全ページでうなづくことばかり。中でも「わかりにくさの自覚」は若い人にはぜひ読んでほしい。高校生が書く推薦入学に向けての志望理由書も、学生が得意げに書いてくる就職向けの応募書類、中でも「学生時代に力を入れたこと」(ガクチカ)の、分かりにくさと言ったら、経文よりも難しい。読み手のことを考えていないから、わけがわからないのだ。インターネット情報に踊らされ、仲間内のラインばかり書いているからなのか、「他人様に読んでいただく」姿勢、つまり「読み手への配慮」(p.74)が欠如している。「今書いている文章が現実に分かりにくいことに自分で気づくことが肝要だ」(p.81)に、まったく同感だ。「そこから先は早い」と筆者が主張する通り。本書の「あいまいさの確認」(p.87)以下に従い、点検すればすむ。学術論文よりも難解な「独りよがり」で、根拠となる事実も示さず、「なので」「そこで私は」を繰り返す文字の羅列(文章とは言えない)を書いている学生は就職活動で恥をかきたくなければ、一度は手に取られたらいかがでしょう。
社会人の方はご自分が書く文章を点検されるつもりでお読みになればよいと思います。
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悪文: 裏返し文章読本 (ちくま新書 32) 新書 – 1995/5/1
中村 明
(著)
- 本の長さ238ページ
- 言語日本語
- 出版社筑摩書房
- 発売日1995/5/1
- ISBN-104480056327
- ISBN-13978-4480056320
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登録情報
- 出版社 : 筑摩書房 (1995/5/1)
- 発売日 : 1995/5/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 238ページ
- ISBN-10 : 4480056327
- ISBN-13 : 978-4480056320
- Amazon 売れ筋ランキング: - 720,152位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2015年11月18日に日本でレビュー済み
最初に多くの文書作成法にかかる他書の紹介があり
問題となりうる文の悪い点は「何か」を述べ
「手順とルール」、最後は「細かい悪い文例」が書かれています。
悪文と言っても「何が悪いのか」で
・書きたいことがわかっていないのか
・表現方法が悪いのか
対処する方法の違うことがわかります。
そしてこうした悪文から
逆説的に解る文や簡潔な文を作る方法を考える場合
失敗例を読むのも悪くはないとは感じますが、
それにしても種類が多すぎて全体としてのつながりがあまり無く
あえてこの本を読んだからといって新しい発見もありませんでした。
よって普通です。
そのため評価は☆3つとします。
問題となりうる文の悪い点は「何か」を述べ
「手順とルール」、最後は「細かい悪い文例」が書かれています。
悪文と言っても「何が悪いのか」で
・書きたいことがわかっていないのか
・表現方法が悪いのか
対処する方法の違うことがわかります。
そしてこうした悪文から
逆説的に解る文や簡潔な文を作る方法を考える場合
失敗例を読むのも悪くはないとは感じますが、
それにしても種類が多すぎて全体としてのつながりがあまり無く
あえてこの本を読んだからといって新しい発見もありませんでした。
よって普通です。
そのため評価は☆3つとします。
2006年10月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書の冒頭に説明されているごとく、世に文章読本は数多あるけれど、そのほとんどは「何が名文か」であって、しかも古典的な文学から引用されっているものもあるので、現代社会にはあまり参考にならない。本書は逆に副題にもあるごとく「ではどう書いたら分かりにくい文章になるのか」に焦点を当てて書かれたものであり、内容もとてもわかりやすい。目次を見れば分かるが、内容がちょうどA-Zのタイトルで区切られているのも洒落ており、また各セクションがほぼ同じページ数であるのも読みやすい。著者の隠れた努力に頭が下がる。自分は文章を書くのも仕事の一部であるが、この本を5年前に読んでから、自分の書いた文章を第三者の眼として読み直して自ら校正するのがかなり楽になった。また人の文章を推敲し、不適切さをわかりやすく指摘するのも楽になった。日本語を書くことが仕事の人だけでなく、文章に興味がある人にはすべて一読して頂きたい本である。なお、上にやや辛口のレビューが載っているが、「ずらい」でなく「づらい」である。
2009年9月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
やはり文系はダメだな、と思った。
ノイズが多すぎる。
著者は「A 文書作法書の広がり」で巷の文章作法書の内容が似たり寄ったりであることを嘆く。
「B 自分に合った本を選び出すヒント」では、こんな本が良い・こんな本もある、といったことを書く。
しかし読者にとって、以上のよもやま話は不要である。
目次・あとがき・索引を除くと、本書のページ数は 226ページである。
A,B 章は 17ページあるから、全体の 7.5% をノイズが占めていることになる。
この値はノイズが A,B章だけであると仮定した場合なので、少なく見積もっている。
実際には、本書をさらに読み進めると、もっとノイズが多いことに気づく。
例えば「C 悪文の正体」では各社の国語辞典をコピペして 7ページを費やしている。
