驚愕の書と言ってよいであろう。何が?著者の探求心についてである。尋常ではない。
「序章 ワルトハイムの秘密」でこう述べている。
「〜。十万を超える怪しげな人間達の氏素性を調べ、伝記を読み、歴史の重大事件のなかにそのひとりずつを当てはめる作業は、
想像される以上にてのかかる仕事である。調査が進むにつれて、判明してゆく人間の数は加速度的に増えてゆくという、
作業者にとって過酷な原理がある。」
東インド会社の過去2〇〇年間の総督が全てロスチャイルド閨閥で成り立っていることを明らかにするのに2年を費やした、と言う。
内容は読みずらい。難解ではなく、家系を追いかけるのに骨が折れる、と言うより最初から諦めた。
それでも十分に読み続けることができる。そして、読み続けながら考えた。
著者は過酷というほどの苦痛を伴った五年余の歳月を支えてきたものは何か。
何の目的でこの本を書き続けたのか。途中原子力産業の話が多く出てくること、著者が反原発の運動家で論客でもあることから、
その世界的利権構造と歴史を明らかにするためか、とも考えたが、最後まで読み終えてもっと大きな世界の支配構造と歴史を
明らかにしたいのだと理解した。しかも、従来の歴史書や政治経済書では皮相的で飽き足らなかった著者は、
その解明対象を産業、もっと具体的に企業の勃興構造の解明に目を向けた。最初は富の遷移構造の解明に目を向けたが直ぐに、
人の絆の最も強い家族、閨閥に注目し、家系図を作成することによりほとんど全ての企業の遷移構造を解明できることを発見した。
著者はこう述べている。
「〜その事実を知れば、今日の全世界で語られている ”EC統合”といった経済解析が、実に皮相な現象にすぎないことを理解できよう。
正確にヨーロッパの文化・歴史・ビジネスを把握するには、そしてこれから未来にかけての動きを自分の思索によって推測するには、
何よりも過去のヨーロッパ2〇〇年の史実と登場人物を、ある特殊な方法で結びつけ、全く新しい歴史観を導入しなければならない。」
そして、閨閥、Rothschildに注目した。
最後に著者は政治経済だけでなく、映画、ファッション、美術、音楽等の文化更に「TIME」「ル・モンド」「ロイター」「AFP」等の
マスコミ、通信をもRothschildの支配下にあることを解き明かす。
本書は一巻から四巻までほぼ時間軸に沿って書かれているが、その過程で頻繁に現代の事件などの事項か語られる。
著者が「現代と未来を見据える為にこれを書いているのだよ。」と読む人に語りかけてくるようだ。
私は芥川賞や直木賞などの賞には何の価値も置いていないが、何か差し上げたい気もする名著である。
でも、反逆の書であるから、無冠が最も相応しい。
補足1
著者は同書のどこかに、「善人は魅了がない。悪魔のような人こそ書きたい」という意味のことを述べている。
その意味はで、著者は自分を魅力のない人間と思っているようだが、どうしてどうして、そうではない。
大きな善人、正義感の塊である。
3・11の下手人とその擁護者ども32名を勇敢にも刑事告発した。なぜ勇敢か?
