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【カラー版】アヘン王国潜入記 (集英社文庫) Kindle版
【電子版特別カラー写真収録】ミャンマー北部、反政府ゲリラの支配区・ワ州。1995年、アヘンを持つ者が力を握る無法地帯ともいわれるその地に単身7カ月、播種から収穫までケシ栽培に従事した著者が見た麻薬生産。それは農業なのか犯罪なのか。小さな村の暖かい人間模様、経済、教育。実際のアヘン中毒とはどういうことか。「そこまでやるか」と常に読者を驚かせてきた著者の伝説のルポルタージュ。電子版には特典写真23点を追加収録。
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登録情報
- ASIN : B00KRYD4BQ
- 出版社 : 集英社 (2007/3/25)
- 発売日 : 2007/3/25
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 17567 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 383ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 31,155位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 184位集英社文庫
- - 500位エッセー・随筆 (Kindleストア)
- - 669位近現代日本のエッセー・随筆
- カスタマーレビュー:
著者について
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1966年、東京都八王子市生まれ。ノンフィクション作家。
早稲田大学探検部在籍時に書いた『幻獣ムベンベを追え』(集英社文庫)をきっかけに文筆活動を開始。
「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書く」がモットー。アジア、アフリカなどの辺境地をテーマとしたノンフィクションや旅行記のほか、東京を舞台にしたエッセイや小説も多数発表している。
1992-93年にはタイ国立チェンマイ大学日本語科で、2008-09年には上智大学外国語学部で、それぞれ講師を務める。
主な著書に『アヘン王国潜入記』『巨流アマゾンを遡れ』『ミャンマーの柳生一族』『異国トーキョー漂流記』『アジア新聞屋台村』『腰痛探検家』(以上、集英社文庫)、『西南シルクロードは密林に消える』『怪獣記』(講談社文庫)、『イスラム飲酒紀行』(扶桑社)、『未来国家ブータン』(集英社)など。
『ワセダ三畳青春記』(集英社文庫)で第一回酒飲み書店員大賞を受賞。
『謎の独立国家ソマリランド』(本の雑誌社)で第35回講談社ノンフィクション賞を受賞。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2024年1月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者自らケシの花を栽培する体験談は、日本人の誰もが知らない世界である。物騒な環境が想像されるが、淡々とした、辺境の普通の農業である。日本の明治時代の農業はこんなものであったろうか。ゲリラ活動もあり、現在のミャンマーの軍事政権対ゲリラ、反政府の動きも理解できそう。面白い。
2024年5月10日に日本でレビュー済み
高野秀行(1966年~)氏は、早大第一文学部仏文科卒。早大で探検部に所属し、大学在学中に探検部での活動をまとめた『幻の怪獣・ムベンベを追え』で作家デビュー。その後も多数のノンフィクション作品を執筆し、2013年に『謎の独立国ソマリランド』で講談社ノンフィクション賞、2024年に植村直己冒険賞を受賞(探検家・山田高司と共同)。
私はノンフィクション物を好み、冒険家・探検家が自らの体験を記録したノンフィクション作品もしばしば読む。具体的には、古くはスコットの南極探検を描いたガラードの『世界最悪の旅』から、植村直己、角幡雄介、石川直樹等の著書までだが、高野秀行に関しては、気にはなっていながら、著書を読んだのは今回が初めてである。
本書は、1995~6年に7ヶ月間、世界最大のアヘン生産地と言われる、ミャンマー、タイ、ラオスに跨る「ゴールデン・トライアングル」の中でも、その中心地であるミャンマーの中国国境地帯にあるワ州に、高野氏が単身滞在した記録である。ワ州は、反政府ゲリラ・ワ州連合軍が支配し、100を超える少数民族が存在して「東南アジアのユーゴスラビア」とも呼ばれるミャンマーの中でも、ヤンゴンの中央政府の権力が全く及んでいない地域で、無法地帯とも言われているという。(近年は状況が変わっているらしい)
