私は、そして多くの本書読者は、表にしても裏にしても芸能界の住人でも識者でもない。
他方で、なべおさみを畏敬し、彼の息子の兄弟子でもあり、そして、なべおさみに先立ち芸能界の怪物達に取材し傑作を著して来た水道橋博士は本書を絶賛している。
この一点において、私は、本書の内容の真偽や著者の考え方の正否を問うことに意味はないと断じたい。ブルースリーの名言「考えるな、感じろ」である。かつて、昭和という時代のコンプライアンスもネット炎上もなく、誰もがスターを望み応援していた時代、そのスターたちの列伝を、ありきたりの表の話ではなく、にわかには信じ難い裏の話から語った本書について、私達の常識や知っていることなど路傍の石ほどの意味もないのだから。
私達はともすれば、現在あるいはwikipediaに書かれたことで過去の人を評価しがちである。
しかし、たとえば、清川虹子という女優についていえば、彼女は、高倉健と江利チエミの世紀の婚礼を仕切り、森繁久彌の大邸宅(本書にもそのくだりあり)に邸宅を構えるといった知られざる列伝が、死後になって、高田文夫や萩本欽一あるいは小林信彦から公にされている。
芸能界には語られていない多くの事実があるということなのだろう。
敢えて言えば、前作でもそうだが、著者の文体は妙に思想がかっており、あるいは文学以前の問題として悪文に近いと思う。そのことが、本書の真偽にも影を落としていることも否めない。ホラをペシャるという感じがつねにするのだ。
しかし、それでもいいではないかと思う。かつて「スター千一夜」というトークショーが人気を博した時代、「センミツ(千に三つしか本当の話をしない)の芸能界だから、センイチで十分なのさ」と嘯いたスター達がいたという。本書を通じ、なべおさみは、千一夜では語られず記録にも残されていない、センフタを語っているのだと思いたい。
そう思って読むことで、本書のアンバランスは深みに転じて、読者をよりディープな世界に誘うのだろうと。
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昭和の怪物 裏も表も芸能界 単行本 – 2015/12/18
なべ おさみ
(著)
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かつて昭和後期、渡辺プロ全盛時代とともに芸能界に幅広い人脈を持ち、一方で青年期に裏社会にも通じ、アングラ世界の顔役ともなった著者が、自らが知遇を得た昭和の大スターやアウトローたちの知られざる素顔を描く。
ケとハレの一分 非日常を生きる人たち
明大の先輩 高倉健さんの非日常と男たち
裕次郎とひばりさん カタギじゃない矜持
カタギ面する愚かな芸人たち
カタギじゃないけど偉かった人たち
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カタギじゃないけど偉かった人たち
- 本の長さ370ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2015/12/18
- 寸法13.8 x 2.9 x 19.4 cm
- ISBN-104062198231
- ISBN-13978-4062198233
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商品の説明
著者について
なべ おさみ
1939年、東京生まれ。本名は渡辺修三。1958年、明治大学演劇科入学後、ラジオ台本などの執筆活動に入る。その後、水原弘とともに渡辺プロダクションに入り、水原や勝新太郎、ハナ肇の付人となる。62年明治大学卒。64年、『シャボン玉ホリデー』(日本テレビ系列)でデビュー。「安田ぁー!」の決めセリフのコントが人気を博した。68年、山田洋次監督の『吹けば飛ぶよな男だが』で映画主演も果たす。74年に渡辺プロを退社し、森繁久彌の付人になる。78年から『ルックルックこんにちは』(日本テレビ系)内の人気コーナー「ドキュメント女ののど自慢」の司会も務めた。91年、明大裏口入学事件により、芸能活動を自粛。現在は、舞台や講演を中心に活動中。
1939年、東京生まれ。本名は渡辺修三。1958年、明治大学演劇科入学後、ラジオ台本などの執筆活動に入る。その後、水原弘とともに渡辺プロダクションに入り、水原や勝新太郎、ハナ肇の付人となる。62年明治大学卒。64年、『シャボン玉ホリデー』(日本テレビ系列)でデビュー。「安田ぁー!」の決めセリフのコントが人気を博した。68年、山田洋次監督の『吹けば飛ぶよな男だが』で映画主演も果たす。74年に渡辺プロを退社し、森繁久彌の付人になる。78年から『ルックルックこんにちは』(日本テレビ系)内の人気コーナー「ドキュメント女ののど自慢」の司会も務めた。91年、明大裏口入学事件により、芸能活動を自粛。現在は、舞台や講演を中心に活動中。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2015/12/18)
- 発売日 : 2015/12/18
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 370ページ
- ISBN-10 : 4062198231
- ISBN-13 : 978-4062198233
- 寸法 : 13.8 x 2.9 x 19.4 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 528,198位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 76,948位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年5月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
自慢話のオンパレードである。
「○○が・・・」とか書かず、だれの話しかわからないでエピソードが進んで行ったりするので、非常に読みづらい。
半分も読まずに読むのをやめた。
