この本が出版された当時は現在よりも英文解釈系の本が圧倒的に少なく、また属人性の高い参考書が多かったように思います。大人になって今どきの参考書を手に取ると、かつての参考書に比べてレイアウトも要点も非常に整理され、これでもかとわかりやすく伝えるに重きが置かれていることに気づきます。
しかし同時に、要点が整理された今どきの参考書によって「深い理解を伴うかどうか」は疑問が残るものもあります。確かにかつての参考書は著者との相性が悪いと読み進めにくい弊害を抱えていましたが、言い換えれば著者なりに英語の本質を伝えようという努力が垣間見え、言語的な深いコミュニケーションを伴っていました。英文読解の透視図などが良い例かもしれません。
今の参考書は大学受験の要点が煮詰まりすぎた上、youtubeや勉強アプリといった便利な教材も増えたために、参考書単体で評価するとスッキリしすぎている気もします。そもそも勉強とは「わかりにくいもの」と対峙しながら理解を深めていく訓練ですから、わかりやすさの追求は本末転倒の結果を招きかねません。不親切さがわかりにくさになっているものは論外とは言え、本書のような老成されたテキストには代えがたい価値があります。
整理することは誰でもできても、理解の伝達に言葉を紡ぐ作業は長年積み重ねてきた経験がものを言うところがあるはずです。今でも西先生や伊藤先生、竹岡先生などが手掛けたかつての参考書を一冊手に取るのも悪くないでしょう。
そして本書の位置付けとしては、本格的な高校英文法に入る前に読むのがオススメです。中学英文法を終えたあと、高校英文法で問われる要点を明確化し、全体像をイメージするにはちょうど良いと思います。解釈の入門というより、中学から高校への接続を円滑にする副読本。
英語と日本語では言語的な特性が大きく異なるものの、英語は多くの言語の中でもシンプルで論理的な構造から学びやすいと位置づけられているため、多少なりとも英米的な発想を手に入れられたら一気に伸びる可能性があります。本書を単なる情報として捉えるのではなく、著者が伝えようとしていること、英米的な発想をじっくり考えながら一度読んでみると得るものが大きいかもしれません。
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英文読解入門基本はここだ!―代々木ゼミ方式 改訂版 単行本 – 2005/5/20
西 きょうじ
(著)
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- 本の長さ165ページ
- 言語日本語
- 出版社日本入試センター
- 発売日2005/5/20
- ISBN-104896808371
- ISBN-13978-4896808377
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登録情報
- 出版社 : 日本入試センター (2005/5/20)
- 発売日 : 2005/5/20
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 165ページ
- ISBN-10 : 4896808371
- ISBN-13 : 978-4896808377
- Amazon 売れ筋ランキング: - 4,484位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 22位英文読解
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2023年11月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
分からなかったことが分かるようになりました。
ありがとうございます!
ありがとうございます!
2023年9月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書のタイトルに「入門」という言葉があります。
例えば、77ページに「applauded」という語が出てきます。
applaudは『システム英単語』(駿台文庫)では最難関レベルの「ファイナルステージ4」に登場する単語。
ネットで調べると(「weblio」等)、英検準1級以上のレベルということでした。
本の「つくり」は、秀逸に思います。最後に例文集もありますし、語り口、youtubeとの連動、学習者への配慮が随所に見られます。
だからこそ、例文が惜しい気がします。「改訂にあたって」で、大幅に難易度を落としたという記述がありますが、「入門」というタイトルに惹かれて購入した中3~高1生、大人になってから学びなおしたい英語初心者にとっては、学びづらい本になってはいないでしょうか。
1.思わず口ずさんで暗唱したくなるような例文。
2.初心者に難しい語彙はなるべく用いない(高1レベルまで)。
3.どうしても必要であれば語彙にも注釈を。
そんな改訂が再び行われるならば、もう一度購入し直したいです。
例えば、77ページに「applauded」という語が出てきます。
applaudは『システム英単語』(駿台文庫)では最難関レベルの「ファイナルステージ4」に登場する単語。
ネットで調べると(「weblio」等)、英検準1級以上のレベルということでした。
本の「つくり」は、秀逸に思います。最後に例文集もありますし、語り口、youtubeとの連動、学習者への配慮が随所に見られます。
