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ひとはなぜ戦争をするのか (講談社学術文庫) Kindle版

4.3 5つ星のうち4.3 427個の評価

1932年、国際連盟がアインシュタインに依頼した。「今の文明においてもっとも大事だと思われる事柄を、いちばん意見を交換したい相手と書簡を交わしてください。」選んだ相手はフロイト、テーマは「戦争」だった――。宇宙と心、二つの闇に理を見出した二人が、戦争と平和、そして人間の本性について真摯に語り合う。養老孟司氏・斎藤環氏による書きおろし解説も収録。
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商品の説明

著者について

斎藤 環
1961年岩手県生まれ。医学博士。筑波大学医学医療系社会精神保健学教授。専門は思春期・青年期の精神病理学、病跡学など。

アインシュタイン,アルバート
Albert Einstein. 1879‐1955年。南ドイツのウルムに生まれる。両親はユダヤ系ドイツ人。スイス特許局技官として勤務する傍ら研究を続け、1905年に特殊相対性理論、1916年には一般相対性理論を発表。人々の宇宙観を変え、現代物理学を大きく動かした。1921年、ノーベル物理学賞受賞。1933年、ナチスの脅威により米国に亡命。「統一場理論」の構築に取り組むが、未完のままプリンストンにて死去。

フロイト,ジグムント
Sigmund Freud. 1856‐1939年。東欧のモラビアにユダヤ商人の長男として生まれる。3歳のときウィーンに移住。ウィーン大学で学位を取得後、パリへ留学。開業医として神経症の治療を行ないながら、精神分析の理論を構築。伝統的な人間観を揺さぶる革新的なこの理論は、精神医学という分野を超えて大きな影響を与えた。1938年、ナチスのオーストリア侵攻から逃れロンドンに亡命。

浅見 昇吾
上智大学ドイツ語学部教授。哲学、倫理学。

養老 孟司
1937年神奈川県生まれ。東京大学医学部卒業後、解剖学教室へ入る。1995年東京大学医学部教授を退官。現在、同名誉教授。

登録情報

  • ASIN ‏ : ‎ B01H4OTCOY
  • 出版社 ‏ : ‎ 講談社 (2016/6/10)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2016/6/10
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • ファイルサイズ ‏ : ‎ 1282 KB
  • Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) ‏ : ‎ 有効
  • X-Ray ‏ : ‎ 有効
  • Word Wise ‏ : ‎ 有効にされていません
  • 付箋メモ ‏ : ‎ Kindle Scribeで
  • 本の長さ ‏ : ‎ 78ページ
  • カスタマーレビュー:
    4.3 5つ星のうち4.3 427個の評価

