1987年の本であるが、1980年に刊行された「ロビイストの内幕」を加筆・増補したものである。著者は元・カリフォルニア州政府極東地区通商局次長。
曰く・・・
ロビイストは、クライアントの代理人として、クライアントの利益を追求・獲得すべく、あらゆる「手段」を行使し、クライアントの目的を実現させるため「ひそかに工作する者」である。工作人、仕掛人、フィクサーなどと俗称で呼ばれる場合もある。
証券取引委員会は五人制であり、大統領から政治任命される。超党派的な独立行政機関だが、司法的機能も持ち合わせる。
広報活動は、パブリック・リレーションズ(PR:不特定多数の大衆向け)、コミュニティ・リレーションズ(CR:特定地域社会向け)、ガバメント・リレーションズ(GR:政府・議会向け)の3種。企業間の競争も、GRの結果によって、政府を最初に味方にした企業が生き残る。GRに携わる者は、社内においてはそのほとんどが「秘密」とされ、社長以下、重役以外には知るよしもないのが実情。
高額の政治献金を目標の政治家に無事に受け取らす方法は、分割式が圧倒的に多い。
アメリカ人はパーティ好き。どのような些細な事柄でも、それがパーティを催す立派な理由になる。一般市民レベルにおいても、パーティは重要な社交場である。
議員の後援会といえるほどのものもない。あるとしてもファン・クラブ的なものでしかない。したがって、選挙戦の中心はあくまでも個人を主体とした一般有権者に対し、いかに効果的なアピールをするかということになる。
1960年代以降、日本の経済力が強大となり、これは結果的に日系人の社会的地位向上に役立っているらしい。しかし、他国と比べると、日本は日系人に冷たい。日系三世以降はますます日本と無関係な世代となっていくだろう。
宗教問題は、どの政治家も一度は真正面から取り組まねばならない政治課題である。ニクソンの場合、ニクソンの持たざる宗教心をいかに国民に演出するかが重要問題だった。日本人の宗教心のごとく、あるようなないような、しごくあいまいな姿勢を保ちながら、宗教戦争に巻き込まれないように宗教問題を処理する必要があった。
政治家にとって、有権者を大量動員できる政治力をもった宗教家はありがたい存在。
日本政府をはじめとする日本側関係者の対米政策にアメリカ宗教界に対するアプローチの実績がないのは心配。
有能なロビイストは、日本人が常に左右される「肩書」などまるで意に介さない。日本側担当者の人間的素質が問われる。国際政治問題から芸術的分野にいたるまで、深い知識とその「表現力」がカギとなる。
みたいな話。
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ロビイング: アメリカ式交渉街 (現代教養文庫 1200) ペーパーバック – 1987/7/1
高橋 正武
(著)
- 本の長さ230ページ
- 言語日本語
- 出版社社会思想社
- 発売日1987/7/1
- ISBN-104390112007
- ISBN-13978-4390112000
登録情報
- 出版社 : 社会思想社 (1987/7/1)
- 発売日 : 1987/7/1
- 言語 : 日本語
- ペーパーバック : 230ページ
- ISBN-10 : 4390112007
- ISBN-13 : 978-4390112000
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,375,804位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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