新品:
¥4,950 税込
ポイント: 297pt  (6%)
無料配送5月15日 水曜日にお届け
発送元: Amazon.co.jp
販売者: Amazon.co.jp
¥4,950 税込
ポイント: 297pt  (6%)  詳細はこちら
無料配送5月15日 水曜日にお届け
詳細を見る
または 最も早い配送 明日 5月14日にお届け(9 時間 57 分以内にご注文の場合)
詳細を見る
残り3点(入荷予定あり) 在庫状況について
¥4,950 () 選択したオプションを含めます。 最初の月の支払いと選択されたオプションが含まれています。 詳細
価格
小計
¥4,950
小計
初期支払いの内訳
レジで表示される配送料、配送日、注文合計 (税込)。
出荷元
Amazon.co.jp
出荷元
Amazon.co.jp
販売元
販売元
支払い方法
お客様情報を保護しています
お客様情報を保護しています
Amazonはお客様のセキュリティとプライバシーの保護に全力で取り組んでいます。Amazonの支払いセキュリティシステムは、送信中にお客様の情報を暗号化します。お客様のクレジットカード情報を出品者と共有することはありません。また、お客様の情報を他者に販売することはありません。 詳細はこちら
支払い方法
お客様情報を保護しています
Amazonはお客様のセキュリティとプライバシーの保護に全力で取り組んでいます。Amazonの支払いセキュリティシステムは、送信中にお客様の情報を暗号化します。お客様のクレジットカード情報を出品者と共有することはありません。また、お客様の情報を他者に販売することはありません。 詳細はこちら
¥4,087 税込
全体的に概ね良好な状態です。 中古の品ですので、細かいキズ・スレ、折れ・ヤケ、ふちヨレ、小汚れなどがある場合があります。いずれも中古の範囲内でありAmazonコンディションガイドラインに準ずる状態です。付属品はある場合にのみその旨を明記しております。説明に無いものは付属しないものとお考えください。写真にて状態確認をご希望の方はご連絡ください。アルコール除菌済。帯は基本的にはございませんが、写真にて確認できるものはございます。管理上表紙内にしまう場合がございます。迅速丁寧な対応を心掛けております。配送方法:日本郵政クリックポスト。また、配送期間につきましてAmazonが自動で左記の期間を表示しておりますが、通常発送日より4日以内に到着しております。コンディション記載と著しく違う際は返金・交換対応いたしますのでご連絡ください。 全体的に概ね良好な状態です。 中古の品ですので、細かいキズ・スレ、折れ・ヤケ、ふちヨレ、小汚れなどがある場合があります。いずれも中古の範囲内でありAmazonコンディションガイドラインに準ずる状態です。付属品はある場合にのみその旨を明記しております。説明に無いものは付属しないものとお考えください。写真にて状態確認をご希望の方はご連絡ください。アルコール除菌済。帯は基本的にはございませんが、写真にて確認できるものはございます。管理上表紙内にしまう場合がございます。迅速丁寧な対応を心掛けております。配送方法:日本郵政クリックポスト。また、配送期間につきましてAmazonが自動で左記の期間を表示しておりますが、通常発送日より4日以内に到着しております。コンディション記載と著しく違う際は返金・交換対応いたしますのでご連絡ください。 一部を表示
無料配送5月15日 水曜日にお届け
詳細を見る
または 最も早いお届け日時指定便 明日 14:00 - 16:00の間にお届け(1 時間 57 分以内にご注文の場合)
詳細を見る
残り1点 ご注文はお早めに 在庫状況について
¥4,950 () 選択したオプションを含めます。 最初の月の支払いと選択されたオプションが含まれています。 詳細
価格
小計
¥4,950
小計
初期支払いの内訳
レジで表示される配送料、配送日、注文合計 (税込)。
この商品は、湖畔のまちの古書店が販売し、Amazon.co.jp が発送します。
Kindleアプリのロゴ画像

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません

ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。

携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。

KindleアプリをダウンロードするためのQRコード

オスマン帝国の崩壊:中東における第一次世界大戦 単行本 – 2017/10/3

4.5 5つ星のうち4.5 6個の評価

{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥4,950","priceAmount":4950.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"4,950","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"gjt4go0y9RN5yAAbsyxIyHoB%2BeujGH%2FIC6eNmKNEh2RTZUcM5TRanyw5m0M6hKvsjXqRL6AaJiPOTM%2Fu9syrY0Y%2Bo6ZvzmognU8PVm2SOVAY4mudpzgCZECIgU2Lws9zm%2Fg7lcxrkyg%3D","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥4,087","priceAmount":4087.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"4,087","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"gjt4go0y9RN5yAAbsyxIyHoB%2BeujGH%2FIBO9tkZnffc8run0izU3Uk3yHILOwcA2UFKZ8xQuhzV51W3cXZU%2F0mbEugkVFdsT6nCSQ2Y5NjCgcKb1Imcn5l2pvwCBLjGQwEt9nETgocdfwk3kPz66Zq6VhuMCcEagFWkgapHevtwyxw89fguHN6a8V8PFbd%2BaQ","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}