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アルバ−ト・アインシュタイン
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【平和が実現しないのはなぜ?】
5 星
【平和が実現しないのはなぜ?】
世界平和が実現していないのは、なぜでしょうか?どうしたら、世界平和は実現するのでしょうか?ひとはなぜ戦争をするのでしょうか?これについて、アインシュタインは、本書のフロイトへの手紙の中で、こう述べています。(13頁〜16頁)「第一に、権力欲。いつの時代でも、国家の指導的な地位にいる者たちは、自分たちの権限が制限されることに強く反対します。それだけではありません。この権力欲を後押しするグループがいるのです。金銭的な利益を追求し、その活動を押し進めるために、権力にすり寄るグループです。戦争の折に武器を売り、大きな利益を得ようとする人たちが、その典型的な例でしょう。彼らは、戦争を自分たちに都合のよいチャンスとしか見ません。個人的な利益を増大させ、自分の力を増大させる絶好機としか見ないのです。社会的な配慮に欠け、どんなものを前にしても平然と自分の利益を追求しようとします。数は多くありませんが、強固な意志をもった人たちです。このようなことがわかっても、それだけで戦争の問題を解き明かせるわけではありません。問題の糸口をつかんだにすぎず、新たな問題が浮かび上がってきます。なぜ少数の人たちがおびただしい数の国民を動かし、彼らを自分たちの欲望の道具にすることができるのか?戦争が起きれば一般の国民は苦しむだけなのに、なぜ彼らは少数の人間の欲望に手を貸すような真似をするのか?(中略)即座に思い浮かぶ答えはこうでしょう。少数の権力者たちが学校やマスコミ、そして宗教的な組織すら手中に収め、その力を駆使することで大多数の国民の心を思うがままに操っている!しかし、こう答えたところで、すべてが明らかになるわけではありません。すぐに新たな問題が突きつけられます。国民の多くが学校やマスコミの手で煽り立てられ、自分の身を犠牲にしていく――このようなことがどうして起こり得るのだろうか?答えは一つしか考えられません。人間には本能的な欲求が潜んでいる。憎悪に駆られ、相手を絶滅させようとする欲求が!破壊への衝動は通常のときには心の奥深くに眠っています。特別な事件が起きたときにだけ、表に顔を出すのです。とはいえ、この衝動を呼び覚ますのはそれほど難しくはないと思われます。多くの人が破壊への衝動にたやすく身を委ねてしまうのではないでしょうか。これこそ、戦争にまつわる複雑な問題の根底に潜む問題です。この問題が重要なのです。人間の衝動に精通している専門家の手を借り、問題を解き明かさねばならないのです。ここで最後の問いが投げかけられることになります。人間の心を特定の方向に導き、憎悪と破壊という心の病に冒されないようにすることはできるのか?」アインシュタインが述べているように、人間を憎悪と破壊という心の病に冒されないようにすることはできるのでしょうか?これについて、フロイトは、本書のアインシュタインへの手紙の中で、こう述べています。(52頁〜55頁)「はるかなる昔から、文化が人類の中に発達し広まっていきました(文化という言葉よりも文明という言葉を好む人もいます)。人間の内にある最善のものは、すべての文化の発展があったからこそ、身につけることのできたものなのです。(中略)文化の発展が人間の心のあり方に変化を引き起こすことは明らかで、誰もがすぐに気づくところです。では、どのような変化が起きたのでしょうか。ストレートな本能的な欲望に導かれることが少なくなり、本能的な欲望の度合いが弱まってきました。私たちの祖先なら強く興奮を覚えたもの、心地よかったものも、いまの時代の人間には興味を引かないもの、耐え難いものになってしまっています。このように、私たちが追い求めるもの――例えば、道徳や美意識にまつわるもの――が変化してきたわけですが、この変化を引き起こしたものは究極的には心と体の全体の変化なのです。心理学的な側面から眺めてみた場合、文化が生み出すもっとも顕著な現象は二つです。一つは、知性を強めること。力を増した知性は欲動をコントロールしはじめます。二つ目は、攻撃本能を内に向けること。好都合な面も危険な面も含め、攻撃欲動が内に向かっていくのです。文化の発展が人間に押しつけたこうした心のあり方――これほど、戦争というものと対立するものはほかにありません。だからこそ、私たちは戦争に憤りを覚え、戦争に我慢がならないのではないでしょうか。戦争への拒絶は、単なる知性レベルでの拒否、単なる感情レベルでの拒否ではないと思われるのです。少なくとも平和主義者なら、拒絶反応は体と心の奥底からわき上がってくるはずなのです。戦争への拒絶、それは平和主義者の体と心の奥底にあるものが激しい形で外にあらわれたものなのです。私はこう考えます。このような意識のあり方が戦争の残虐さそのものに劣らぬほど、戦争への嫌悪感を生み出す原因となっている、と。では、すべての人間が平和主義者になるまで、あとどれくらいの時間がかかるのでしょうか?この問いに明確な答えを与えることはできません。けれども、文化の発展が生み出した心のあり方と、将来の戦争がもたらすとてつもない惨禍への不安――この二つのものが近い将来、戦争をなくす方向に人間を動かしていくと期待できるのではないでしょうか。これは夢想的な希望ではないと思います。どのような道を経て、あるいはどのような回り道を経て、戦争が消えていくのか。それを推測することはできません。しかし、いまの私たちにもこう言うことは許されていると思うのです。文化の発展を促せば、戦争の終焉へ向けて歩み出すことができる!」フロイトが述べている通り、精神文化の発展が、世界平和実現の鍵になります。私は、瞑想文化が世界中に広まれば、世界平和は実現すると確信しています。根拠は三つあります。① 心が穏やかになる。② 心身共に健康になる(健全なる精神は健全なる身体に宿る)③ 瞑想すれば悟りが開けて、博愛に目覚める。①について、瞑想すれば、脳波がα波になり、心が穏やかになります。心が穏やかな人は、争いません。②について、瞑想を日課にしている人からは、オキシトシン、ドーパミン、セロトニン、β-エンドルフィンといった幸せホルモン、快楽ホルモンが分泌していることが科学的に解明されています。瞑想すれば、心身共に健全になります。健全な精神の持ち主は、争いを起こしません。③について、ブッダ(覚者)・ヨガの聖者・禅の名僧等、瞑想を日課とし悟りを開いた人は皆、平和主義者・博愛主義者です。私は瞑想を始めてから三年以上になります。かつては、エゴイストでしたが、瞑想を日課して博愛に目覚めました。ということで、結論はこうなります。『瞑想を日課にして悟りを開こう❗ 瞑想文化を世界中に広め、世界平和の実現に貢献しよう❗』
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上位レビュー、対象国: 日本

