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群衆心理 (講談社学術文庫) 文庫 – 1993/9/10

4.3 5つ星のうち4.3 530個の評価

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民主主義が進展し、「群衆」が歴史をうごかす時代となった19世紀末、フランスの社会心理学者ギュスターヴ・ル・ボンは、心理学の視点に立って群衆の心理を解明しようと試みた。フランス革命やナポレオンの出現などの史実に基づいて「群衆心理」の特徴とその功罪を鋭く分析し、付和雷同など未熟な精神に伴う群集の非合理的な行動に警告を発した。今日の社会心理学の研究発展への道を開いた古典的名著である。


民主主義が進展し、「群衆」が歴史をうごかす時代となった19世紀末、フランスの社会心理学者ギュスターヴ・ル・ボンは、心理学の視点に立って群衆の心理を解明しようと試みた。
フランス革命やナポレオンの出現などの史実に基づいて「群衆心理」の特徴とその功罪を鋭く分析し、付和雷同など未熟な精神に伴う群集の非合理的な行動に警告を発した。
今日の社会心理学の研究発展への道を開いた古典的名著である。
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著者について

【ギュスターヴ・ル・ボン】
1841〜1931。フランスの社会心理学者。医学を修めた後、心理学や人類学、物理学など学問的関心は多方面に及ぶ。群集心理を論じ、社会心理学の道を開く。主な著書に『印度の文明』『物理の進化』『民族進化の心理法則』『フランス大革命と革命の心理』など多数ある。
【櫻井成夫】
1907年東京生まれ。早稲田大学仏文科卒業。元早稲田大学教授。主な訳書に『孤独』(エストニエ)『若き日の夢』(ラマルチーヌ)『フローベル初期作品集』などがある。1993年2月没。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 講談社 (1993/9/10)
  • 発売日 ‏ : ‎ 1993/9/10
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 文庫 ‏ : ‎ 302ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4061590928
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4061590922
  • 寸法 ‏ : ‎ 10.8 x 1.3 x 14.8 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.3 5つ星のうち4.3 530個の評価

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ギュスタ−ヴ・ル・ボン
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上位レビュー、対象国: 日本

2023年8月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者のギュスターヴ・ル・ボン、は1841年生まれのフランスの医学・社会
学・心理学者。著書も厖大であり、「精神科学の範囲にとどまらず、自然科学に
まで及」んでいる。「さながらフランスの…百科全書的な知識の所有者」であっ
た。

 序文にあるように、「環境と遺伝とによって一民族のあらゆる個人にあたえら
れる共通の性質の全体が、この民族の精神をつくりあげる」という考えの持ち主。
そして「ある数の人々が一時にせよ集合するときには、その祖先伝来の性質の上
に、種族本来の性質とは…相反する新たな一連の性質が付け加わる」とする。

 ル・ボンの問題意識はこのように表現されており、さらに「現代的」(当時の)
なものとしては、「群衆は歴史上常に重要な役割を演じてきたが、この役割が今
日ほど顕著なことはかつてなかった」とする。
 注意点として、「種族」という不確定な用語を使用している。「民族」と同じよ
うに使用されることも多いが、いささかその区別があいまい。

 ル・ボンは本書を通して、群衆の一般的特徴を見つけ提示し分析し、群衆はそ
の「構成分子である個人とは、その思想、感情、行動においていかに異なるか」
を示している。また「群衆の指導者の重要性」をも強調する。

 ル・ボンは19c末~20c初めにかけて、民衆が政治の舞台に躍り出て勢力
を呈している時期を「群衆の時代」という。
「解説」では、「群集心理」という言葉がきちんと定義されることなく、多用さ
れていることを批判的に解説する。また、そもそも群集心理が存在するのか、幻
想であるのかにも注意を向けるように記している。

 少なくとも、ル・ボンの説得御単純にそのまま受け入れることは妥当ではない。
ル・ボンの15年ほど後に、デュルケムが生まれており、社会学自体がまだ生成
途中であった時代。デュルケムは、社会とは個人の集まり以上のものであるとし、
ル・ボンの説もそれと似かよう。

