万事にバランスの取れた、良い演奏である…これと似た演奏というのは、私が持っている十数枚の《復活》にも見当たらない…敢えて言うならば、もしラインスドルフが、ボストンでこの曲を演奏していたら、こういう感じかなと。
まあー…という事は、如何に《復活》が指揮者の思惑で好きなように解釈され、演奏されてきたかという事でしょう。
それが、この曲の人気の秘密であり、この曲が普遍性を持った器の大きな曲である事の証明である…《メサイア》《第九》と並び称されるべき名曲であると、この演奏を聴いて、改めて実感しました。
最近の録音の中では珍しく、自然な広がりのある耳に優しい《復活》である…ピアニッシモも強奏でも極端過ぎることが無いので、一般家庭の普通のステレオシステムで十分に鑑賞できるのは魅力的。オーディオ的なマーラーは疲れるという、クラシック音楽好きにオススメします。