購入オプションとあわせ買い

《斯界の権威による中東近現代史の必読書!
現代の混沌とした中東情勢の淵源をたどる》

中東混迷の遠因となった大戦と戦後処理の過程をトルコ側・アラブ側の体験とともに克明に描き上げた歴史大作。斯界の権威による、学識と読みやすさを兼ね備えた中東近現代史の必読書。

「中東における連合国の戦争努力の大半は、ジハードに対するいわれのない恐怖によって駆り立てられたものだった。植民地のムスリムが概してオスマン帝国のスルタン=カリフの呼びかけにすぐに反応しなかったのに対し、ヨーロッパの帝国主義大国は、トルコ軍の勝利、もしくは連合軍の後退は、インドや北アフリカの彼らの植民地で恐るべきイスラーム教徒の蜂起をかき立てるのではないかと想定しつづけた。(…)これは100年後の今日に至るまで続いていて、欧米諸国はムスリムが集団で狂信的な行動をとるのではないかという懸念を捨てきれていない。2001年9月11日以降のテロとの戦いが示しているように、欧米の政策策定者たちは、ジハードを1914年から18年にかけての戦争計画者と同じ思いで眺め続けている。」
本文より

久しく「ヨーロッパの病人」と呼ばれながら驚くほど長生きしたオスマン帝国――。19世紀末から第一次世界大戦を経て帝国終焉に至る過程について、これまでは戦勝国側の史料によってのみ語られることが多かった。しかし本書は、トルコ語とアラビア語で書かれた史料を駆使して背景を読み解き、「大戦」期における中東の動静をオスマン帝国側の視点から生々しく描き出していく。
ダーダネルス海峡をめぐるガリポリの戦いやメソポタミア戦線など、中東とその周辺における戦況について詳述する一方、本書はオスマン帝国の敗北と、連合国によるその後の領土分割についても多くのページを割いている。この戦後処理が、現在の中東のありように計り知れない影響を及ぼしているからだ。「フサイン=マクマホン書簡」や「サイクス=ピコ協定」「バルフォア宣言」といった一連の協定は一般に英国の二枚舌、三枚舌と片づけられるが、本書はあくまで戦時情勢の成り行き上の戦略として生まれたものと位置づけ、その成り行きを丁寧に説明する。
斯界の権威による、学識と読みやすさを兼ね備えた中東近現代史の必読書。

[原題]THE FALL OF THE OTTOMANS: the Great War in the Middle East
続きを読む もっと少なく読む

商品の説明

著者について

ユージン・ローガン Eugene Rogan
アラブ近現代史が専門の歴史家。オクスフォード大学セント・アントニーズ・カレッジ・フェロー。同校中東センターで教鞭を執る。子供時代をベイルートとカイロで過ごし、アメリカに戻ってコロンビア大学経済学部に在学中、中東史に関心を持ち、トルコ語とアラビア語を修得。卒業後、ハーヴァード大学で中東研究のM.A.(1984)、Ph.D.(1991)を取得。サラ・ローレンス・カレッジ、ケンブリッジ大学の講師などを経て現職。ケンブリッジ大学出版部の「現代中東シリーズ」の編集者も務める。邦訳書に『アラブ500年史(上下)』(白水社)があるほか、Frontiers of the State in the Late Ottoman Empire (1999)、Outside In: On the Margins of the Modern Middle East (2002)など著書多数。英国オクスフォード在住。

訳者:白須英子(しらす・ひでこ)
翻訳家。1958年、日本女子大学英文学科卒業。主な訳書に『オスマン帝国衰亡史』(中央公論社)、『エルサレムの20世紀』『イスラーム世界の二千年』『イラン人は神の国イランをどう考えているか』(以上、草思社)、『情熱のノマド』(共同通信社)、『皇女セルマの遺言(上下)』(清流出版)、『変わるイスラーム』『仮想戦争』(以上、藤原書店)、『アラブ500年史(上下)』『北緯10度線』『湿原のアラブ人』(以上、白水社)など、著書に『イスラーム世界の女性たち』(文春新書)がある。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 白水社 (2017/10/3)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2017/10/3
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 602ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4560095663
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4560095669
  • カスタマーレビュー:
    4.5 5つ星のうち4.5 6個の評価