「○○が・・・」とか書かず、だれの話しかわからないでエピソードが進んで行ったりするので、非常に読みづらい。
半分も読まずに読むのをやめた。
2016年1月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
題材が興味深いのでなんとか読了しましたが、私の読解力不足なのでしょうか、行きつ戻りつすることが多々ありました。エピソードに重きをおき、登場人物を最後に明らかにするのはテクニックとしては理解できますが、主語が伏せてあるため、登場人物が複数になると混乱します。終章の「再び「ケ」と「ハレ」考ー日本人の真の起源をたどる道ーにはがっかりさせられました。まさか著者から日ユ同祖論を聞かされるとは思っておりませんでした。本来なら×1つですが、エピソードの豊富さを評価して×2にしました。
2016年6月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
今の時代ではシビアな問題が多そうですが、著者のなべおさみさんの懐の大きさを感じました。このシリーズをもっと続けて下さい。
2016年2月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
直接話法と状況説明のバランスが悪く、なぜそう言う会話になっているのか?理解するのに読解力を要する。わたくしの読解力の低さゆえかも知れませんが、申し訳ありません。
2016年1月8日に日本でレビュー済み
ハイジャックの話は、新鮮。
一番面白い、ノンフィクションかな。
一番面白い、ノンフィクションかな。
2019年10月13日に日本でレビュー済み
この人のキャラと言えばそれまでですが、早々に読み続けるのが苦痛になりました。
裏話とは言いつつ、結局はどのエピソードも芸能界・政財界・反社会勢力の有名人の名前を羅列し「俺はこんな大物や有名人と知り合いなんだ、すげえだろ?」という自慢話と武勇伝ばかり。
素人が小説やノンフィクションを気取って書いたような独りよがりな文章も分かりにくいだけで非常に読みづらいです。
いちおうユーモアや自虐エピソードを混じえ、謙虚で控えめに語っているというポーズはとってますが、尊敬されたい、顔役と呼ばれたい、そしてあわよくば自分も本書に登場する大物たちと肩を並べるようなスケールのでっかい『怪物』として見てもらいたい、そんな本心が透けて見えます。
例えば重病の知り合いを前に、自分のような無力な者には何もできない・・・と言ったあとに
『私の手助けも、リハビリテイションの病院に、小泉純一郎さんの助力で入れてあげられたぐらいしか出来ませんでした。』
などと、唐突に筋とは無関係の元総理の名前を出してくるとか、万事がこんな調子でうんざりします。
やたらと政治家やヤクザの名前を出して付き合い(それも実際はどの程度なのかは謎)を誇示して偉ぶってみせる人間性というのは不快を通り越し痛々しすぎて読むに耐えません。
ハイジャック事件に遭遇した時の話(爆弾の仕掛けられた機内から乗客全員を脱出させるなど、作者の英雄的行為の数々)は何十年も公にしなかったそうですが、実際にこんな映画みたいな大活躍をされていたのなら、当時の乗客や乗員から自然と出てくるのではないでしょうか?
しかも公開しなかった理由が、「脱出時に搭乗口のドアを開けたのは航空法違反だ。訴えられたくなければ今後事件の話は一切するな」と日本航空に脅迫されたからだそうですが…
ちょっと何言ってるかわかんないです。
もし事実だとしても、こんな凄い体験談を武勇伝語りが大好きな作者が黙っているなんて絶対不可能だと思いますが。
そして最終章でいきなり日本・ユダヤ同祖論というオカルトを力説し始めたのにはあきれました。
最後に何か学(?)のあるところを披露したかったのでしょうが、残念ながら何の話をしてるのかよくわかりませんし、なぜそれをここで書くのか意味不明です。
要するに、あれもこれもと欲張りすぎなんです。
結局は自己満足のトンデモ本だったと理解しました。
裏話とは言いつつ、結局はどのエピソードも芸能界・政財界・反社会勢力の有名人の名前を羅列し「俺はこんな大物や有名人と知り合いなんだ、すげえだろ?」という自慢話と武勇伝ばかり。
素人が小説やノンフィクションを気取って書いたような独りよがりな文章も分かりにくいだけで非常に読みづらいです。
いちおうユーモアや自虐エピソードを混じえ、謙虚で控えめに語っているというポーズはとってますが、尊敬されたい、顔役と呼ばれたい、そしてあわよくば自分も本書に登場する大物たちと肩を並べるようなスケールのでっかい『怪物』として見てもらいたい、そんな本心が透けて見えます。
例えば重病の知り合いを前に、自分のような無力な者には何もできない・・・と言ったあとに
『私の手助けも、リハビリテイションの病院に、小泉純一郎さんの助力で入れてあげられたぐらいしか出来ませんでした。』
などと、唐突に筋とは無関係の元総理の名前を出してくるとか、万事がこんな調子でうんざりします。
やたらと政治家やヤクザの名前を出して付き合い(それも実際はどの程度なのかは謎)を誇示して偉ぶってみせる人間性というのは不快を通り越し痛々しすぎて読むに耐えません。
ハイジャック事件に遭遇した時の話(爆弾の仕掛けられた機内から乗客全員を脱出させるなど、作者の英雄的行為の数々)は何十年も公にしなかったそうですが、実際にこんな映画みたいな大活躍をされていたのなら、当時の乗客や乗員から自然と出てくるのではないでしょうか?
しかも公開しなかった理由が、「脱出時に搭乗口のドアを開けたのは航空法違反だ。訴えられたくなければ今後事件の話は一切するな」と日本航空に脅迫されたからだそうですが…
ちょっと何言ってるかわかんないです。
もし事実だとしても、こんな凄い体験談を武勇伝語りが大好きな作者が黙っているなんて絶対不可能だと思いますが。
そして最終章でいきなり日本・ユダヤ同祖論というオカルトを力説し始めたのにはあきれました。
最後に何か学(?)のあるところを披露したかったのでしょうが、残念ながら何の話をしてるのかよくわかりませんし、なぜそれをここで書くのか意味不明です。
要するに、あれもこれもと欲張りすぎなんです。
結局は自己満足のトンデモ本だったと理解しました。