現行の法体系は長期、大量、広範囲の放射能排出事故を想定していないこと、東電、政府の影響力が司法にも及んでいることから、
検察が起訴する可能性が少ないことにもかかわらず、敢えて「悪党ども」と罵りつつ告発した。
福島の子供達の放射能被害を防ぎたい一心からだ、と言う。
しかし、世間の反応は冷ややかだ。反対を標榜する人たちまでもだ。
正義感に溢れた勇気ある行為だ。応援したい。
補足2
アマゾンと国会図書館のネット検索で、「Rothschild」と打ち込んでみた。
和書、洋書ともこれだけの大書はなかった。
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赤い楯 ロスチャイルドの謎1 (集英社文庫) 文庫 – 1996/11/20
広瀬 隆
(著)
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両替商だったロスチャイルド家が、なぜ世界の王者になりえたのか。18世紀末のドイツに生まれ、世界を陰で操る闇の巨大権力。その戦略と謎を解き明かす、知的冒険の書。ロスチャイルド家全家系図付き。
- 本の長さ480ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日1996/11/20
- ISBN-104087483827
- ISBN-13978-4087483826
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登録情報
- 出版社 : 集英社 (1996/11/20)
- 発売日 : 1996/11/20
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 480ページ
- ISBN-10 : 4087483827
- ISBN-13 : 978-4087483826
- Amazon 売れ筋ランキング: - 113,331位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 742位企業・経営
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- - 749位経営学 (本)
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著者について
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1943年東京生まれ。早稲田大学卒業後、大手メーカーの技術者を経て執筆活動に入る(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『原子炉時限爆弾』(ISBN-10:4478013594)が刊行された当時に掲載されていたものです)
イメージ付きのレビュー
5 星
死の商人へ向けた渾身の礫
底本より系図が拡充され煩瑣な内容から浮かび上がってくるロスチャイルド家系がさらに詳細に洗い出されている。時には推理小説、スパイ小説風に。 勿論本書は著者の一つの壮大な仮説とその検証過程であってそれは確かに何重にもなってはいるが、どの時代にもどこの地域にもどの業種にも名家や血統、系統がある以上のものを今回ロスチャイルド家だけに特に観ているという最終根拠は自身の嗅覚に置いているという意味で文字通り非常に危険な綱渡り、作家生命を懸けたものと言えよう。本当は単にそういう傾向が強いと考えることが出来るだけ、モルガン家でもロックフェラー家等々でも同様のことは言えるのを、著者いわく「背ビレ4枚のサメ」の家系による知られざる陰謀として描くのであるから。 第1巻は特に19世紀から第一次世界大戦までくらいの推移が調べ尽くされる。近年の金融危機による投資銀行の失態は、本書のあまりに痛烈な批判が世界に轟いて甚大な実害を及ぼすまでに突き刺さったからではないかと思われるほど槍玉に上げた部分の衰亡ないし退潮は激しくなっているとも言えるし、あるいは本書のあまりに鋭利な追及にたじろいだ彼らが表面上その完全な衰退を演出し真の陰謀はさらに解りにくく地下深く潜る準備を始めて実際にそれは既に完備したということになるかもしれない。 著者は続く第2巻で第二次世界大戦とフランスを扱う。第二次大戦がフランスにとってもロスチャイルド家にとっても最大の危機だったとしても、その由来や種は既に第一次大戦中に、そしてそれ以前に撒かれていた。未曾有の世界戦争はそれを支えた軍産体制と銀行家の算段により準備されていたものであった、と。