2023年9月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
世界平和が実現していないのは、なぜでしょうか?

どうしたら、世界平和は実現するのでしょうか?

ひとはなぜ戦争をするのでしょうか?

これについて、

アインシュタインは、

本書のフロイトへの手紙の中で、

こう述べています。
(13頁〜16頁)

「第一に、権力欲。

いつの時代でも、

国家の指導的な地位にいる者たちは、

自分たちの権限が制限されることに強く反対します。

それだけではありません。

この権力欲を後押しするグループがいるのです。

金銭的な利益を追求し、

その活動を押し進めるために、

権力にすり寄るグループです。

戦争の折に武器を売り、

大きな利益を得ようとする人たちが、

その典型的な例でしょう。

彼らは、戦争を自分たちに都合のよいチャンスとしか見ません。

個人的な利益を増大させ、

自分の力を増大させる絶好機としか見ないのです。

社会的な配慮に欠け、

どんなものを前にしても平然と自分の利益を追求しようとします。

数は多くありませんが、強固な意志をもった人たちです。

このようなことがわかっても、

それだけで戦争の問題を解き明かせるわけではありません。

問題の糸口をつかんだにすぎず、

新たな問題が浮かび上がってきます。

なぜ少数の人たちがおびただしい数の国民を動かし、

彼らを自分たちの欲望の道具にすることができるのか?

戦争が起きれば一般の国民は苦しむだけなのに、

なぜ彼らは少数の人間の欲望に手を貸すような真似をするのか?

(中略)

即座に思い浮かぶ答えはこうでしょう。

少数の権力者たちが学校やマスコミ、

そして宗教的な組織すら手中に収め、

その力を駆使することで大多数の国民の心を思うがままに操っている!

しかし、

こう答えたところで、

すべてが明らかになるわけではありません。

すぐに新たな問題が突きつけられます。

国民の多くが学校やマスコミの手で煽り立てられ、

自分の身を犠牲にしていく――このようなことがどうして起こり得るのだろうか?

答えは一つしか考えられません。

人間には本能的な欲求が潜んでいる。

憎悪に駆られ、相手を絶滅させようとする欲求が!

破壊への衝動は通常のときには心の奥深くに眠っています。

特別な事件が起きたときにだけ、

表に顔を出すのです。

とはいえ、

この衝動を呼び覚ますのはそれほど難しくはないと思われます。

多くの人が破壊への衝動にたやすく身を委ねてしまうのではないでしょうか。

これこそ、戦争にまつわる複雑な問題の根底に潜む問題です。

この問題が重要なのです。

人間の衝動に精通している専門家の手を借り、

問題を解き明かさねばならないのです。

ここで最後の問いが投げかけられることになります。

人間の心を特定の方向に導き、

憎悪と破壊という心の病に冒されないようにすることはできるのか?」

アインシュタインが述べているように、

人間を憎悪と破壊という心の病に冒されないようにすることはできるのでしょうか?

