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エンデの遺言「根源からお金を問うこと」 Kindle版
『モモ』『はてしない物語』などで知られるファンタジー作家ミヒャエル・エンデのラストメッセージに導かれながら、実体経済や生活現場から乖離し暴走しはじめている「お金」を根源から問い直す旅に出かけた。忘れられた思想家シルビオ・ゲゼルなどの「老化するお金」の考え方や、欧米に広がる地域通貨の試みの数々をレポートする。
- 言語日本語
- 出版社NHK出版
- 発売日2000/1/31
- ファイルサイズ5012 KB
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商品の説明
メディア掲載レビューほか
「パン屋でパンを買う購入代金としてのお金と,株式取引所で扱われる資本としてのお金は,まったく異なった種類のお金である」。こう語りかける本書は,NHKで放送されたドキュメンタリー「エンデの遺言--根源からお金を問う」を1冊の本にまとめたものだ。
ドイツの作家であるエンデ(故人)は,「個人の価値観から世界像まで,経済活動と結びつかないものはない。問題の根源はお金にある」と提起する。エンデへの取材をもとに,彼の蔵書,貨幣社会の歴史を紹介しながら,現代の金融システムが引き起こす弊害に警鐘を鳴らすのが本書の目的だ。
本書では,事例や寓話を取り上げて,貨幣経済の仕組みと問題点を分かりやすく説明している。たとえば---。
豊かな漁師町に,貨幣経済の導入と一緒に銀行ローンもやってきた。漁師たちはローンで大きな船を買って,効率が高い漁法を採用。そのおかげで,ローンを返すためにたくさん魚をとり,結局最後には魚が1匹もいなくなる---。
貧しくても心豊かに暮らす人々の前に,時間貯蓄銀行から来たという「灰色の男たち」が現れる。男たちは人々から時間を奪おうとする時間泥棒で,「時間を節約して銀行に預ければ,利子が利子を生んで,人生の何十倍もの時間を持てるようになる」と言う。彼らの誘惑にのせられた人々は,余裕のない生活に追い立てられて人生の意味までも失ってしまう---。
こうした身につまされるストーリーは,「将来」を輸入する一方で環境を消費し,地球の資源を食いつぶす現代人に向けた痛烈な批判だ。資本主義経済におけるお金は,より高いリターンが得られる場所に移動し,その結果,利益はごく一部の人に集まり,一方で利益を奪われ続ける多数の人々が存在する結果になったという指摘もうなづける。
お金を銀行に預けると利子が増えるというのが現代の常識だが,本書では面白い事例が紹介されている。世界大恐慌直後のオーストリアのある町では,お金を保有していると1カ月ごとに価値が1%減少するという金融制度を導入し,経済活動を活性化させたという(最後は国家権力が制度を廃止させた)。プラスの利子は短期的な利益に向かい,マイナスの利子は長期的で人間の豊かさをもたらす有意義な投資に向かうというのは,現代社会の中に生きている我々にはなかなか思いつかない発想だ。
お金の病にかかっていると指摘するエンデの予言は,とりわけ日本の経済状態を厳しく批判しているように感じた。本題の解決を先送りして,国と地方を合わせた長期債務残高は先進国の中でも最悪で,GDP(国内総生産)をはるかに上回っている。「人々はお金を変えられないと考えているが,それは違う。お金は変えられる。人間がつくったものだから」という本書の主張に,現代人はいつ目覚めるのだろうか。 (ダイヤモンド社 出版局 編集委員 名久井 範章)
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-- ブックレビュー社
内容(「MARC」データベースより)
登録情報
- ASIN : B008YOHIAY
- 出版社 : NHK出版 (2000/1/31)
- 発売日 : 2000/1/31
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 5012 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 282ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 64,546位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 8,027位ビジネス・経済 (Kindleストア)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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これからを生きる地球上の人、これから生まれてくるすべての人に読んで欲しい本。
私自身、お金について、いや生き方をすべて見直しいかねばと感じている。
具体的には、自分のお金の使い方を見直したい。
また、この本のこと、エンデのことを私のできる限り伝えていきたい。
いま、すぐできことは、この本を仲間と読んで意見交換すること。
そして、ABD読書会を開催すること。
そして、MBAでこれが教えれろことを願う。
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お金は実際になされた仕事やものと対応する価値として位置づけるべきで、等価代償であるべきお金が商品として売買されていることが問題。
実際の人々や実質的な時間、熟練、技能に裏打ちされ、地域の中を循環させ、短期的ではなく長期的に価値が維持されるようなものに投資されるお金の仕組みを実現するのは難しいんやろなぁ。
そもそも本書は95年のNHKの同名のドキュメンタリーを基に書かれたもので、反消費、反競争、反資本主義のような当時のテレビの風潮が強く見て取れる
主な主張としては、時間と共に減価するゲゼル式通貨を採用することで、富の一極集中やそれによる搾取を阻害し、経済を健全に保ち、格差を是正する効果があるというものだ
所謂マイナス金利と同じことであるが、実際に導入された今では解る通り、本書で期待されていたような効果があったようには見えない