「群衆」とは何かという問題がある。ル・ボンは「任意の個人の集合を指し…国
籍や職業や性別…集合する機会の如何を問わない」が通常の理解であるが、心理
学的には「群衆」はそうではないと主張する。
「人間の集団は…構成する各個人の性質とは非常に異なる新たな性質を具える。
…意識的な個性が消え…個人の感情や観念が、同一の方向に向けられる」もので
あり、「とにかく存在を構成して、群衆の精神的統一の心理法則に従っている」
存在として規定される。
「規定すること」と「性質」が混同されているきらいがあり、このことを評して
「解説」者の言葉となるのだろう。

「序論」。
 現代が群衆の台頭する時代であり(ル・ボンはフランス革命期をよく引用して
いるのだが)、新しい勢力として政治のほか社会の至る所で、群衆の役割は大き
くなる。そして群衆による「現在の社会を徹底的に破壊して…原始共産主義(マ
マ)へこの社会を引きもどそうとする」と主張するが、いきなりの社会主義批判
とも思える。ル・ボンの政治的信条の表出であろうか。
「西欧文明の最終段階」「老朽した文明の大破壊」などの字句がおどり、群衆の
行動への非難や怖れにも似た感情が透けて見える。特に「自身の野蛮状態のまま
に放任されている群衆」に憎しみとも思えるル・ボンの感情を見る。

 第1篇。「群衆の心理」。群衆の一般的特徴。
1、個人の観念や感情が一定の方向に向く    2、個人の個性の消滅
3、感情の変化(プラスにもマイナスにも)
4、よって群衆は犯罪的にもなりうる、英雄にもなる

 そして群衆が外科医の刺激によって衝動的となり、無計画な形で行動をおこす
ことがある。ル・ボンの群衆への不信感もよく分かる。
 興味深いのが、強大な権力に対する群衆の屈従という論である。
しかし、「群衆の一時的な革命的本能も、彼等が極度に保守的になるのを妨げな
い。群衆は、本能的に、変化と進歩に反対する」という主張はいささか疑問。前
述した社会主義への傾倒と全く反対の主張になっている。これは注意。

 次にル・ボンは、群衆の支配的となる思想は、極めて単純化されたものでなく
てはならず、「単純な形式」であることが求められるとする。しかし、社会主義、
民主主義、「中世」キリスト教を「さして高級なものとはいえない」とするが、
現代(当時)のキリスト教に対する論評は上手に避けている。
 ル・ボンのこの「近代ヨーロッパの精神」がより好ましいとする、根拠のない
意見はいささか気持ちが悪い。さらにこの部分では「ヒンドゥー教」への蔑視感
情(かならずしもきちんと批判していない)が透けて見える。

 第二篇。「群衆の意見と信念」。
 心理学を、政治行動の分析に使うことは危険な作業であることを示している。
政治行動・政治思想を単純に「心理分析」に還元することは、やりようによって
は実に簡単。何人もがそれなりの体裁を持った「心理分析」を行っている。実に
安直にできうる。失敗した代表格がW・ライヒであろうし、成功した代表はE・
フロムであろう。

 本篇では、「種族」と「伝統」というキーワードによって、群衆の「伝統思想
への傾き」を説明している。
「心象(イマージュ)、言葉および標語」については、いつの時代でも通ずるも
のがある。
 特に連想するのが、ナチスのプロパガンダとの類似性である。なるべく短く、
簡潔に、何度も繰り返して宣伝することで、特定の思想を群衆に刷り込むことが
できる。ナチス時代のドイツ人は、ここで言う「群衆」そのものに他ならないと
思われる。
 ル・ボンの「群衆は、常に真実よりも幻想を好む」という言辞は重い。「自由」
「国(国家)」「祖国」「民主主義」という言葉の持つ心象(イマージュ)につい
ても記している。

 さらに、この「群衆」は、もともと「群衆のあらゆる人間は、指導者に従おう
とする本能的要求(欲求)を持つ」のであり、「指導者のみが信仰を創造して、
群衆に組織を与え得る」。指導者は、「断言」「反復」をむねとする。そして信仰
を容易に「感染」させることができる。こう説いている。