カスタマーレビュー

星5つ中4.5つ
5つのうち4.5つ
6グローバルレーティング

この商品をレビュー

他のお客様にも意見を伝えましょう

上位レビュー、対象国: 日本

2017年11月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私が、このレビューを投稿する段階で、他の方のレビューは1点のみ。
そのレビューアーの方は原書と照らし合わせ誤訳の数々を指摘、本書の構成上の問題も含めて☆三つという辛い点数でありました。

私は一介の後期高齢者。たまたま第一次世界大戦において、なぜトルコがドイツと組んだのか。
そしてオスマン帝国は英国・フランスなどにより徹底的に解体されてしまった。それはなぜなのか。

以上の問題を知りたいと思ってアマゾンで色々渉猟しましたが、適当な本がなく、半ばあきらめていたところへ本書の出版を知り、出版前から申し込みました。5千円近い本書の価格は年金生活者には厳しかったが、十分報われたと思っています。

オスマン帝国は度重なる露土戦争に見られるとおり、常に東隣の大国ロシアからの侵略の危機にさらされていました。
英国やフランスに助けを求めようと思っても、ロシアと英仏は三国協商により同盟関係にあり頼めません。
そこで救いを求めたのでドイツでした。いわばドイツ以外に選択肢は残されてなかった訳です。

そのドイツも1914年、同盟国オーストリアの皇太子がセルビアの青年に射殺されたのを機にヨーロッパ大戦に突入。
しばらく戦況を見守っていたオスマン帝国もドイツ優勢と見て、ドイツ側について参戦いたします。
それから1918年10月30日に英国との休戦に至るまで約4年間、オスマントルコは中東の地において、英国・ロシアを敵に回して善戦健闘したと思います。この辺の戦況の一進一退は、まるで関ヶ原の合戦を見るように手に汗を握る攻防です。
本書の特徴は全体の戦況のみならず、戦闘に参加した兵士個人の記録にまで掘り下げて物語性を高めていることです。

戦争の舞台はエジプト、シナイ半島、パレスチナ、アラビア半島、メソポタミア、露土国境地帯と広がっており、トルコの奮戦ぶりは驚嘆に値します。
しかし、多勢に無勢、戦況に利あらず、敗戦の道を辿ります。
これを機会に英仏露は戦後のオスマン帝国の分割を画策します。
良く、英国の三枚舌外交といわれるように、(1)フセインーマクマホン書簡 (2)サイクス・ピコ協定 (3)バルフォア宣言なども本書では
まるでリアルタイムに見るように、書簡や協定の当事者が登場、生き生きと描かれております。
そして、この英仏の帝国主義的な分割が、今日のパレスチナ問題、イスラム国問題の遠因になっていると感じました。
俗に「アラビアのロレンス」と呼ばれて映画にもなったT.E.ロレンスもアラブの反乱に重要な役割を果たします。
そのほかにアルメニア人虐殺問題にも詳細に触れられております。
この部分だけでも本書を購入して良かったと思います。

結局、オスマン帝国は解体されますが最後の抵抗を試みたのがケマル・パシャで、彼がいなかったら、現代のトルコ共和国はもっとばらばらに解体されていたでしょう。

以上が私が本書から学び取ったことがらです。
これを機会にDVDで「アラビアのロレンス」をもう一度見てみたいし、第一次大戦関係の本をもっと読んでみたいと思うようになりました。
私は駅史研究とは縁もゆかりもない老読書人ですが、本書を読破して大いに知的好奇心が満足させられました。
45人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2017年11月22日に日本でレビュー済み
厚さが5cmある600ページの『オスマン帝国の崩壊――中東における第一次世界大戦』(ユージン・ローガン著、白須英子訳、白水社)は、私たちには縁遠いオスマン帝国について、いろいろなことを教えてくれました。

本書は、歴史家ユージン・ローガンによる、オスマン帝国側から考察した第一次世界大戦を巡る、力の籠もった著作です。

「1453年、スルタン・メフメト二世がビザンツ帝国の首都コンスタンチノープルを征服して以後、ローマ帝国にほぼ重なり合うほど広大な版図を広げてきたオスマン帝国は、第一次大戦での敗北によってヨーロッパ列強に領土を分け取りされて崩壊し、現在のトルコ共和国のあるアナトリアとイスタンブルを残すだけになった。今日、中東での諸事件を耳にするとき、よほどの中東通でない限り、レバノン、シリア、ヨルダン、パレスチナ、イラクが100年前までオスマン帝国という一つの国の治下にあったことを即座に思い浮かべる人は少ないのではないだろうか。ユダヤ教、キリスト教、イスラームの三大世界宗教の聖都エルサレムと、イスラームの総本山メッカがオスマン帝国の特別行政区だったことも」。

