日本をゆっくり走ってみたよ　～あの娘のために日本一周～

スカイツリーの麓から大荷物を乗せたバイクで走り出した男、吉本浩二（濱田岳）32歳、職業マンガ家。日本一周を始めたばかりの吉本はろくにテントも張れず、広げた日本地図に不安になるばかり。それでも三重まで進み、大学時代の先輩夫婦、佐田（山中崇）と美幸（雛形あきこ）を訪ねた吉本は、マイホームを持ち立派な「お父さんお母さん」となった2人を目の当たりに。泊まっていけばという佐田の誘いを断り、まだ慣れないテントで恵理（本仮屋ユイカ）の写真を見つめる。宇都宮の餃子像の横に佇む恵理。富士山で出会ったおしゃべりなキャンパー（飯尾和樹）にも佐田にも「なんで日本一周？」と聞かれた吉本は、宇都宮で恵理にこう宣言していたのだ。「ぼく、強くなりたくて・・・」翌朝、日差しの中、伊勢志摩の海から吉本のバイクが走りだす！Copyright 2017 Televider Entertainment Inc.

三重県鳥羽市。バイクトラブルに見舞われた吉本だが、助けを求めたスタンドの店員（渡辺哲）は全く力になってくれず、雨にも降られ、踏んだり蹴ったり。やっと現れた修理屋にバイクを直してもらって親切な言葉に回復、と思いきやミもフタもない代金請求に現実を噛みしめる。どうにか四国へ向けてフェリーに乗り込んだ吉本を次に待っていたのは、同じ客室に泊まる冴えない男、戸塚（松尾諭）の大きすぎる独り言。最初こそ適当に相手をしていた吉本だが、一晩中話すうちに恵理や日本一周に対する素直な気持ちを語れるようになり、戸塚と妙な絆が生まれる。翌日フェリーを降り、いざ出発！・・・の数秒後、転倒、からの負傷。おまけに見つめるだけのはずだった恵理の電話番号に発信してしまい、慌てふためく吉本。果たして折り返しは・・・？Copyright 2017 Televider Entertainment Inc.

愛媛県今治市。足を怪我してしまった吉本はテントまで助けに来てくれた戸塚と別れるが、痛みはむしろ悪化、恵理から電話の折り返しもない。たまたま通りかかった公園で青空将棋に興じるダメな感じのおじさん、石島（マキタスポーツ）が元整体師だったのは唯一不幸中の幸いか。そして到着した高知駅で、大学の同級生、野瀬（臼田あさ美）と再会する。吉本の日本一周は元カノに会うためじゃないかと勘ぐる野瀬だが、吉本は新しい思い人がいるのだと言う。その女性から電話の折り返しがない件について、野瀬にバッサリ斬り捨てられる吉本。それでも旅を続け、辿り着いた鈍川温泉。茹でタマゴのみで空腹をしのがなければならない状況に追い込まれていると、遂に吉本の電話が鳴った！！相手はまさか・・・元カノ！？Copyright 2017 Televider Entertainment Inc.

徳島大鳴門橋。バイクを走らせながら吉本は旅の始まりを思っていた。吉本の原動力は、大好きな恵理（本仮屋ユイカ）。ツーリングの途中を口実に吉本は宇都宮に住む恵理と会い、2人の時間を過ごしたが、どうしても告白に踏み切れなかった。ならば恵理の誕生日までに日本一周した強い男になって戻ってきた暁に・・・！しかし恵理の気持ちは・・・。そんな中大阪に到着した吉本は、10年前に別れた元カノ、元子（黒川芽以）と再会。結婚して団地住まいをする元子は、吉本のマンガを持っていて、日本一周のことも気にかけていた。吉本はそんな元子とポツポツ話をするうちに、恵理の気持ちが望めないならとリタイアを考えた日本一周を、自分のために続けると決意する。携帯の中の恵理を消去して走り出した吉本。と、そこに着信が・・・Copyright 2017 Televider Entertainment Inc.

うさんくさいキャンプ場に泊まることになった吉本だが、恵理との電話ではそれも楽しい話の種に。恵理との会話は想像以上に弾み、星空の下、五右衛門風呂で幸せな気持ちに浸る。翌日、やはりうさんくさいキャンプ場の主人（野添義弘）に絡まれるバイカーの女性（山崎紘菜）を助けて微笑みかけられた吉本は、良い気分でバイクを走らせ、神戸に到着。東京で吉本のアシスタントをしていた梅原（入江甚儀）と再会する。梅原との会話もこれまた弾み、2人は夜明けに風俗に行く計画を立てる。英気を養おうと泊まりに向かった梅原の家はまさかの豪華タワーマンション。それでも梅原は吉本のマンガの才能と恵理の存在を素直に羨む。そして迎えた朝、吉本の前にいるのは可愛い女の子・・・ではなく、神妙な面持ちをした梅原の両親だった・・・Copyright 2017 Televider Entertainment Inc.