本書を手に取るとき、普通の人であれば、まず、「何故、こんな場所に7ヶ月も滞在したのか(そして、それを本にしたのか)」が気になるものだが、それは、高野氏が、「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをし、誰も書かない本を書く」ことをポリシーとする中で、20世紀も終盤になって、それに値する“地理的な”未知の土地は地球上にほぼなくなってしまい、残るは“政治的な”或いは“精神的な”秘境しかないと考え、その象徴がゴールデン・トライアングルだったからなのだという。そういう意味で、高野氏は本書を自らの「背骨」になる仕事と言っているのだが、一方で、そのハードさのあまり、当初はなかなか評価されなかったとも語っている。(現在では高野氏の代表作の一つと認識されていると思うし、それ故に私は手に取ったのだが)
この、高野氏のポリシーは、いわゆる「冒険ノンフィクション」を書く作家に共通するものであるが、同様に、現代においては地球上に地理的な未知の土地はなくなったという事実も共通の認識で、角幡氏なども、「冒険とは何か?」、「ノンフィクションとは何か?」と自らに問い、それに関する著書も出している(『新・冒険論』等)。そういう観点では、高野氏と角幡氏の対談集『地図のない場所で眠りたい』もぜひ読んでみたいものである。
読後に強く印象に残ったのは、反政府ゲリラが支配する麻薬地帯という、極めて物騒なイメージとは裏腹に、ここには(にも)普通の人びとの普通の生活が存在するという、当たり前のことであった。そして、もう一つは、民族というものの考え方の難しさで、ほぼ単一民族である日本人には実感が湧きにくいが、これは、世界各地で止まらない国家・民族・宗教間の対立の最大の原因の一つである。
また、本書のアプローチについては、高野氏は、自分の好奇心はジャーナリズム的な関心と重なるところがあり、一時期そちらに傾倒したが、多くのジャーナリズムは上空から森を眺めているのであり、自分は「一本一本の木を触って樹皮の手ざわりを感じ、花の匂いや枝葉がつくる日陰の心地よさを知りたかった」ので、結局、対象により近く、より長く接するような手法を取るようになったという。今般のワ州滞在が長期に及んだ(普通のジャーナリストならせいぜい4~5日。現地人からは、外国人が7ヶ月も滞在するのはギネス記録だと言われたそうだ)のは、そうした背景があってのことだ。私はジャーナリストが書いたものを好んで読むし、それは今後も変わらないが、高野氏のようなアプローチだからこそ書けるもの、そして、面白いものがあることを改めて感じた。
(2024年5月了)
私はノンフィクション物を好み、冒険家・探検家が自らの体験を記録したノンフィクション作品もしばしば読む。具体的には、古くはスコットの南極探検を描いたガラードの『世界最悪の旅』から、植村直己、角幡雄介、石川直樹等の著書までだが、高野秀行に関しては、気にはなっていながら、著書を読んだのは今回が初めてである。
本書は、1995~6年に7ヶ月間、世界最大のアヘン生産地と言われる、ミャンマー、タイ、ラオスに跨る「ゴールデン・トライアングル」の中でも、その中心地であるミャンマーの中国国境地帯にあるワ州に、高野氏が単身滞在した記録である。ワ州は、反政府ゲリラ・ワ州連合軍が支配し、100を超える少数民族が存在して「東南アジアのユーゴスラビア」とも呼ばれるミャンマーの中でも、ヤンゴンの中央政府の権力が全く及んでいない地域で、無法地帯とも言われているという。(近年は状況が変わっているらしい)
本書を手に取るとき、普通の人であれば、まず、「何故、こんな場所に7ヶ月も滞在したのか(そして、それを本にしたのか)」が気になるものだが、それは、高野氏が、「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをし、誰も書かない本を書く」ことをポリシーとする中で、20世紀も終盤になって、それに値する“地理的な”未知の土地は地球上にほぼなくなってしまい、残るは“政治的な”或いは“精神的な”秘境しかないと考え、その象徴がゴールデン・トライアングルだったからなのだという。そういう意味で、高野氏は本書を自らの「背骨」になる仕事と言っているのだが、一方で、そのハードさのあまり、当初はなかなか評価されなかったとも語っている。(現在では高野氏の代表作の一つと認識されていると思うし、それ故に私は手に取ったのだが)
この、高野氏のポリシーは、いわゆる「冒険ノンフィクション」を書く作家に共通するものであるが、同様に、現代においては地球上に地理的な未知の土地はなくなったという事実も共通の認識で、角幡氏なども、「冒険とは何か?」、「ノンフィクションとは何か?」と自らに問い、それに関する著書も出している(『新・冒険論』等)。そういう観点では、高野氏と角幡氏の対談集『地図のない場所で眠りたい』もぜひ読んでみたいものである。