「代々メッカの太守を務めてきたハーシム家は、メディナに駐屯するトルコ軍が守ってきた。その軍司令官ファフリ・パシャは、ハーシム軍の首長フサインとその一族が第一次大戦中、スルタンを裏切って英国の口車に乗り、『アラブの反乱』の旗振りをしたことを遺憾に思い、休戦協定締結から10週間も武装解除を拒否し、最後に降伏したトルコ人将軍として名を残した」。

この「アラブの反乱」で大活躍したのが、「アラビアのロレンス」こと、T・E・ロレンスです。

「太守フサインが将来のアラブ王国にしたいと主張していた土地を、英・仏が自分たちだけで分けてしまった『サイクス・ピコ協定』を、帝国の極悪非道な裏切りと酷評する歴史家は多い。その筆頭であるパレスチナの歴史家ジョージ・アントニウスによれば、『サイクス・ピコ協定はけしからぬ文書である。この上ない強欲、つまり、疑惑を呼び、愚行につながる強欲の産物であるばかりでなく、驚くべき二枚舌の一例として異彩を放っている』という」。

「(英国の役人たちから意見を聞かれたロレンスは)アリーとファイサルに必要な金を与えて、ベドウィン兵を集めさせ、(オスマン帝国に対する)アラブの反乱はアラブ人にやらせ(『部族兵を5カ月間戦場に留め置くには、それ以外、奇跡を起こさせるものはなかったであろう』とロレンスは主張している)、英国は空軍による支援と技術的アドバイスにとどまるほうが賢明だと彼は進言した。英国軍司令官らは、アラブの反乱を戦うのはアラブ人に任せるべきだというロレンスの見解はまことに好都合で、したがって英国の関与を限定的なものにすることに同意した」。

「ハーシム家の王子(ファイサル)は、まずロレンスにアラブ服の着用を勧めた、そのほうがアラブ人戦士たちから『本当に自分たちのリーダーの一人』として扱ってもらえるし、彼のよれよれの英国軍将校の軍服が部族兵に『違和感をかき立てずに』露営地を歩き回れるというのだ。ファイサルはロレンスに、自分が叔母から結婚式の盛装用にもらった衣装を着せた」。

「こうしてハーシム家のアラビア半島での反乱と英国のパレスチナ侵攻の間に宿命的なつながりが生まれ、それが最後にはオスマン帝国を崩壊させることになるのである」。

オスマン帝国の恥部とされる、第一次世界大戦中に生じたアルメニア人虐殺問題についても、詳しく記されています。

第一次世界大戦は遠い過去の出来事のように感じられますが、現在にも大きな影響を及ぼしています。「第一次大戦が現代の中東のありように与えている影響は計り知れないほど大きい。オスマン帝国崩壊後、その領土はトルコに代わってヨーロッパ帝国主義の支配下に入れられた。400年間、オスマン人ムスリム支配下で多民族帝国としてまとまっていたアラブ人は、英国とフランスの支配下のいくつもの新しい国に組み入れられた。トルコ、イラン、サウジアラビアのように、それぞれの領域内で独立できた国もあるが、戦後処理の一環として、帝国主義大国に国境線と政治形態を押しつけられた国々もあった。・・・戦後処理の結果として引かれた国境線が、今日にまで至る驚くほど長期にわたる紛争のもとになっていることは明らかである。トルコ、イラン、イラク、シリアに分けられたクルド人は自分たちの文化的、政治的権利を求めて、過去100年にわたってそれぞれの居住国との紛争に巻き込まれた。1920年にフランスによってキリスト教国として創設されたレバノンは、やがてムスリム人口がキリスト教徒を上回るようになって、それを引き金に一連の内戦に発展した。ナショナリストたちの多くが自国の一部と思っている部分をレバノンにしてしまったことに納得できないシリアが、1976年、軍隊を派遣し、約30年にわたってこの国を占領しつづけた。イラクは、天然資源にも人材にも恵まれているにもかかわらず、第二次大戦中にクーデターと英国との紛争、1958年の革命、1980年から88年までのイランとの戦争をはじめ、1991年のサッダーム・フセインによるクウェート侵攻、2003年のアメリカの侵攻によるフセインの打倒に至るまで、この戦後領域内に平和と安定が続いたためしがない。だが、戦後の分割による遺産の最たるものであるアラブ・イスラエル紛争は、中東を戦争地帯と同義語にしてきた。イスラエルとその近隣のアラブ諸国との間で、48年、56年、67年、73年に4つの大きな戦争が起き、79年にはイスラエルとエジプト間に、94年にはイスラエルとヨルダン間に和平協定が結ばれたにもかかわらず、中東にたくさんの未解決の厄介な問題を残したまま、いまだに解決されていない。パレスチナ難民はレバノン、シリア、ヨルダンに離散したままだし、イスラエルはシリアのゴラン高原や、レバノン南部のシェバア農場を占領しつづけている。イスラエルはまた、ガザのパレスチナ人地域と西岸地区の支配をやめようとしない。イスラエルと近隣アラブ諸国との行為には双方に責任はあるものの、紛争のルーツは基本的に矛盾した『バルフォア宣言』にまでさかのぼる」。