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上位レビュー、対象国: 日本
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2019年3月21日に日本でレビュー済み
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当時の写真と膨大な系図を交へ、007等の映画もエピソードに飽きさせない構成になっています。
2017年2月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ロスチャイルド一族がいかにして世界を裏で操る帝王に成り上がるまでに、
至ったかという事は書かれているが、
富裕と繁栄に至る成功ノウハウが述べられている本ではなく、(あるとするなら、金に飽かしてその国の王族と婚姻関係
を結び権益を次々に得ていく事。そんなこと誰でも出来ることではない)
学校では決して教えられる事のない史実が、著者の膨大な閨閥(本書のキーワード)の調査の
データの裏付けによって展開されてゆく。表の事象を人脈という太い紐でたぐってゆくと
全ての歴史の真実が解明できると述べている。
さて全4巻すべて読破してみたのですが、正直いって疲れました。(興味のある方にとっては寧ろ面白く思えるかあも知れませんが)
真実を知ることの怖さと興味深さとが相克する複雑な感情に支配されつつ、次のページへ読み進もうとする衝動に似た気持ちが維持できたのは、個人的な意見ではあるいものの4巻の内この本書の第一巻のみでした。
世界ツアーに誘われるという設定で、各国の政権要人、利権に関わる権力者、
はたまた、政治経済のみならず文化に彩りを添えた芸術家、作曲家、画家、歌手
俳優、作家等々夥しい登場人物が次から次と表れ事件に纏わる話が展開してゆくのだが、
詰る所、驚くべきことにそれらの人物は、ロスチャイルドの利権獲得のために操られ、
取り込まれた姻戚関係であったという事実があきらかにされてゆく。
つまり利権のある所に必ずといっていいほどロスチャイルドの影の存在があるということ。
これでもか、これでもかという、著者による膨大なる調査とデータを集計された精力的な仕事ぶりには頭の下がる思いがするものの、その分個人的に関心のもてない人達の話の羅列箇所を読みすすめるには、少し辛く感じてしまう。
彼らは当時からメディアを支配してきたので、自らに都合のいい配信や報道をするのは
当然であり、国民には本当のことを知らされることはなかったという。それゆえ
各国の教育システムに本当の知られたくない歴史は故意に封印されてきたというのである。
権益獲得の為に戦争を画策し、それに加え対立するお互いの国に、それぞれ資金を貸付けた上、その資金で武器を買わせ、さらに戦勝国から戦利品を獲得するというシステムによって、莫大な富を築いてゆくことになった。
儲けのためには手段を選ばない凄まじい話が本当のように思えてくる。
しかしながら、仮に悪行三昧を何百年も積み重ねて、なおかつ今だもって
世界の支配者として君臨し続けているという事を考えた場合、ロスチャイルドファミリーとは
因果応報の法則を超えた存在なのか、あるいはそのようなカルマの法則(仏陀やジェームスアレンのいう因果の法則)などというものはまやかしでありもともと存在しないのか、おおいに疑問の残るところでる。
ある程度の予備知識はあったものの、通説の歴史とはいったいなんだったのであろうか
と考えさせられる本である。
至ったかという事は書かれているが、
富裕と繁栄に至る成功ノウハウが述べられている本ではなく、(あるとするなら、金に飽かしてその国の王族と婚姻関係
を結び権益を次々に得ていく事。そんなこと誰でも出来ることではない)
学校では決して教えられる事のない史実が、著者の膨大な閨閥(本書のキーワード)の調査の
データの裏付けによって展開されてゆく。表の事象を人脈という太い紐でたぐってゆくと
全ての歴史の真実が解明できると述べている。
さて全4巻すべて読破してみたのですが、正直いって疲れました。(興味のある方にとっては寧ろ面白く思えるかあも知れませんが)
真実を知ることの怖さと興味深さとが相克する複雑な感情に支配されつつ、次のページへ読み進もうとする衝動に似た気持ちが維持できたのは、個人的な意見ではあるいものの4巻の内この本書の第一巻のみでした。
世界ツアーに誘われるという設定で、各国の政権要人、利権に関わる権力者、
はたまた、政治経済のみならず文化に彩りを添えた芸術家、作曲家、画家、歌手
俳優、作家等々夥しい登場人物が次から次と表れ事件に纏わる話が展開してゆくのだが、