 第三篇。ここに至って初めて「群衆の分類とその解説」がある。
「群衆」を大きく2つに分け「異質の群衆」と「同質の群衆」とする。
「異質な群衆」とは、ざっくり言えば、「群衆」という言葉の持つイメージと同
じものだろう。無秩序な、同一の目的を持つのではない、ル・ボンの言う「任意
の個人からなるもの」。

 ここでル・ボンは、ラテン系、イギリス系・アメリカ系(ル・ボンの表記によ
る)等の分析から「種族(「民族」の意味か。しかしアメリカ系とは大雑把すぎ
るのだが)の精神が強ければ強いほど、群衆の劣等な性質は、弱くなる」。
 民族的な規範意識の作用が、個人に分解されても強く作用するとの意だろう。
同質の群衆には、「党派」「仲間」「階級」が含まれるとしている。

 興味深い分析がある。「群衆は、相当期間の昂奮状態をへたのちには、暗示に
導かれる無意識な、単なる自動人形の状態に陥る」。
「群衆の犯罪は、一時に強力な暗示から起こる。そして、その犯罪は加わった個
人は、その後においても、義務の命ずるところに従ったのであると固く信じてい
る」。

 この例として、ル・ボンはバスティーユ牢獄の例をあげる。今(2023年)
では、「アメリカでの連邦議会襲撃事件」を想起させる。確かに、アメリカの暴
動参加者は何一つ悪事を働いたとは思っていない。「愛国心」からそうしたと、「群
衆」は信じている。
 「九月の虐殺」も例示されている。調べると1792年のフランスでの「反革
命大虐殺」のことらしい。本書では犠牲者は1500人程度とされている。
 これについては、「プロレタリア文化大革命」での各地で頻発した「(これまた
フランスと同じ)反革命大虐殺」が思い出される。中国ではおそらく1000万
(当局発表では40万という意図的に少なくした人数をだしている)以上が殺さ
れた。

 陪審員制度も俎上に乗せる。「この種の陪審員は、名目を具えた異質の群衆の
好適例となる…暗示を受けやすく、無意識な感情が優勢になる」のだが、「判決
の点から見て、群衆を構成する各分子の知的水準がさして重要ではない」。
いささか判りにくいが、つまりは「陪審員という群衆」はその知的水準レベルに
かかわらず、「判決は一様である」ということを示している。それ故、「陪審員の
忌避権」は無用であるという。
「陪審員たちは、自分たち自身に危害の及びかねない犯罪…に対しては容赦ない
のであるが…いわゆる痴情的な犯罪(嬰児殺が主な意味だろう)に対しては、非
常に寛大な態度をしめす」。
これは現在でも同じ。殺人を、謀殺・故殺・嬰児殺と分類する国もあった。

「選挙上の群衆」という(珍しい)分類もある。選挙においては群衆は合理的に
自らの代表を選ぶのではなく、候補者が具えている(と見なされる)資質がある
「威厳」によって、「有無をいわせずに強引に自分の意見を押しつけ得る」こと
が必要であり、さらには(逆に)「選挙人に途方もないお世辞を浴びせかけ…架
空的な約束をもする」態度が功を奏する。

「候補者の文書による綱領は、あまりに明確であってはならない」し、また口頭
ではどんなに誇張してもかまわない。この点でル・ボンはフランスにおける「公
開討論における候補者と聴衆の関係」について論を進める。
読むとつくづくと「フランスは権利を実力で勝ち取った国民性がある」と、羨ま
しさすら感じた。

 ただ、「選挙された人々の平均的なものが、各国民にとって、その種族の平均
的な精神を現す」ものであるかは、ル・ボンの説に疑問を持つ。ファシズムに代
表される国民馴育の結果を知ってみれば、ル・ボンはあまりにも楽観的であろう。
ナチスが権力を掌握した前々年に他界したル・ボンは「大衆操作」の本質をはた
して見据えていたのか、疑問に思う。

「議会の集会」。この部分は章の扉に記載されている要約が一番分かりやすい。
現在とは状況が違いすぎ、違和感を持ちつつ読み進めた。
つまり、議会の群衆は、名目を具えた異質の群衆に共通な性質の大部分を示す。
「群衆の一般的特徴が見出され…思想の単純さ、昂奮しやすいこと、暗示を受け
やすいこと、感情の誇張、指導者の強力な影響などである」。
 確かに、ナチス期のドイツ国民の大多数はそうであった。