しかし読者にとって有益なのは、最後の2行 (この本で扱う「悪文」は…) だけだ。
その他にも、著者が何を読者に説明するために挿入したのか意図不明な文が、あちこちにある。
読者に情報を伝えるためではなく、著者の自己満足のために書かれた、支離滅裂な文章のように見える。
「D 悪文の諸相」で「読者不在の文章」はよくないとしている。
「E 構想の致命傷」「F 展開の混乱」では、主題を明確に絞り、適切な順序で書くことを推奨している。
(もちろん文学的なノイズだらけの文章で)
しかし、本書自身が、そこで挙げられた「べき・べからず」を守っていない。
ノイズが多すぎる。
著者は「A 文書作法書の広がり」で巷の文章作法書の内容が似たり寄ったりであることを嘆く。
「B 自分に合った本を選び出すヒント」では、こんな本が良い・こんな本もある、といったことを書く。
しかし読者にとって、以上のよもやま話は不要である。
目次・あとがき・索引を除くと、本書のページ数は 226ページである。
A,B 章は 17ページあるから、全体の 7.5% をノイズが占めていることになる。
この値はノイズが A,B章だけであると仮定した場合なので、少なく見積もっている。
実際には、本書をさらに読み進めると、もっとノイズが多いことに気づく。
例えば「C 悪文の正体」では各社の国語辞典をコピペして 7ページを費やしている。
しかし読者にとって有益なのは、最後の2行 (この本で扱う「悪文」は…) だけだ。
その他にも、著者が何を読者に説明するために挿入したのか意図不明な文が、あちこちにある。
読者に情報を伝えるためではなく、著者の自己満足のために書かれた、支離滅裂な文章のように見える。
「D 悪文の諸相」で「読者不在の文章」はよくないとしている。
「E 構想の致命傷」「F 展開の混乱」では、主題を明確に絞り、適切な順序で書くことを推奨している。
(もちろん文学的なノイズだらけの文章で)
しかし、本書自身が、そこで挙げられた「べき・べからず」を守っていない。
2008年5月2日に日本でレビュー済み
どのように文章を書くか、ということよりも、どのような文章は書くべきではないか、という点に重きをおいた文章読本。句読点の打ち方から構成に至るまでありがちな悪文の例が分かりやすく並べられていて、文章を書き慣れていない人にとっては意義深い指南書になるはずだ。初中級者向けといったところか。
すでにプロとして文章を書いている人たちにとっては“確認”となる助言が多いのも事実だが、なるほどと思わせる見解もちりばめられている。印象に残った言葉の一例として、レトリックについて書いた以下を紹介しておきたい。
できれば、読んだことを一度すっかり忘れることである。それでも、いつかほんとに必要になった折にふと浮かんでくる。このレトリックの知識はひょいと浮かんでくるときに生きるのだと思う。
含蓄のある、もっともな指摘だと思う。
すでにプロとして文章を書いている人たちにとっては“確認”となる助言が多いのも事実だが、なるほどと思わせる見解もちりばめられている。印象に残った言葉の一例として、レトリックについて書いた以下を紹介しておきたい。
できれば、読んだことを一度すっかり忘れることである。それでも、いつかほんとに必要になった折にふと浮かんでくる。このレトリックの知識はひょいと浮かんでくるときに生きるのだと思う。
含蓄のある、もっともな指摘だと思う。
2007年4月9日に日本でレビュー済み
素人レビューワーが思ったことをそのまま書くのが、アマゾンのレビューのいいところなんだろうから、肩肘張らずに書きます。
仕事柄、随分とたくさんの人から毎日メールをもらいます。 読みやすいものもあるのですが、ほとんどが読み手への配慮に欠けるものばかりでストレスが溜まっていました。 ふと、自分の文章はどうかなと思ったところでこの本と出合いました。 いやー、参りました。 思い当たる節が次々と指摘されているでありませんか。 流石に途中で寒気までしてきました。 これからは、出来るだけ意味が明瞭な文章を書くように心がけないとなぁ、と思いました。 結局、自分には伝えたいことがあるのだから、それを他の人にきちんと伝える、分かってもらうには相手への配慮が大切であるということを改めて認識しました。
著者の他人への優しいまなざしを感じ、「悪文」というきついタイトルながら読後はさわやかでした。
仕事柄、随分とたくさんの人から毎日メールをもらいます。 読みやすいものもあるのですが、ほとんどが読み手への配慮に欠けるものばかりでストレスが溜まっていました。 ふと、自分の文章はどうかなと思ったところでこの本と出合いました。 いやー、参りました。 思い当たる節が次々と指摘されているでありませんか。 流石に途中で寒気までしてきました。 これからは、出来るだけ意味が明瞭な文章を書くように心がけないとなぁ、と思いました。 結局、自分には伝えたいことがあるのだから、それを他の人にきちんと伝える、分かってもらうには相手への配慮が大切であるということを改めて認識しました。
著者の他人への優しいまなざしを感じ、「悪文」というきついタイトルながら読後はさわやかでした。
2009年10月31日に日本でレビュー済み
この著者が書いた「日本語のコツ」(中公新書)を読んで面白く感じたので、他の著書にもあたってみようと思って購入しました。
内容は悪くありません。
著者の言うことはもっともで、確かに本書を読めば、文章の質は良くなるでしょう。
しかしながら、「日本語のコツ」と同じ内容が多すぎます。起承転結を説明するときの頼山陽の詩を毎回、引用するのは良いとして、「娘の目からビームがでて、殺人罪に問われるという意味ではない。」というギャグまで同じというのは、いかがなものでしょう?