詰る所、驚くべきことにそれらの人物は、ロスチャイルドの利権獲得のために操られ、
取り込まれた姻戚関係であったという事実があきらかにされてゆく。
つまり利権のある所に必ずといっていいほどロスチャイルドの影の存在があるということ。
これでもか、これでもかという、著者による膨大なる調査とデータを集計された精力的な仕事ぶりには頭の下がる思いがするものの、その分個人的に関心のもてない人達の話の羅列箇所を読みすすめるには、少し辛く感じてしまう。
彼らは当時からメディアを支配してきたので、自らに都合のいい配信や報道をするのは
当然であり、国民には本当のことを知らされることはなかったという。それゆえ
各国の教育システムに本当の知られたくない歴史は故意に封印されてきたというのである。
権益獲得の為に戦争を画策し、それに加え対立するお互いの国に、それぞれ資金を貸付けた上、その資金で武器を買わせ、さらに戦勝国から戦利品を獲得するというシステムによって、莫大な富を築いてゆくことになった。
儲けのためには手段を選ばない凄まじい話が本当のように思えてくる。
しかしながら、仮に悪行三昧を何百年も積み重ねて、なおかつ今だもって
世界の支配者として君臨し続けているという事を考えた場合、ロスチャイルドファミリーとは
因果応報の法則を超えた存在なのか、あるいはそのようなカルマの法則(仏陀やジェームスアレンのいう因果の法則)などというものはまやかしでありもともと存在しないのか、おおいに疑問の残るところでる。
ある程度の予備知識はあったものの、通説の歴史とはいったいなんだったのであろうか
と考えさせられる本である。
2017年6月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
・サノーさん一言コメント
「驚くべき系図が指し示す、世界を支配するものたちの年譜とその構図。ジェームズ・ゴールドスミスを巡る検証と考察」
【サノーさんおすすめ度★★★★★】
・ウノーさん一言コメント
「事実は小説より奇なり、なのでしょうか。この物語は、一流の冒険小説よりも面白く、一流のサスペンスよりも謎に満ちています」
【ウノーさんおすすめ度★★★★★】
・サノーさん、ウノーさん読書会
サノーさん(以下サ):いま、日本で生活している人なら、誰でも知っている世界企業、誰でも知っているブランド、誰でも知っているメーカーの源流を知ることが出来る。
ウノーさん(以下ウ):と、同時に、誰もが知らない歴史、誰もが知らない血縁関係、誰もが知らない策略も知ることが出来ますね。
サ:脅威、驚愕、驚き桃の木山椒の木、だ。
ウ:というか、こういう本が存在すること自体が驚きです。
サ:まあ、これが史実です、これが真の歴史なんです、と突きつけられても、受け入れられないというか、距離感がありすぎるというか。
ウ:登場する人物、トピック、アイテムが面白すぎて、連想できる範疇を超えている箇所が、たまに存在します。
サ:シャーロックホームズ、タイタニック、パンサーの宝石、バミューダ・トライアングル。全部、テレビシリーズの『ルパン三世』に登場するトピックなんだが、それらのストーリーを辿ると、ある一族、その一族が世界の覇権を握る過程と構図が、浮かび上がってくる。
ウ:さらには、世界史が歩んだ戦争と平和、経済の構造、政治の構造を辿ることができますが、それらの背景に「たったひとつの一族」という組織体が存在していたと言われても、正直、よくできたフィクションだとしか受け取れません。
サ:だが、掲載されている「系図」によって、それが整理され、点と点が線になり、結び付いていく過程を知る。
「もしかしたら、そういうことかも」と把握し解釈することができる。このシリーズの「凄み」は、そこにある。
ウ:掲載されている写真も、魅力的なものばかりです。
中国とインドとアフリカの歴史、そこにおける「一族」の戦略を知るとき、事象としての履歴ではない、意図や目的まで描かれた「世界史」の存在を知ることになります。
サ:ガンジーについては『不可触民』でも書かれていた通り、伝記や映画では知りえない史実があると、この本により確信した。
ウ:世界中の「ダイヤモンド」も、ここに描かれた意図があったからこそ、価値が見いだされるというロジックで、それは他の本でも書かれている内容と、一致していました。
サ:「意味のある結婚」を重ねながら、一族がどのようにして拡大していくのか。次の巻以降も、楽しみだ。
【了】
「驚くべき系図が指し示す、世界を支配するものたちの年譜とその構図。ジェームズ・ゴールドスミスを巡る検証と考察」
【サノーさんおすすめ度★★★★★】