梅原家。梅原父（笑福亭鶴光）は自分の病気のために梅原を神戸に戻らせたことを気にして、吉本に礼と謝罪をする。喋り方にクセのある梅原母（清水よし子）が差し出した品がバスローブという点にはやや疑問が残りつつ、息子を一人前にしようと考える親のありがたみを感じた梅原と吉本。梅原に決意と期待の言葉で見送られた吉本は、姫路城を通り過ぎ、「二十四の瞳」ファンとして憧れの地、小豆島へ。ベテランライダー風の永井（田中要次）と出会った吉本は誘われるまま一緒に島を走るが、やたらせっかちな永井のおかげでほとんどトンボ返りするハメに。はっきり断れない己の情けなさに落ち込む吉本は、現れた「18禁」の看板に吸い寄せられ・・・その後恵理から落ち込んだ様子のメールが届いていたことに気づく。恵理が語ったその訳とは・・・Copyright 2017 Televider Entertainment Inc.

恵理と長電話をした吉本は、ご機嫌でホテル泊を満喫。たまらず電話した戸塚に恵理との関係は脈ありと指摘され、その根拠を一晩中問い詰めるほど興奮は冷めない。そのまま広島の海を通り、山口を抜けて関門トンネルから九州へ上陸。熊本のファミレスで女の話で揉めるヤンキー3人組を観察しつつ、宮崎までやってきた吉本。テントではお菓子を食べながら趣味の推理小説に夢中になり、しっかり観光も楽しむ。そこに恵理から電話が入り雑談を楽しんでいると、恵理の元彼の話が出てくる。恵理が強い男が好きと言った、その言葉で旅に出たはずの吉本は、東京の汚い部屋と変わらぬ様相を呈しているテントを見渡し、たるみを反省。強くなる決意を新たに沖縄に渡り、沖縄県民だけど海が苦手というバーテン（肥後克広）の店で1人グラスを傾けるのだった・・・Copyright 2017 Televider Entertainment Inc.

鹿児島、指宿温泉。砂風呂を堪能し、再び本州に戻った吉本は、鳥取砂丘、京都と順調に走りすぎていく。と、実家から電話が入る。マイペースな母（室井滋）の発言は要領を得ずに切れるが、すぐさま2回目の着信があり、家に寄れと言われる。曰く、家族の危機なのだと・・・。そして吉本が富山の実家に帰ると、父（平田満）のまさかの浮気（しかも出会い系）が判明。動揺した吉本は中学の同級生、太田（駒木根隆介）に相談するが、太田の興味は自分たちのほうにある。結婚願望は強くても彼女すらいない2人はお互いの問題をあげつらうが、完全にどんぐりの背比べだ。家に戻り、気まずすぎる両親との食卓とソファで寝る父を目の当たりにした吉本は、恵理からのメールに励まされつつ、滅多に連絡を取らない兄（川口覚）に電話をかける・・・Copyright 2017 Televider Entertainment Inc.

吉本家。吉本は朝っぱらから母に彼女がいるか聞かれ、ゲイ疑惑まで持たれる始末。浮気を相当根に持っている様子の母を見て父に謝罪を勧めるが、父は「恋をしたかっただけ」とはぐらかす。退屈さを愚痴るだけで何もしない父と話すほどに血のつながりを感じてしまう哀しき息子。「お前も恋しろよ」という父の言葉に、吉本は恵理のことを考える。数年前、居酒屋で1人飲む吉本と居合わせた梅原が一緒に飲んでいたのが恵理だった。そのとき、若者のノリについていけない吉本を恵理は笑顔で受け入れたのだ・・・。吉本はいつものように恵理に電話で現状報告をしながら、気分転換を口実に自分のいる北陸への旅行を勧める。そんな中、実家に兄夫婦とその息子がやってくる。6人での食事を終わらせた後、父、兄、吉本の話題はやはり浮気問題になり・・・Copyright 2017 Televider Entertainment Inc.