これについて、

フロイトは、本書のアインシュタインへの手紙の中で、こう述べています。(52頁〜55頁)

「はるかなる昔から、

文化が人類の中に発達し広まっていきました(文化という言葉よりも文明という言葉を好む人もいます)。

人間の内にある最善のものは、

すべての文化の発展があったからこそ、

身につけることのできたものなのです。

(中略)

文化の発展が人間の心のあり方に変化を引き起こすことは明らかで、

誰もがすぐに気づくところです。

では、どのような変化が起きたのでしょうか。

ストレートな本能的な欲望に導かれることが少なくなり、

本能的な欲望の度合いが弱まってきました。

私たちの祖先なら強く興奮を覚えたもの、

心地よかったものも、

いまの時代の人間には興味を引かないもの、

耐え難いものになってしまっています。

このように、私たちが追い求めるもの――例えば、道徳や美意識にまつわるもの――が変化してきたわけですが、

この変化を引き起こしたものは究極的には心と体の全体の変化なのです。

心理学的な側面から眺めてみた場合、

文化が生み出すもっとも顕著な現象は二つです。

一つは、知性を強めること。

力を増した知性は欲動をコントロールしはじめます。

二つ目は、攻撃本能を内に向けること。

好都合な面も危険な面も含め、

攻撃欲動が内に向かっていくのです。

文化の発展が人間に押しつけたこうした心のあり方――これほど、戦争というものと対立するものはほかにありません。

だからこそ、私たちは戦争に憤りを覚え、

戦争に我慢がならないのではないでしょうか。

戦争への拒絶は、単なる知性レベルでの拒否、

単なる感情レベルでの拒否ではないと思われるのです。

少なくとも平和主義者なら、

拒絶反応は体と心の奥底からわき上がってくるはずなのです。

戦争への拒絶、それは平和主義者の体と心の奥底にあるものが激しい形で外にあらわれたものなのです。

私はこう考えます。

このような意識のあり方が戦争の残虐さそのものに劣らぬほど、

戦争への嫌悪感を生み出す原因となっている、と。

では、すべての人間が平和主義者になるまで、

あとどれくらいの時間がかかるのでしょうか?

この問いに明確な答えを与えることはできません。

けれども、文化の発展が生み出した心のあり方と、

将来の戦争がもたらすとてつもない惨禍への不安――この二つのものが近い将来、

戦争をなくす方向に人間を動かしていくと期待できるのではないでしょうか。

これは夢想的な希望ではないと思います。

どのような道を経て、

あるいはどのような回り道を経て、

戦争が消えていくのか。

それを推測することはできません。

しかし、

いまの私たちにもこう言うことは許されていると思うのです。

文化の発展を促せば、戦争の終焉へ向けて歩み出すことができる!」

フロイトが述べている通り、

精神文化の発展が、

世界平和実現の鍵になります。

私は、瞑想文化が世界中に広まれば、

世界平和は実現すると確信しています。

根拠は三つあります。

① 心が穏やかになる。

② 心身共に健康になる(健全なる精神は健全なる身体に宿る)

③ 瞑想すれば悟りが開けて、博愛に目覚める。

①について、

瞑想すれば、脳波がα波になり、

心が穏やかになります。

心が穏やかな人は、争いません。

②について、

瞑想を日課にしている人からは、

オキシトシン、ドーパミン、セロトニン、β-エンドルフィンといった幸せホルモン、快楽ホルモンが分泌していることが科学的に解明されています。

瞑想すれば、心身共に健全になります。

健全な精神の持ち主は、争いを起こしません。

③について、

ブッダ(覚者)・ヨガの聖者・禅の名僧等、瞑想を日課とし悟りを開いた人は皆、平和主義者・博愛主義者です。

私は瞑想を始めてから三年以上になります。

かつては、エゴイストでしたが、

瞑想を日課して博愛に目覚めました。

ということで、

結論はこうなります。

『瞑想を日課にして悟りを開こう❗ 
瞑想文化を世界中に広め、世界平和の実現に貢献しよう❗』
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5つ星のうち5.0 【平和が実現しないのはなぜ?】
2023年9月30日に日本でレビュー済み
世界平和が実現していないのは、なぜでしょうか?