・ウノーさん一言コメント
「事実は小説より奇なり、なのでしょうか。この物語は、一流の冒険小説よりも面白く、一流のサスペンスよりも謎に満ちています」
【ウノーさんおすすめ度★★★★★】
・サノーさん、ウノーさん読書会
サノーさん(以下サ):いま、日本で生活している人なら、誰でも知っている世界企業、誰でも知っているブランド、誰でも知っているメーカーの源流を知ることが出来る。
ウノーさん(以下ウ):と、同時に、誰もが知らない歴史、誰もが知らない血縁関係、誰もが知らない策略も知ることが出来ますね。
サ:脅威、驚愕、驚き桃の木山椒の木、だ。
ウ:というか、こういう本が存在すること自体が驚きです。
サ:まあ、これが史実です、これが真の歴史なんです、と突きつけられても、受け入れられないというか、距離感がありすぎるというか。
ウ:登場する人物、トピック、アイテムが面白すぎて、連想できる範疇を超えている箇所が、たまに存在します。
サ:シャーロックホームズ、タイタニック、パンサーの宝石、バミューダ・トライアングル。全部、テレビシリーズの『ルパン三世』に登場するトピックなんだが、それらのストーリーを辿ると、ある一族、その一族が世界の覇権を握る過程と構図が、浮かび上がってくる。
ウ:さらには、世界史が歩んだ戦争と平和、経済の構造、政治の構造を辿ることができますが、それらの背景に「たったひとつの一族」という組織体が存在していたと言われても、正直、よくできたフィクションだとしか受け取れません。
サ:だが、掲載されている「系図」によって、それが整理され、点と点が線になり、結び付いていく過程を知る。
「もしかしたら、そういうことかも」と把握し解釈することができる。このシリーズの「凄み」は、そこにある。
ウ:掲載されている写真も、魅力的なものばかりです。
中国とインドとアフリカの歴史、そこにおける「一族」の戦略を知るとき、事象としての履歴ではない、意図や目的まで描かれた「世界史」の存在を知ることになります。
サ:ガンジーについては『不可触民』でも書かれていた通り、伝記や映画では知りえない史実があると、この本により確信した。
ウ:世界中の「ダイヤモンド」も、ここに描かれた意図があったからこそ、価値が見いだされるというロジックで、それは他の本でも書かれている内容と、一致していました。
サ:「意味のある結婚」を重ねながら、一族がどのようにして拡大していくのか。次の巻以降も、楽しみだ。
【了】
2015年12月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とにかく読むのがつらかった。でも、カネの動きも含め、勉強になりました。
2021年4月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
理系の社会人です。政治・経済・世界史の本は啓蒙書である「〇〇新書」を読む程度で本格的な本を読んだのは次の3書のみです。
・ハンチントン「文明の衝突」 :5年前に読みました。感動しました。世界地図を片手に読まないと読めない本
・ジョン・ダワー「アメリカ 暴力の世紀――第二次大戦以降の戦争とテロ」 :テロ国家はイラクよりも米国
・トマ・ピゲティ「21世紀の資本」 :専門書というより易しい本でした。
本書の存在は最近知り遅まきながら読み始めました。第一分冊だけ読めばいいやと思い読み始めましたが「凄い!」の一言に尽きる本格的な本です。凄さと難解さの順は、
「文明の衝突」=本書>「アメリカ 暴力の世紀」>「21世紀の資本」
本書では「ロスチャイルド家」を拡大解釈してますが、内容は驚く事ばかりです。系図が特に凄いです。
結局面白すぎて第四分冊まで読みましたが、この第一分冊だけでも凄い本なので是非読まれる事を!
追記)索引は第四分冊にあります。
・ハンチントン「文明の衝突」 :5年前に読みました。感動しました。世界地図を片手に読まないと読めない本
・ジョン・ダワー「アメリカ 暴力の世紀――第二次大戦以降の戦争とテロ」 :テロ国家はイラクよりも米国
・トマ・ピゲティ「21世紀の資本」 :専門書というより易しい本でした。
本書の存在は最近知り遅まきながら読み始めました。第一分冊だけ読めばいいやと思い読み始めましたが「凄い!」の一言に尽きる本格的な本です。凄さと難解さの順は、
「文明の衝突」=本書>「アメリカ 暴力の世紀」>「21世紀の資本」
本書では「ロスチャイルド家」を拡大解釈してますが、内容は驚く事ばかりです。系図が特に凄いです。
結局面白すぎて第四分冊まで読みましたが、この第一分冊だけでも凄い本なので是非読まれる事を!
追記)索引は第四分冊にあります。