読後に強く印象に残ったのは、反政府ゲリラが支配する麻薬地帯という、極めて物騒なイメージとは裏腹に、ここには(にも)普通の人びとの普通の生活が存在するという、当たり前のことであった。そして、もう一つは、民族というものの考え方の難しさで、ほぼ単一民族である日本人には実感が湧きにくいが、これは、世界各地で止まらない国家・民族・宗教間の対立の最大の原因の一つである。
また、本書のアプローチについては、高野氏は、自分の好奇心はジャーナリズム的な関心と重なるところがあり、一時期そちらに傾倒したが、多くのジャーナリズムは上空から森を眺めているのであり、自分は「一本一本の木を触って樹皮の手ざわりを感じ、花の匂いや枝葉がつくる日陰の心地よさを知りたかった」ので、結局、対象により近く、より長く接するような手法を取るようになったという。今般のワ州滞在が長期に及んだ(普通のジャーナリストならせいぜい4~5日。現地人からは、外国人が7ヶ月も滞在するのはギネス記録だと言われたそうだ)のは、そうした背景があってのことだ。私はジャーナリストが書いたものを好んで読むし、それは今後も変わらないが、高野氏のようなアプローチだからこそ書けるもの、そして、面白いものがあることを改めて感じた。
(2024年5月了)
2022年12月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
麻薬と聞くとマフィアが暗躍し、裏金や殺人といった非倫理的な裏社会が想像される。しかし本書に描かれるのはごくごく普通のアジアの農村の話である。ただアヘンを作ってることを除けば。
本書はそんな穏やかな農村風景とアヘンという非倫理的な農作物という強烈な2要素によって成り立っている。そして、その2つのギャップや筆者の何でも体験してしまう度量の大きさにただただ圧倒される白眉のルポである。
本書はそんな穏やかな農村風景とアヘンという非倫理的な農作物という強烈な2要素によって成り立っている。そして、その2つのギャップや筆者の何でも体験してしまう度量の大きさにただただ圧倒される白眉のルポである。
2022年12月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
アヘン王国潜入記と言っても、アヘンの製造密売ルートの話ではない。そんなものに取り組んだら、真偽不明の薄っぺらい話になるか、生きて帰ってこれないかのどちらかだろう。高野氏は約7か月間、ワ人(ミャンマーの少数民族)と生活を共にし、ケシの種まきから、草取り、アヘンの収集まで体験してきたのだ。
さらにアヘン吸飲も体験し、禁断症状まで味わわっている。まあアヘンは取材のためというより、体調を崩して、医者もいなければ薬もない地域なので、治療のためにやったのがきっかけだが。
アヘンではなく、そこに暮らす人々のことを、高野氏は知りたかったのだと思う。ここまでやったからこその、真実味を感じることができる。やはり、こういう人がいないと、世界のことはわからない。
さらにアヘン吸飲も体験し、禁断症状まで味わわっている。まあアヘンは取材のためというより、体調を崩して、医者もいなければ薬もない地域なので、治療のためにやったのがきっかけだが。
アヘンではなく、そこに暮らす人々のことを、高野氏は知りたかったのだと思う。ここまでやったからこその、真実味を感じることができる。やはり、こういう人がいないと、世界のことはわからない。
2022年11月13日に日本でレビュー済み
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丸山ゴンザレスのyoutubeから来ました
誰もやったことのないこと、誰も行ったことのない所へ行く話です
最初はゴールデントライアングル=麻薬王国
まるで麻薬カルテルが実効支配する地域だと先入観を持ってました
実際にそこで暮らした人の話を読むと印象がガラリと代わります
誰もやったことのないこと、誰も行ったことのない所へ行く話です
最初はゴールデントライアングル=麻薬王国
まるで麻薬カルテルが実効支配する地域だと先入観を持ってました
実際にそこで暮らした人の話を読むと印象がガラリと代わります
2022年12月29日に日本でレビュー済み
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この作家の辺境への愛にはいつも驚かされます。 こんな潜入する人他にはいないよ。唯一無二だよっ!
あまりにも詳細すぎてマニアックすぎるので、もうちょっとはしょってくれてもいいんだけどなぁ、なんて思います。
あまりにも詳細すぎてマニアックすぎるので、もうちょっとはしょってくれてもいいんだけどなぁ、なんて思います。
2022年9月8日に日本でレビュー済み
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代表作。おもしかった。