どうしたら、世界平和は実現するのでしょうか?

ひとはなぜ戦争をするのでしょうか?

これについて、

アインシュタインは、

本書のフロイトへの手紙の中で、

こう述べています。
(13頁〜16頁)

「第一に、権力欲。

いつの時代でも、

国家の指導的な地位にいる者たちは、

自分たちの権限が制限されることに強く反対します。

それだけではありません。

この権力欲を後押しするグループがいるのです。

金銭的な利益を追求し、

その活動を押し進めるために、

権力にすり寄るグループです。

戦争の折に武器を売り、

大きな利益を得ようとする人たちが、

その典型的な例でしょう。

彼らは、戦争を自分たちに都合のよいチャンスとしか見ません。

個人的な利益を増大させ、

自分の力を増大させる絶好機としか見ないのです。

社会的な配慮に欠け、

どんなものを前にしても平然と自分の利益を追求しようとします。

数は多くありませんが、強固な意志をもった人たちです。

このようなことがわかっても、

それだけで戦争の問題を解き明かせるわけではありません。

問題の糸口をつかんだにすぎず、

新たな問題が浮かび上がってきます。

なぜ少数の人たちがおびただしい数の国民を動かし、

彼らを自分たちの欲望の道具にすることができるのか?

戦争が起きれば一般の国民は苦しむだけなのに、

なぜ彼らは少数の人間の欲望に手を貸すような真似をするのか?

(中略)

即座に思い浮かぶ答えはこうでしょう。

少数の権力者たちが学校やマスコミ、

そして宗教的な組織すら手中に収め、

その力を駆使することで大多数の国民の心を思うがままに操っている!

しかし、

こう答えたところで、

すべてが明らかになるわけではありません。

すぐに新たな問題が突きつけられます。

国民の多くが学校やマスコミの手で煽り立てられ、

自分の身を犠牲にしていく――このようなことがどうして起こり得るのだろうか?

答えは一つしか考えられません。

人間には本能的な欲求が潜んでいる。

憎悪に駆られ、相手を絶滅させようとする欲求が!

破壊への衝動は通常のときには心の奥深くに眠っています。

特別な事件が起きたときにだけ、

表に顔を出すのです。

とはいえ、

この衝動を呼び覚ますのはそれほど難しくはないと思われます。

多くの人が破壊への衝動にたやすく身を委ねてしまうのではないでしょうか。

これこそ、戦争にまつわる複雑な問題の根底に潜む問題です。

この問題が重要なのです。

人間の衝動に精通している専門家の手を借り、

問題を解き明かさねばならないのです。

ここで最後の問いが投げかけられることになります。

人間の心を特定の方向に導き、

憎悪と破壊という心の病に冒されないようにすることはできるのか?」

アインシュタインが述べているように、

人間を憎悪と破壊という心の病に冒されないようにすることはできるのでしょうか?

これについて、

フロイトは、本書のアインシュタインへの手紙の中で、こう述べています。(52頁〜55頁)

「はるかなる昔から、

文化が人類の中に発達し広まっていきました(文化という言葉よりも文明という言葉を好む人もいます)。

人間の内にある最善のものは、

すべての文化の発展があったからこそ、

身につけることのできたものなのです。

(中略)

