロットフィッシュ」で吉川栄治文学新人賞を

登録情報

出版社 ‏ : ‎ KADOKAWA (2007/8/24)
発売日 ‏ : ‎ 2007/8/24
言語 ‏ : ‎ 日本語
文庫 ‏ : ‎ 304ページ
ISBN-10 ‏ : ‎ 4043740042
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4043740048

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大崎善生

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dance3

マイナーですが、いいですよ：書くことを仕事にしている人へ

2010年4月11日に日本でレビュー済み

大崎善生が

「書くことについて書」いている。
夜中にナベを磨くこと。
磨けば磨くほどに鍋は増えていく。
そんな考えかた、素敵です。

ストーリーから書くのではなく
場面から広がっていく作風が
私的な情景を生み出すのだと
思われました

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shokkie

彼の著書を読んだの、初めてだからかな。

2004年4月26日に日本でレビュー済み

なんとなく、主人公の作家と編集者の関係に不自然さを感じた。
そのような関係に陥るまでの過程とその叙述と、主人公である作家が
描く小説の内容と結局どうリンクしているのかは疑問。
それに主人公の微妙にコミカルなセリフまわしによって、かえって主人公のキャラクターが分かりにくくなってしまっている気が…｡

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shigekey

小説を書くということ。

2010年2月10日に日本でレビュー済み

主人公は小説について、

ひとつひとつの文章を丁寧に書き上げながら、
手探りで進めていく。
150枚書いたとしても、蟻地獄にはまって、
そこで終わってしまうこともある。
ただ、文章を書き上げてきた経験が、
先にある蟻地獄を知らせてくれ、迂回することができるんだ、

と語る。

小説を構成する文章。
それを突き詰めた経験が、
行き詰まりかけたとき前へ進めてくれる。

これが経験というものだろう。
表面だけをなぞって経験と呼ばれているものなんて、
何の意味もない。

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Keiko Ikuma

ガッチリとした文章から流れる美しいメロディー

2006年1月10日に日本でレビュー済み

この小説を読むと、十代の頃の自分を思い出す。家には居場所がなく、外にも友達がいない。独りぼっちで突っ張っていた。自室にこもり、ひたすらロックを聴いていた。寂しさを紛らわすにはそれしかなかった。この小説のよさは、文章のひとつひとつのその後ろから、懐かしいメロディーが流れてくることである。私の聴いていた音楽と著者の聴いていた音楽は違う。しかし、そこにある魂の叫びはどこか似ていて、著者にも、この物語の主人公にも、そしてポケットにいつも小石を入れて「ロックンロール」を口ずさむ少年にも親近感を持ってしまう。私も彼らも永遠の一匹狼で、決して群れ集まることはないが、それぞれに共通した孤独の波長を感じ取り、はにかみながら微笑んでしまう。あの頃からもう十年以上経つが、私はいまだに人間としての器が小さいらしく、周囲から顰蹙を買っている。誰もが口々に言う、「大人になれよ」と。私は彼らに問う、「大人になるってどういうこと？」彼らは答えられない。答えたとしても、ひらりと身をかわして難しい単語を並べ立て、私を煙に巻こうとする。それなら私は「ガキ」と呼ばれてもいい。いつまでも尖がったナイフのような目をして生きていく。それで誰ひとり寄り付かなくなったとき、またこの小説を読み返せばいい。そんな風に思える作品だった。

2007年11月10日に日本でレビュー済み

『パイロット・フィッシュ』で感じた斬新さみたいな物が感じられない。
たぶん、大崎善生の書く主人公がパターン化しているからだろう。
・作家or編集者
・中年男性
・過去に強烈な恋愛をしている（恋人が亡くなるとかね）
自分自身と重ねているのかもしれないが、いつまでもこのパターンでは先がないと思う。新たな境地を開拓して欲しいですね。

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神田さくら

がっかり

2005年3月20日に日本でレビュー済み

透明感溢れる文体、一貫して流れる「喪失」というテーマ。
それらが詰まった大崎作品のすべてが大好き・・・でした。
この一冊を除いては。
はっきりいって「おっさんはズルイ」の一言です。
最初は、
「パリでおセンチムードになったゆえに
女性編集者が気になってるのだワシは！」
という主人公。
しかしだんだんと言い訳を繰り返して、
その思いを「純粋に好き」とやらに置き換えてしまう。
しかも堂々と。
いやあ、おじさん、いけませんよ。
２０も年の離れた娘と懇ろになるのに、
ピュア・ラブを言い訳にしては。
どうせだったら、最後まで「センチメントのせい」を貫いて欲しかった。
あ、実は最後まで読んでないのでわかりません。
途中でイライラして読めなくなったので。
なのでみなさん、
もし40過ぎたオスのエゴイスティックな部分を見たかったら、
是非読了してみましょーーー！

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くわもちじんぺい

大崎作品中では軽いタッチの異色作

2006年8月18日に日本でレビュー済み

　中年作家が主人公。どのくらい事実をもとにしているのか想像すると面白い。大崎の多作品は割と気取った感じがするのに、本作は軽妙でコミカル。「ロックンロール」という題名は、作品中の架空小説の題名。「九月の四分の一」という短編集の「悲しくて翼もなくて」という叙情的な切ない短編の、楽屋落ち裏話みたいな内容。ツェッペリンのロックンロールがどれだけ作品中に響いているかということでは、文句なしに「悲しくて翼もなくて」をお勧めする。

　作品自体は、「きれいな若い女性編集者に言い寄られて昔の運命的な女性とのセックスを思い出したんだけど、いまいち理性が邪魔してコトに及べんのや」というもの。

　大崎作品の背景を理解するのにいいかも。

2004年3月28日に日本でレビュー済み

　大崎氏はこれで新境地を開いたと思います。『アジアンタム・ブルー』や『パイロットフィッシュ』なんかは、情熱が先走って、熱く重い作品でしたが、『ロックンロール』はわりとさらりとした味わい。書けない作家が、パリのホテルで缶詰になって、執筆するのだが、すんなりと書けるはずもなく、編集者とのやりとりや、作品の中に書かれる少年が感じいいです。私はあまり詳しくないけど、ロックについての作者の思いもさりげなくしっかりとかかれていて、よかった。作中作という仕立てで、少年が少しだけど成長していくさまも、好感がもてました。

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