おそらく、著者は大学で授業をしなければならないことから、ある一定数のギャグを言う必要に迫られているのでしょう。そして、本書に載っているギャグは、毎年、笑いを取れるのであろう。
しかし、自らの著作で、なんども同じギャグを使うのはどうだろうか?
本書の内容は悪くはありませんが、この著者の場合は、どれか、一冊で十分、主張は理解できると感じました。
内容は悪くありません。
著者の言うことはもっともで、確かに本書を読めば、文章の質は良くなるでしょう。
しかしながら、「日本語のコツ」と同じ内容が多すぎます。起承転結を説明するときの頼山陽の詩を毎回、引用するのは良いとして、「娘の目からビームがでて、殺人罪に問われるという意味ではない。」というギャグまで同じというのは、いかがなものでしょう?
おそらく、著者は大学で授業をしなければならないことから、ある一定数のギャグを言う必要に迫られているのでしょう。そして、本書に載っているギャグは、毎年、笑いを取れるのであろう。
しかし、自らの著作で、なんども同じギャグを使うのはどうだろうか?
本書の内容は悪くはありませんが、この著者の場合は、どれか、一冊で十分、主張は理解できると感じました。
2007年12月28日に日本でレビュー済み
かなり理屈臭いなー、、、と思わせるのに十分な始まり方をしています。
それで書店で購入するのをためらう人もいるでしょう。。
ただしその始めをこえてしまえば、中身は実例に富んだ非常に参考になるものとなっています。
(少々例が多くて後の方で食傷気味になってしまう点も見受けられますが。。)
けど、こんなに例を集めたり、考えたりするのは並の仕事ではありません。すごい。
文の長短の説明は非常に勉強になりました。
「吾輩(わがはい)は猫である。名前はまだ無い。
どこで生れたかとんと見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。吾輩はここで始めて人間というものを見た。しかもあとで聞くとそれは書生という人間中で一番獰悪(どうあく)な種族であったそうだ。この書生というのは時々我々を捕えて煮て食うという話である。」
のくだりの各語尾がバラエティーに富んでいる、なんていうのも目から鱗です。
「・・・ように ・・・ない」
「・・・したり ・・・たり」
なんかもやらかしがちですね。
「二千万円の預金と株の半分を贈与する」という例はとても面白いと思いました。
また、これは著者が考えた例ではないらしいですが、
「吉田が佐藤が田中が細川が村山が殺された現場にいたと証言したと聞いたのだと誤解した」
というのも非常に示唆深い例でした。
ちょっとおすすめです。
それで書店で購入するのをためらう人もいるでしょう。。
ただしその始めをこえてしまえば、中身は実例に富んだ非常に参考になるものとなっています。
(少々例が多くて後の方で食傷気味になってしまう点も見受けられますが。。)
けど、こんなに例を集めたり、考えたりするのは並の仕事ではありません。すごい。
文の長短の説明は非常に勉強になりました。
「吾輩(わがはい)は猫である。名前はまだ無い。
どこで生れたかとんと見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。吾輩はここで始めて人間というものを見た。しかもあとで聞くとそれは書生という人間中で一番獰悪(どうあく)な種族であったそうだ。この書生というのは時々我々を捕えて煮て食うという話である。」
のくだりの各語尾がバラエティーに富んでいる、なんていうのも目から鱗です。
「・・・ように ・・・ない」
「・・・したり ・・・たり」
なんかもやらかしがちですね。
「二千万円の預金と株の半分を贈与する」という例はとても面白いと思いました。
また、これは著者が考えた例ではないらしいですが、
「吉田が佐藤が田中が細川が村山が殺された現場にいたと証言したと聞いたのだと誤解した」
というのも非常に示唆深い例でした。
ちょっとおすすめです。