文化の発展が人間の心のあり方に変化を引き起こすことは明らかで、

誰もがすぐに気づくところです。

では、どのような変化が起きたのでしょうか。

ストレートな本能的な欲望に導かれることが少なくなり、

本能的な欲望の度合いが弱まってきました。

私たちの祖先なら強く興奮を覚えたもの、

心地よかったものも、

いまの時代の人間には興味を引かないもの、

耐え難いものになってしまっています。

このように、私たちが追い求めるもの――例えば、道徳や美意識にまつわるもの――が変化してきたわけですが、

この変化を引き起こしたものは究極的には心と体の全体の変化なのです。

心理学的な側面から眺めてみた場合、

文化が生み出すもっとも顕著な現象は二つです。

一つは、知性を強めること。

力を増した知性は欲動をコントロールしはじめます。

二つ目は、攻撃本能を内に向けること。

好都合な面も危険な面も含め、

攻撃欲動が内に向かっていくのです。

文化の発展が人間に押しつけたこうした心のあり方――これほど、戦争というものと対立するものはほかにありません。

だからこそ、私たちは戦争に憤りを覚え、

戦争に我慢がならないのではないでしょうか。

戦争への拒絶は、単なる知性レベルでの拒否、

単なる感情レベルでの拒否ではないと思われるのです。

少なくとも平和主義者なら、

拒絶反応は体と心の奥底からわき上がってくるはずなのです。

戦争への拒絶、それは平和主義者の体と心の奥底にあるものが激しい形で外にあらわれたものなのです。

私はこう考えます。

このような意識のあり方が戦争の残虐さそのものに劣らぬほど、

戦争への嫌悪感を生み出す原因となっている、と。

では、すべての人間が平和主義者になるまで、

あとどれくらいの時間がかかるのでしょうか?

この問いに明確な答えを与えることはできません。

けれども、文化の発展が生み出した心のあり方と、

将来の戦争がもたらすとてつもない惨禍への不安――この二つのものが近い将来、

戦争をなくす方向に人間を動かしていくと期待できるのではないでしょうか。

これは夢想的な希望ではないと思います。

どのような道を経て、

あるいはどのような回り道を経て、

戦争が消えていくのか。

それを推測することはできません。

しかし、

いまの私たちにもこう言うことは許されていると思うのです。

文化の発展を促せば、戦争の終焉へ向けて歩み出すことができる!」

フロイトが述べている通り、

精神文化の発展が、

世界平和実現の鍵になります。

私は、瞑想文化が世界中に広まれば、

世界平和は実現すると確信しています。

根拠は三つあります。

① 心が穏やかになる。

② 心身共に健康になる(健全なる精神は健全なる身体に宿る)