元々金融や貨幣に対して理解不足の著者がエンデやゲゼルを信奉するあまり、十分な考察や反証を行わずに答えありきで書かれたようで、論理破綻している箇所が多くある
例えば、市場に強制力を持った共産主義国家・独裁国家・固定相場などを除き、物や通貨の価値は需給のバランスで決まるため、自由市場では価値を保存できる資産に需要が生まれ、逆に減価する資産への需要は消失し実質的に存続できない
また現代の通貨は価値が変わらない不自然な資産だとしているが、裏付け資産のない現代の法定通貨は量的緩和によるインフレや信用不安などで購買力が減少しており、皮肉にも減価するお金そのものである
著者は富の蓄積=貯蓄と金利を現代の貨幣制度の主な問題点としているが、その恩恵については完全に無視されている
まず貯蓄ができなければ投資家は存在しないので、貯蓄の否定は投資の否定、同様に利子の否定は金融の否定であり、投資や資金調達のできない社会では大規模で長期間に渡るようなプロジェクトは困難になる
結果的に今私達が享受している高度な医療や福祉、水などの生活インフラ、清潔で快適な住環境、効率化による余暇時間の増加などを犠牲にするばかりか、経済発展や技術革新も困難になり、短期思考でその日暮らしの時間選好が極端に高いライフスタイルが支配的になるだろう
本書中に、地球に来た火星人が紙幣をお金として使う地球人を理解できないという話がでてくるが、そこまで高度な文明レベルの火星人が紙幣をお金と理解できないわけがないし、そもそもお金はあくまでも価値交換媒体でありゴールドのように不正に改竄や複製ができない限り物質は関係ない
著者はお金という紙切れに翻弄されている人間を案じているのだろうが、本質的な価値の裏付けがあればそれは紙だろうがデータだろうが問題はないというお金の本質に対する理解が足りていないように見える
お金はあくまでも手段であり目的になるべきではないという意見は一理あるが、お金とは何かを突き詰めるとエネルギーそのものなので、他者からエネルギーを奪って生きている全ての生物と同じく、私達もエネルギーをどこかから奪わなければ存在できない以上、お金を集めることを否定するのも不自然ではないだろうか
著者の言う"格差が富の源泉"というのも確かに事実ではあるが、突き詰めれば全てのビジネスは格差を利用して稼ぐアービトラージであり (例えば商社は輸出入による地理的格差で利益を出す、弁護士は知識格差、技術職は技術的格差) 、誰しもがチャンスを享受できるという点で必ずしも悲観すべきことではなく、格差が競争を生み、競争が文明の発展に寄与してきたことを忘れてはいけない
とは言え、現代の貨幣制度に問題があり、不必要に格差や不平等を助長しているのは確かだろう
本来、問題にすべきは貯蓄や利子ではなく、政府や銀行が腐敗する方向にインセンティブが働くシステム、例えば無限にお金を刷れて借金を減らせる量的緩和や、政府による銀行の救済などであろう
エンデはあくまでもファンタジー作家なので、ファンタジーとして理想の通貨システムを妄想したのかもしれないが、残念ながら根本的な諸問題の解決になるようには思えない
他にもおかしな箇所が多くあるので下記に書き留めておく
エジプトや欧州の古代建築が現代の建築よりも優れているという話が出てくるが、これはゴールドなど希少金属が貨幣として使われていた不正にお金を刷れない時代だから実現できた建築であり、現代の法定通貨制度の延長でしかないゲゼル通貨とは真逆の概念であり、著者がなぜこれを例に出したのか疑問である
お金は公共物なので逆に料金を支払う必要があると書かれているが、現代でも全ての決済には多少なりとも手数料がかかり、ほとんどの国では消費税など高額な通行料を取っており、この主張は的外れである
かつてヨーロッパに存在したブレクテアーテなる減価のする通貨について書かれているが、恐らく過去にドイツ人哲学者が提唱した物々交換を主体とした貨幣システムのブレヒトアルテ (英語読みするとブレクテアーテに近い) の間違いだと思われる
中世ヨーロッパにはレンチュヴァルト貨幣制度という減価する通貨が存在しており、銀貨を改鋳し銀の量を変えて価値を一定に保とうとするものであったが、実際には銀の分量の違う銀貨が混在するなどして上手く機能してはいなかったという
しかしそもそも貨幣の改鋳を容認すると政府は腐敗し改鋳を乱用し、シニョレッジやインフレによって富を得るインセンティブが働くので、通貨の改鋳など論外である
軍事費を賄う金準備がなければ戦争が起きないというのはその通りで、実際に通貨を無限に供給できると戦争が容易になる、しかし減価する通貨も供給量に制限はないので、問いは正しいがゲゼル通貨はその答えではない
結果として、それなりの本を読んだはずだが、この本以上に心を動かされた本は今だかつてない。
主に知識を得るよりも、想像力を鍛える為に本を読んでいた為、自己啓発本よりも小説を好んで読んだが、本書はまさに「事実は小説よりも奇なり」という言葉がピッタリの本だ。
今自分が生きている世界で感じる矛盾や不合理の原因が集約され、観察、分析され、解決策が明快に書いている。
この本の内容を一定数の人が理解すれば、世界は変わる。
お金が利子を生み、金銭的に富むものは益々富み、お金に支配されていく。
エンデはそこに危惧を感じており、お金の機能から、利子を外し、
徐々に減価すべきであると考えているようだ。
最近有名なピケティが、資本収益率>経済成長率であり、格差は拡大していくとしたデータを
エンデが知ったなら、より強い確信を持つかもしれない。
本書では地域的に使われた減価していく貨幣の実例が詳しく取り上げられている。
ある地域しか流通しない通貨では、大きな事業は興せないのではないか、
無利子では貸し手がおらず、結局金持ちしか事業を起こせないのではないか、
利子があるから、能ある人が事業を興せ、便利な世の中になったのではないか
利子はお金のレンタル料ではないのか、
無利子で、且つ社会の発展にもつながるお金の革新は可能なのだろうか、とか拙く考えてみた。
お金の威力を再認識した。
「モモ」にも共通するが、よりよい社会を強く願うから現代の問題点に気づき、
それを読者に優しく強く警鐘をならしてくれている。
人の心を支配するお金について深くかんがえさせられる名著である。