前書にあたる『神さま仏さまがこっそり教えてくれたこと』が良本だったためこちらも購入。
結論から言えばこの本も非常に良い本でした。
ただ、前書が万人向けに書かれた優しい本だとすれば、こちらは神仏の導きに素直になれない方や自分を受け入れられない方等に向けて書かれたやや厳しめのトーンになっています。
テーマは「覚悟」を決めること。何に対する覚悟かといえば「ご神仏に願った後は信じてその導きに乗る覚悟」です。
ご神仏に何かを願ったとして、その通りの結果になるとは限りません。たとえば「どうしてもAさんと付き合いたい！お願いします！」と願っても、ご神仏から見てそれが悪縁であれば縁は結ばれません。ここで神仏の導きを信じるか、願っても叶わないじゃないかと背を向けるかが分かれ目です。
前者を選択すれば付き合ったり結婚した後に待っている不幸を回避できるどころか、より良いパートナーとのご縁が結ばれることも期待できます。
対して後者を選択し、ご神仏の手を離してしまうとご神仏との間に壁ができてしまい、救いの手が届かなくなってどんどん悪い方向に行ってしまいます。
詳細は本書を読んでいただくとして、著者は実体験として末期の病に冒された方のご家族の相談を受けて延命をご神仏に願った結果、果たして延命には成功したもののご家族がその方の介護で大変な状態になってしまったことを紹介されています。
人間の具体的な願いが天から見て最良のものではない場合は往々にしてあり、それでも強情に願いを通すとその後には大変な結果が待っている場合もある、ということです。
そのため、ご神仏に願った後はたとえ想定外のことが起きたとしても全てはご神仏が最良の結果をもたらすための導きだと信じる「覚悟」が求められると説いているのが本書です。もちろん「こういう悩みについてはこのように願うといいよ」というプラスの助言も随処で書かれているため、ずっと厳しいトーンしか続かないわけではありません。「ご神仏に願いを叶えてもらうとはどういうことか」を明らかにすることが本書の狙いと思われます。
また、著者の真言宗僧侶としてのスタンスが前書より表に出ているため、真言宗以外の宗派の方はその部分を適宜自身の信ずるものと置き換えながら読むという、ちょっと玄人向けの内容になっています。
前書が基礎編とするなら本書は応用編といった趣で、いきなりこの本から入らず前書を先に読むことをおすすめします。どちらも得るものは大きいため、評価としては前書に引き続き星5といたしました。
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