③ 瞑想すれば悟りが開けて、博愛に目覚める。

①について、

瞑想すれば、脳波がα波になり、

心が穏やかになります。

心が穏やかな人は、争いません。

②について、

瞑想を日課にしている人からは、

オキシトシン、ドーパミン、セロトニン、β-エンドルフィンといった幸せホルモン、快楽ホルモンが分泌していることが科学的に解明されています。

瞑想すれば、心身共に健全になります。

健全な精神の持ち主は、争いを起こしません。

③について、

ブッダ(覚者)・ヨガの聖者・禅の名僧等、瞑想を日課とし悟りを開いた人は皆、平和主義者・博愛主義者です。

私は瞑想を始めてから三年以上になります。

かつては、エゴイストでしたが、

瞑想を日課して博愛に目覚めました。

ということで、

結論はこうなります。

『瞑想を日課にして悟りを開こう❗ 
瞑想文化を世界中に広め、世界平和の実現に貢献しよう❗』
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2022年9月7日に日本でレビュー済み
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アインシュタインとフロイトの交換書簡、感銘して何度も読み返しています。人間は戦争に抗うことができない存在だと気づきました。
9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2024年2月13日に日本でレビュー済み
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日本総研/寺島実郎さんの『世界を知る力』で紹介され知りました。世界の知性、アインシュタインとフロイトの書簡での交流。世界の最難題を解明しようとする内容は大変興味深い。
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2023年11月25日に日本でレビュー済み
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戦争は古代から行われているもので、原因の多くは食物、安全保障、領土の争い等が挙げられる。これらは国家、異なる生物間、自分の体内の免疫力でも行われている。
突き詰めて言えば自己の存在をキープするために必要な本能とも言える。
ある意味平和を勝ち取るには暴力が必要悪と言う事になる。
これらは我々凡人が考えられる理由であるが、物理学に新たな展開をもたらした天才
アインシュタイン、精神学の権威フロイトがどの様な思いを持っているのかを知りたいと思い本書を選んだ。
答えは我々凡人が考える事と同様、敵対する相手を暴力で消し去る本能によるものであり、
一方で平和を望む気持ちも本能の一部として強くもっていると言う結論である。
アインシュタインは物理の新理論の開発者であり、精神学の権威のフロイトも同様の考えを持っている事にこのテーマは普遍的で有り深い理由は無く、あくまで本能の一部であると理解するしか無いと再度理解した。
ちょと残念に思ったことは、アインシュタインは第一次世界大戦でその悲惨さを目にしているにも関わらずマンハッタン計画に参加し原爆の開発に携わった事である。またイスラエルのホロコーストの被害者の立場であったにも拘わらず大量殺人兵器開発に手を染めた事には疑問を持った。
E=mc二乗を理論上発見し、それが殺人兵器に使われる事に知りながら積極的でないにしても参加せざるをえなかったのは、当時ドイツが原爆の開発を手掛けていたのを知りドイツに先駆けて原爆を開発する必要があった事を理解するとしても残念な気持ちを持たざるを得なかった。
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2024年1月8日に日本でレビュー済み
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当時ユダヤ人として亡命していたアインシュタインが指名してフロイトと行った対話書簡。
アインシュタインという人間が実感として感じることをフロイトに投げかけ、フロイトが自らの学術的見地に自分の視点をプラスして返しているという感じ。
アインシュタインは、権力欲と本能的な人間の破壊欲について語る。フロイトもその「死の衝動」について語る。フロイトは文化の発展によって戦争の終焉に向けて歩み出すことが出来ると締めくくっている。
なるほど。文化によりすべての人間が平和を望む様になるということか。そうだなとも思うし、理想だなあと思う。
最近伊藤計劃の『虐殺器官』というSFを読んだ。自分の文化(護りたい人)を護るために異文化の地で虐殺を行いテロを抑制しているという話だった。人間の根源的な願いってなんだろう。本当に「全世界」の平和を求めているのか、「わたしの世界」の平和を求めているのか。この小説のことも考えて、平和を求めながら戦争をする現代のわれわれ人間について考えさせられた。「わたしの世界」の平和になった瞬間にその他への破壊が許容される選択肢が出てきてしまうのだよね…。自分はなんとなくいま「全世界」の平和をみんな語っているようでいて、じつは「わたしの世界」の平和しかみんな見えてないのじゃないかなと感じる。まだ文化が未成熟なのか。
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2022年7月26日に日本でレビュー済み
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今だからこそ考えさせられるテーマ
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2023年6月13日に日本でレビュー済み
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二人のやりとりこれは本当なのかな
でも
読めて良かったです
有り難うございました
失礼します
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2022年12月14日に日本でレビュー済み
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同時代を生きた天才二人の書簡です。わくわく感が止まりません。
「ひとはなぜ戦争をするのか」を知識人に問えば、科学者は科学者なりの、哲学者は哲学者なりの、文学者は文学者なりの、宗教家は宗教家なりの、芸術家は芸術家なりの答えがあると思います。お二人とも人類史に名を残す偉大な科学者ですので、さすがに理論的だなあと思います。
二人ともユダヤ系のため、この後ナチスドイツによるホロコーストのためそれぞれ米英への亡命を余儀なくされます。自らもそういった時代の中にあり、身近に危険を感じながらの思索であり、現代人のような安全な場所からの考証とは違います。国際連盟から依頼を受けたアインシュタインが戦争をテーマに選び、相手にフロイトを選びます。戦争をやめられない原因が人間の心にあるのではと考えたためです。これが慧眼でした。これに対してフロイトは、人間の心には破壊欲動があること、文化の発展により解決されていくであろうことを述べていく過程はスリリングです。また、各国家が主権の一部を譲渡することで超国家的機関を作り、大きな権限を持たせることが必要との共通見解が導かれます。
現代でいうと国際連合がそれにあたるのでしょうが、ウクライナを見ての通り残念ながら戦争を抑止するまでには至りません。戦争をさせないために特化した機関が必要なのかもしれません。
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