お届け先を選択
Kindleアプリのロゴ画像

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません

ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。

携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。

KindleアプリをダウンロードするためのQRコード

力の追求(上):ヨーロッパ史1815-1914 (シリーズ近現代ヨーロッパ200年史 全4巻) 単行本 – 2018/5/26

4.6 5つ星のうち4.6 7個の評価

時代の香りを伝える細部を活写

 本書の特徴として、第一に、ヨーロッパ中心史観に陥ることなく、世界規模での歴史の展開に目配りしており、ヨーロッパ史を「グローバル・ヒストリー」のなかで論じることに成功している。第二に、政治史中心の時系列的な叙述と、社会史、経済史、文化史の構造的な叙述がバランスよく並立されており、抑揚に富む近代史の経緯を多面的に理解できる。第三に、無名の人物を多数取り上げることで、19世紀の実像を多様な次元で提示しようとしている。女性や労働者層に関する叙述も充実し、20世紀に巨大なうねりとなるかれらの思想や運動が、19世紀にいかに生み出され、成長していったのかが明解に語られる。「下からの社会史」の歴史家エヴァンズの本領発揮であり、民衆やマイノリティに光を当てた分析は精彩に富む。
 わが国では、19世紀ヨーロッパ史の本格的な紹介はしばらく途絶えていた。欧米では、近代の歴史的意味を問い直す研究は確実に厚みを増しており、その最先端を日本の読者に伝えたい。第2回・第3回配本。カラー口絵・地図多数収録。
続きを読む もっと少なく読む

商品の説明

著者について

ケンブリッジ大学で近代史欽定講座担任教授を務めた高名なドイツ近現代史家。2012 年にはその学術的功績のゆえにナイトに叙された。編著の抄訳『ヴィルヘルム時代のドイツ――「下から」の社会史』(望田幸男・若原憲和訳、晃洋書房、1988 年)と、D・ブラックボーン及びG・イリーの論文を合わせて共著という形を取った『イギリス社会史派のドイツ史論』(望田幸男・川越修・工藤章男・小林聡人訳、晃洋書房、1992年)、それに単著の『歴史学の擁護――ポストモダニズムとの対話』(今関恒夫・林以知郎監訳、佐々木龍馬・與田純訳、晃洋書房、1999年)の邦訳書がある。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 白水社 (2018/5/26)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2018/5/26
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 422ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4560096309
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4560096307
  • 寸法 ‏ : ‎ 15.8 x 3.4 x 21.7 cm
  • カスタマーレビュー:
    4.6 5つ星のうち4.6 7個の評価

カスタマーレビュー

星5つ中4.6つ
5つのうち4.6つ
7グローバルレーティング

この商品をレビュー

他のお客様にも意見を伝えましょう

上位レビュー、対象国: 日本

2018年7月31日に日本でレビュー済み
 こういう本を読みたかった。読みながら、そのことを強く実感する。上巻を読み終え、下巻への期待が大きくふくらむ場所にいる。歴史の通史ではもう何十年も前に、中央公論社の「日本の歴史」「世界の歴史」シリーズがブームであり、通読した。その後、世界と日本を組み合わせた文藝春秋の「大世界史」シリーズを安く買い求めたものの、いつのまにか処分してしまった。現在、重宝しているのは講談社の『クロニック世界全史』という厚い大きな一冊本だが、これは通史ではなく、事典のようにあつかう図版の多い本である。
 本書のようなものを読みたかったのは、たとえば外国人が日本の歴史を書いたとしたら、どこか物足りないものになるだろうと考えたからだ。私がかつて読んだ「世界の歴史」も「大世界史」も日本の歴史家が分担して書いたものであり、今読めば不満に思うところがあるかもしれない。
 ドイツの歴史が専門のイギリス人である著者にとって、ヨーロッパ全体はお手のものの範囲といった感じがする。
 
 本書は注もなく読みやすい体裁であり、歴史の専門書ではないと思う。だが、内容は濃く詳しい。
 分量的にいっても、たとえば『クロニック世界全史』の200ページ強の時代範囲であり、しかも『クロニック』では半分以上がヨーロッパの外の世界だ。

 本書が素晴らしいと思うのは、歴史についての基本的な著者の姿勢が読みとれるところだ。第2章が農奴のライフ・ストーリーから始まるのは、19世紀において人口の半分以上が農村にいたからであり、また8人のライフ・ストーリーのうち意図的に半分は女性にしたのも、同じ理屈からである。
 たとえ歴史の政治的・戦史的な世界に女性および庶民がほとんど登場しないとしても、著者のそうした姿勢と意図は十分理解できるところである。
 ロシアもヨーロッパのうちだが、考えてみると私が翻訳で最も多く読んだのは19世紀のヨーロッパの文学かもしれない。本書には自家薬籠中の物といった感じで、効果的にそうした作家たちの名が登場する。
16人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2020年5月31日に日本でレビュー済み
種々のカール・マルクスの伝記を読んでも隔靴掻痒の感がある。時代と社会の背景がよくわからないという理由で。たとえば、盗伐問題とは具体的に何なのか。農民や市民とはだれなのか。都市と農村は、どんな状況だったのか。ヨーロッパの政治状況はどのように進展したのか。その他の不分明な事柄が、よくわかる。そのうえ、実に面白い。訳文も、原著の楽し気な文章の雰囲気をよく伝えている。是非とも、原著も読んでください。生きるのが楽しくなる。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2023年11月18日に日本でレビュー済み
日本語訳が下手で読みにくい
同じページ内で条約名に表記揺れがあった