いまだ吉本家。そろそろ出発せねばならないものの変わらない父を心配する吉本だが、日本一周は好きな人のためと察している父は送り出そうとし、母もまた新潟発小樽行きフェリーチケットを吉本に渡す。旅立ちのとき、父は吉本の前で母に誠意を見せようとするが、イマイチな結果に。それでも揃って見送る父母を背に再び走り出した吉本は、ザ・ライダーな格好をした太田と合流。新潟まで吉本を送るつもりの太田だが、ペーパードライバー丸出しで、どうにか雨晴海岸までたどり着く。相変わらず女性についてしょっぱい会話をするが、独身の男同士の絆が生まれている吉本と太田。その後、バイク乗りのおじさん（宇梶剛士）に話しかけられ、吉本はなぜか太田ではなく、おじさんと観光することに。そしてフェリーに乗り込もうとする吉本に写真が届く・・・Copyright 2017 Televider Entertainment Inc.

新潟フェリー乗り場。恵理が金沢に「来ちゃいました」と連絡してきたことに動揺し、フェリーには乗っていない吉本。戸塚にアドバイスを求めて電話すると早く会いに行けと促されるが、グズグズ言ってばかりで切られてしまう。吉本は金沢へとバイクを走らせながらネガティブな憶測をこれでもかと繰り広げ、到着しても更にグズグズ。ひたすら会うか会うまいか逡巡し、どっちつかずのメールを送信する始末。一方、恵理は喫茶店で金沢に住む友達の昌江（山田真歩）に元彼や吉本について話していた。なんとかそこにやってきた吉本は遠くから恵理を見つけるものの・・・。数日後、北海道に着いた吉本を待っていたのは、寂れきった不穏なキャンプ場とそこにたむろする怪しい人々だった・・・Copyright 2017 Televider Entertainment Inc.

北海道キャンプ場。吉本はそこで出会ったマンガ家志望の小林（忍成修吾）から、キャンプ場で大学生の村田（阿部進之介）やスタッフのセク山（森下能幸）が女の子をナンパして幅をきかせていると教えられる。夜、吉本は恵理と電話するも会いに行ったことを口に出せない。と、女性の悲鳴が！様子を見に行くと一人旅をしている加奈（山崎紘菜）のテントが強風に煽られており、助ける吉本。すると兵庫のキャンプ場でも加奈を助けていたことが分かる。翌日、キャンプ場を出る道が通行不可となり、吉本と加奈、ついでに小林は行動を共にすることに。初めて恵理の着信を無視する吉本。そんな中、加奈の下着が盗まれたと判明し、吉本と小林は解決に乗り出す。犯人は鍵がかかっていた加奈のテントからどうやって下着を盗んだのか・・・吉本の推理が冴え渡る！？Copyright 2017 Televider Entertainment Inc.

北海道。キャンプ場での下着泥棒事件は、セク山の下着コレクションの趣味が発覚したことでなんとなく収束する。小林に見送られ、再び1人で走り出した吉本。と思いきや、近くで加奈が吉本を待っていた！仲良く並んで走り出した吉本と加奈は、ちょっといい雰囲気。加奈もまた失恋がきっかけで自分を変えて強くなろうと旅に出ていたのだ。これまで1人でマンガを描き続けた吉本を「強い」と賞賛する加奈。そんな中、恵理から届いたメールには「本当はあのとき会いたかったです」の一文が・・・愕然としつつも、加奈と宗谷岬を目指す吉本。そして遂に辿り着いた「日本最北端の地」の石碑に感極まる吉本は、加奈と写真を撮り、海鮮丼を頬張る。ご飯を食べるのも1人より、2人の方が・・・そして吉本は再び本州へ！Copyright 2017 Televider Entertainment Inc.

福島。吉本は畜産農家で1人働く先輩、山家（要潤）と酒盛りしながら恵理のことを話す。なぜ金沢で恵理に会わなかったのか尋ねる山家に、吉本は日本一周するまでは会ってはいけないと話すが、山家はその理屈を一蹴、吉本は自分のことしか考えていないと指摘する。そこで初めて日本一周の約束もルールも全て自分都合であったと気づく吉本。意を決して恵理に電話をするが、恵理は出ないまま・・・。翌朝、吉本は山家と別れ、宇都宮に向けひた走る。道中で送ったメールにもしばらく返事がなく悶絶するが、遂に恵理から誕生日の翌日に会おうという連絡が来る。吉本は無事恵理に告白できるのか、そもそも強い男にはなれたのか・・・運命の日が訪れる！Copyright 2017 Televider Entertainment Inc.