「極めて真実らしくない大げさな言葉を大いに用いるのは、指導者にとっては有
利なことである」。そして
「断言は、どんなに激越であっても激越すぎるということはないし、演説は、どん
なに威嚇的であっても威嚇的すぎるということはない」。
ヒトラーや日本の戦前の指導者もしかりである。
このファナティックともいえる影響力をもつために、「才智や学識(は)…むし
ろ有害となる」。

 ル・ボンはロベスピエールの演説をも引用し、そのデタラメさ(文章になって
さえいない)に反して、その影響力の大きさに言及する。
 ただ、「議会の集会は、ある瞬間に群衆となるにすぎない。それを構成する各
人は…その個人性を保つことができる」。とれは救いとなる言辞か。

 むすび。
「文明の黎明期(においては)…群衆の心理的性質は、最高度に発見される。こ
れらの集団は、群衆としての、一般的な団結力を有し…(様々な行為をなしうる
が)…固定的なものは、何一つ見られない」。
「たがいに類似点のない個人の集まりが…一種族、すなわち、共通の性質や感情
を有する集合体を形づくり、性質や感情は、遺伝によって次第に固定されていく」。

 こうしたことを、ル・ボンは肯定的にとらえ、「とにかく理想さえあれば、形
づくられつつある種族に属するあらゆる個人に、完全に一致した感情や思想を与
えることができる」。しかしながら、その理想は光を失い、最終的には「種族と
しての集団的な利己心は、極端に発達した個人的な利己心にとってかわられ…遂
には団結力のない個人の寄り合いと化してしまう」。
「旧来の理想を…失うと…種族は、その精神をも失ってしまう」。
 なるほど、ル・ボンは懐古的な人間であったようだ。
 
 本書は、ル・ボンの「種族」(この用語の定義が最後までない。時に「民族」
が使用されているが、内容からして、ル・ボンが厳密に定義してはいないのだろ
う)に対する肯定的評価が露われである。
 ただ、俗流の進化論(「遺伝」や、時代をこえた思想などの使用にル・ボン独
自の解釈が見られる)を疑問なく敷衍したような論考もある。

 個人が個人たりうるとはル・ボンの中にはなかった様だ。これが本書の限界だ
ろう。しかし、時代を経てからル・ボンを評価することは、ル・ボンの持った「先
進性」を否定することにもなる。

 しかし、ナチスの登場以前に(1895年)本書は上梓された。その見識と、
見通す力には感服せざるを得ない。現代にル・ボンの説を適用することはできな
いが、本書の輝きはそれで損なわれることはない。
14人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2024年3月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今の世の中の動向が群集心理であることが理解できると思わずに居られない。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2024年2月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
自分が群衆心理に陥らないための教材として役に立ちました。
群衆は詩的正義を誇るので。
自分もそうならないように警戒しつつ。
群衆のネタバレになって痛快です。
これは諸説ありますが。
今の民主制を群衆は揺らがそうとするかもしれません。
民主制では群衆心理に対策がされて、各国で凄惨な悲劇が生まれています。
あのような群衆とその指導者とは別の。
群衆心理以外の自分を持って、群衆に吸収されないように。
このような社会心理学の古典を精読することにします。
個人的には教育批判と、民主制の中で体験とは異なった現実など。
穏健な分析も入っていて、こちらが特に気に入りました。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2022年12月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
わかりやすいと思います。職場のことも、この側面で捉えると違ったかもと思いました。社会に出たばかりの方にも勧めたい。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2023年12月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
内容は気になるのですが非常に文体が読みづらい。
別訳があればみてみたいですね。
とはいえ、群集心理のちゃんとした日本訳は本著しかないようです。

内容に関しては非常に面白いです。
群集になるとどんな偉い人でも正常な思考はできなくなるということを頭に刻んで生きていこうと思います。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2023年9月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
現在に通用します。あ!っと思いました
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2023年6月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
過去から学びたいかたは、本当におすすめです
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2023年3月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
100年以上前に書かれた本ですが、今でも通用する内容だと思います。人間の本質は変わらないのだなと確信しました。
12人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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