ジャズとはなんぞや? 今更ながらにそう問うて見ると、これが何ともよく説明出来ないもどかしさを感じる。①後打ちのリズムでスウィング感があり、②テーマに始まりアドリブがあってまたテーマに戻って終わる、③アドリブの間はテーマのリズムとコードがキープされこれをコーラスという単位として複数回繰り返す。などと形式的な説明は(完全ではないが)可能ではある。しかし、こんな説明を聞かされた人には納得できるものではないだろうと思う。
そんなジャズとは何か?について知りたい人に、これはもしかしていけるのではないかという方法を見つけたので紹介しようと思う。
元々、自分が好きな曲をどんな歌手や演奏家がどんな解釈でどのような表現をしているのか、徹底的に聴き込んでやろうと作ったプレイリストなので、BGMとしてながら聞するだけでも充分楽しめると思う。
内容的に一番充実しているAmazon Music HDで説明すると、私が公開している「All Little Girl Blue」という名前のプレイリストを探して聴くだけでいいのです。これはLittle Girl Blueというジャズの名曲だけを集めたプレイリストで、全部で70もの歌唱やインストゥルメンタルの曲が入っています。なので、上に書いたようなジャズとは何ぞや?という問いに「言語的表現に頼ることなく」直接的に「解」を与えることが出来ます。
なお、私は「膨大な音源を誇るストリーミング音楽ならではの新しい楽しみ方」を見つけたと悦に入っています。もう既にいくつかの曲で他のプレイリストも作って楽しんでいます。
こんどは、クラシックの場合についてチャレンジしてみて感じたことです。
ジャズの場合と同じように、ある一つの曲を異なる歌手や演奏家でプレイリストに仕立てるのですが、クラシックの場合には特別の苦労があります。どういう名前でその曲を検索すれば良いのか、という問題があるのです。
今回、私が最初にチャレンジしたのは、クラシックの中では私が最も好きな曲であるバッハのマタイ受難曲の中の「神よ、憐れみたまえ」というアリアです。通常、女声ではアルトで、男声ではカウンターテナーで歌われます。試行錯誤の結果、「BWV244 Erbarme Dich」で検索すると最も効率的なことが分かりました。「BWV244」は、バッハの作品番号で「マタイ受難曲」を示しています。
このコツが分かったので、マタイ受難曲の最初の曲を「BWV244 Kommt Ihr Tohter」で、最終曲を「BWV244 Wir setzen uns mit Tranen nieder」で検索してそれぞれのプレイリストを作成しました。
この作業を行いながら考えていたのは、かなり以前に読んだ磯山雅著「マタイ受難曲」の巻末に補章として約40ものレコードやCDの紹介と批評をまとめていたのを思い出したのです。
当時はこんなに沢山のレコードやCDを聴き比べるなんて、さすがに研究者だ、専門家だ、相当な費用が掛かることだろうと感嘆していたものでした。
しかし今、自分が行おうとしていることは、まさに磯山雅さんが昔(第一刷1994年)やっていたことそのものではないかということでした。
約30年の月日が経ってストリーミング音楽が普及したことで、私のような素人でもかつての研究者や専門家と同じ環境を築くことが、安価で可能な時代になったと言えるのではないかと思います。
ところで、バッハのマタイ受難曲を手っ取り早く楽しむ方法として、第一曲目とアリアと最終曲だけを聴くという方法があります。私は、まさにこの3曲のプレイリストを作って以下の名前で公開しています。
「All BWV244 Kommt Ihr Tohter」
「All BWV244 Erbarme Dich」
「All BWV244 Wir setzen uns mit Tranen nieder」
私の苦労が他の方の便利になるのであればという思いを込めて作成し公開しています。
興味のある方はぜひ聴いてみてください。
ジャズの方でも「All Autumn Leaves」、「All Black Orpheus」などを追加しました。クラシックの方でも「ALL Caccini Ave Maria」も追加しています。これもなかなか良いものです。