だからこそ、例文が惜しい気がします。「改訂にあたって」で、大幅に難易度を落としたという記述がありますが、「入門」というタイトルに惹かれて購入した中3~高1生、大人になってから学びなおしたい英語初心者にとっては、学びづらい本になってはいないでしょうか。
1.思わず口ずさんで暗唱したくなるような例文。
2.初心者に難しい語彙はなるべく用いない(高1レベルまで)。
3.どうしても必要であれば語彙にも注釈を。
そんな改訂が再び行われるならば、もう一度購入し直したいです。
2024年1月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最初はやるのがだるかったが、少しずつ慣れていく
説明は分かりやすい
基本からしっかり学びたい人はやると良いのかもしれない。YouTubeに出ている動画と合わせて私は勉強をしている
説明は分かりやすい
基本からしっかり学びたい人はやると良いのかもしれない。YouTubeに出ている動画と合わせて私は勉強をしている
2023年5月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
英語が得意だけどフィーリングに頼っている人にオススメしたい本。学校英文法では個々の知識を扱っていても読み方はあまり教えてくれない傾向にある。リーディングの授業でSVOCを使うが、なぜそれをSとするのかまでは説明してくれない。結果だけでプロセスがないのだ。それでは読めるようにならない。
本書は短文を用いて品詞の知識から句と節の扱いまで思考プロセスを重視して教えてくれる。英文解釈の技術等では最初の数ページにまとめられていることを一冊使って説明しているようなものだ。実際代ゼミの東大クラスでは最初の授業時に一日で読めと言われた。
本書は短文を用いて品詞の知識から句と節の扱いまで思考プロセスを重視して教えてくれる。英文解釈の技術等では最初の数ページにまとめられていることを一冊使って説明しているようなものだ。実際代ゼミの東大クラスでは最初の授業時に一日で読めと言われた。
2021年9月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
さすがの人気参考書です。
これ一冊で初学者は英語の基礎を掴めるようになるでしょう。これで得た解釈技術をつかい、簡単な英文を読み進め、英語に慣れていくと良いと思います。
ただ、これをこなした後、西きょうじ氏のポレポレに進むのは危険。レベル差があり過ぎます。この参考書は基本レベルなのに対して、ポレポレは難関大学レベルです。
そろそろ、西きょうじ氏には中堅大学レベルの英文解釈本を出していただきたいです。ポレポレとの橋渡し的参考書を執筆されませんかね・・・。
あくまでわたし個人の希望です(^^)
これ一冊で初学者は英語の基礎を掴めるようになるでしょう。これで得た解釈技術をつかい、簡単な英文を読み進め、英語に慣れていくと良いと思います。
ただ、これをこなした後、西きょうじ氏のポレポレに進むのは危険。レベル差があり過ぎます。この参考書は基本レベルなのに対して、ポレポレは難関大学レベルです。
そろそろ、西きょうじ氏には中堅大学レベルの英文解釈本を出していただきたいです。ポレポレとの橋渡し的参考書を執筆されませんかね・・・。
あくまでわたし個人の希望です(^^)
2021年10月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大学受験でお世話になりました。その後の読解への盤石な基盤が形成されました。本質が簡潔に書かれてるので、いざ読解する時になると、周回したこの本の思考回路を使い倒すことになります。
2019年8月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まずこれは英文法の基礎本ではない。英語構文読解の基礎本なので英文法は分かっている上での本書であることに注意。
・良い点
説明の質は悪くない。はっきり良いとも言えないレベルではあるが…
難点
・説明がとにかく長い。使い方を工夫しないとやたら時間を取られる。
・謎のポエムがところどころに挿入されている(私は痛面白いと感じたが勉強には不要)
・網羅本でもまとめ系でもない中途半端な立ち位置
そして最も悪いのは訳の日本語の質のばらつきが酷い。ある程度英語訳では仕方ないのかなと思えなくもないが例を上げると
「〇〇は、〇〇は〜であった」のような「てにをは」のおかしな文が多い。
「〜だったら、その音を耳にしただろうに」
耳にするは通常「伝聞」に対して使う言葉でありただの音に関して使うことはまずない。
英語でこのような誤用をやられてしまうと全く意味が分からなくなってしまう。
長々書いたが難ありと分かって買う分には安く薄いので値段なりの価値は無くもないと感じる。
・良い点
説明の質は悪くない。はっきり良いとも言えないレベルではあるが…
難点
・説明がとにかく長い。使い方を工夫しないとやたら時間を取られる。
・謎のポエムがところどころに挿入されている(私は痛面白いと感じたが勉強には不要)
・網羅本でもまとめ系でもない中途半端な立ち位置
そして最も悪いのは訳の日本語の質のばらつきが酷い。ある程度英語訳では仕方ないのかなと思えなくもないが例を上げると
「〇〇は、〇〇は〜であった」のような「てにをは」のおかしな文が多い。
「〜だったら、その音を耳にしただろうに」
耳にするは通常「伝聞」に対して使う言葉でありただの音に関して使うことはまずない。
英語でこのような誤用をやられてしまうと全く意味が分からなくなってしまう。
長々書いたが難ありと分かって買う分には安く薄いので値段なりの価値は無くもないと感じる。