現在の中東を理解するのに恰好な一冊です。
8人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2017年10月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は The Fall of the Ottomans: The Great War in the Middle East, 1914-1920 の翻訳です。
英語圏ではベストセラーになっていて、米アマゾンでもレビュー数が三桁もあります。

・内容について
原書は平易な英文で、要所要所に当事者の回想が交えられていてとても面白味のあるものになっています。
冒頭の開戦経緯については、オスマン帝国が単なるドイツびいきでなかったことが示されていますし、著者のもっとも得意とするアラブ史についてはやや詳しく書かれています。
アルメニア人虐殺関連は、日本語で流通するものとしては、穏当な記述になっていると思います。
(キリスト教圏で不用意にトルコ寄りの見解を述べると反人権主義者扱いされるのでそこは心得ています。)

ただ、ページの多くを占める作戦史については、まえがきに反してイギリス公刊戦史を中心とした古典的な叙述スタイルを踏襲しているのは否めません。
ときどき挿入されるトルコ人やアラブ人の回想録で視点を広めようとしていますが、トルコ公刊戦史はまったく参照されていませんし(わたしも数冊持っているぐらいなので入手不可能ではありません)、トルコ参謀本部の見解を大いに伝えるEdward Ericksonの著作も実際には限定的にしか参照されていません。

この傾向はガリポリ上陸作戦初日の記述ではっきりとわかります。
本書の記述は、半世紀前のアラン・ムーアヘッドの
ガリポリ―第一次大戦における最大の勇気と最大の愚行 と何ら変わりないのです。
英語圏でさえ、トルコ公刊戦史ガリポリ編(簡易英語版)やEricksonなどの著作により、ガリポリ半島の部隊を指揮した第3軍団長エサト・パシャの存在や、ケマルよりも早い時間にアルブルヌに出発した(第9師団の)第27連隊の勇戦を知ることができます。
英語圏の古典的な叙述スタイルでは、これらはまったく無視されるのです!

・翻訳について
原書はその“語り”の上手さゆえにベストセラーになったのだと思いますが、翻訳ではそこまで味を感じませんでした。
それとローガン氏自身のお断りはあるのですが、実際「トルコ」「オスマン」「オスマン・トルコ」があいまいに使用されているのを見ると、オスマン史をかじったことのある人は眉間にしわを寄せるでしょう。

軍事用語の多くは、残念ですが、当を得ていないように感じられました。
歩兵(Infantry)や騎兵(Cavalry)などをいちいち「歩兵隊」や「騎兵隊」と、“隊”をつけて訳されているのは最後まで違和感がありました。
ほかにも、旅団Brigadeが「大隊」(125頁)になっていたり、最初の歩兵連隊First Infantry Regimentが「第一歩兵師団」(216頁)となっていたり、戦車tankが「装甲車」!(439‐443頁)になっていたり……
マシンガンと機関銃の混用、部隊と連隊の混用など挙げればきりがありません。

それでも、中東戦線史を日本語で読めるのは貴重だと思います。
Edward Ericksonの
Ordered to Die: A History of the Ottoman Army in the First World War (Contributions in Military Studies) やMustafa Aksakalの The Ottoman Road to War in 1914: The Ottoman Empire and the First World War (Cambridge Military Histories) が翻訳されるかと問われれば可能性は低いでしょうし、ベストセラーになった本書が一番望みが高いだろうなと思っていました。

翻訳が出版されたことを評価して☆三つ。
52人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート