良く書けた”小説”でも、あちこちの有名本の一節をまとめただけの”指南本”でもありません。
リクルート創業者、江副氏というケーススタディです。
幼い頃から大学時代、企業初期、リクルートの発展とリクルートを去らねばならなくなるまでの間について、どのようなことがあり、どのように考え、どのように決断したか日記を紐解きながら時系列に沿って淡々と記されています。
リクルート事件に関しては、語れるようになるのはずっと先であるとして、若干の行政司法への愚痴を除いてほとんど語られていません。
現実ならではの”コク”とほろ苦い後味があります。
この本に何を期待するか? よく考えてから購入して下さい。
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かもめが翔んだ日 単行本 – 2003/10/30
江副 浩正
(著)
リクルートコスモス未公開株譲渡問題が報道され、著者がリクルートの会長を退任したのは1988年、52歳のときだった。4年後、逮捕。裁判は一審だけでも13年半に及んだが、2003年3月、懲役3年、執行猶予5年の判決が下り、刑が確定した。
この15年間を著者はいかにすごしていたのか。裁判と取り組んでいたのはいうまでもないが、その合間に執筆を進めていたがこの回想録である。
神戸での少年時代、東大における学生生活、リクルートを起業するまでの苦心談、様々なプロジェクトの成功と失敗、亀倉雄策氏ら出会った人々との交流など、これまでの歩みが豊富なエピソードを盛り込んで綴られていく。
中でも興味深いのは中内ダイエー会長のリクルート株譲渡の章であろう。
自らの株の売却先にダイエーを選んだ理由、中内氏との折衝、その間のリクルート本体、コスモス、ファーストファイナンス幹部たちの動向、論議が詳細に描かれている。
ダイエーへの株売却が決定した日、著者は浜離宮庭園へ向かい、夕暮れに一人佇み、数十羽のかもめがレインボーブリッジの方向へ飛び去るのを眺めていた。
そのとき、情報時代に大きく羽ばたきながら、羽を休めざるを得なくなった著者の胸に去来するものは何だったのか。
ビジネスの世界に生きる者に幾多の示唆を与える内容になっている。
この15年間を著者はいかにすごしていたのか。裁判と取り組んでいたのはいうまでもないが、その合間に執筆を進めていたがこの回想録である。
神戸での少年時代、東大における学生生活、リクルートを起業するまでの苦心談、様々なプロジェクトの成功と失敗、亀倉雄策氏ら出会った人々との交流など、これまでの歩みが豊富なエピソードを盛り込んで綴られていく。
中でも興味深いのは中内ダイエー会長のリクルート株譲渡の章であろう。
自らの株の売却先にダイエーを選んだ理由、中内氏との折衝、その間のリクルート本体、コスモス、ファーストファイナンス幹部たちの動向、論議が詳細に描かれている。
ダイエーへの株売却が決定した日、著者は浜離宮庭園へ向かい、夕暮れに一人佇み、数十羽のかもめがレインボーブリッジの方向へ飛び去るのを眺めていた。
そのとき、情報時代に大きく羽ばたきながら、羽を休めざるを得なくなった著者の胸に去来するものは何だったのか。
ビジネスの世界に生きる者に幾多の示唆を与える内容になっている。
- 本の長さ295ページ
- 言語日本語
- 出版社朝日新聞社
- 発売日2003/10/30
- ISBN-10402100081X
- ISBN-13978-4021000812
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商品の説明
メディア掲載レビューほか
かもめが翔んだ日
リクルートの生みの親、リクルート事件の被告としてあまりにも有名な著書が、同社と共に生きてきた半生を振り返った。注目すべきは、リクルートコスモスの経営悪化から、ダイエーへの株譲渡決定までの苦しい日々が綴られた章。「家族よりもリクルートが大事」という著者の想いが伝わってくる。
リクルートの生みの親、リクルート事件の被告としてあまりにも有名な著書が、同社と共に生きてきた半生を振り返った。注目すべきは、リクルートコスモスの経営悪化から、ダイエーへの株譲渡決定までの苦しい日々が綴られた章。「家族よりもリクルートが大事」という著者の想いが伝わってくる。
(日経ベンチャー 2003/12/01 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
-- 日経BP企画
内容(「MARC」データベースより)
リクルートの創業者が沈黙を破って書き下ろした回想録。神戸での少年時代、東大における学生生活、リクルートを起業するまでの苦闘、出会った人びと、成功と失敗、リクルート株売却にいたる経過など、興味深く綴る。
登録情報
- 出版社 : 朝日新聞社 (2003/10/30)
- 発売日 : 2003/10/30
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 295ページ
- ISBN-10 : 402100081X
- ISBN-13 : 978-4021000812
- Amazon 売れ筋ランキング: - 103,537位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 3,893位ビジネス・経済ノンフィクション
- - 17,321位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
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2014年8月22日に日本でレビュー済み
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2019年12月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
中古ですが、品物はとても良かったです。
本に書かれている業界にまったく興味がなかったのですが、
改めて情報産業としての成り立ちを見直したく読んでみました。面白かったです。
この世代はどんどん居なくなっていくので、懐かしくもあり寂しくもあります。
本に書かれている業界にまったく興味がなかったのですが、
改めて情報産業としての成り立ちを見直したく読んでみました。面白かったです。
この世代はどんどん居なくなっていくので、懐かしくもあり寂しくもあります。
2015年1月23日に日本でレビュー済み
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一気に通読しました。リクルートの成り立ちから江副氏代表末期までの内容がしるされており、臨場感があふれる作品となっている。某事件についてはあまり触れられてないのが残念。
2013年1月8日に日本でレビュー済み
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リクルートの成長の過程が大変リアルに表現さています。大変参考になりました。ありがとうございます
2014年1月14日に日本でレビュー済み
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もっと現場の生の状況やエピソードを期待していたが少々期待はずれ。
2008年8月26日に日本でレビュー済み
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連結で1兆円の売上に成長した大企業の原点が、当時在学中の東大新聞の広告営業にあったこと。
そこからの着実な同社の成長には、
「まったく新しい雑誌のつくりかた」
「偉大なる経営者たちに若い自分が会えた事情」
「他社が取りたがらない人材(高卒、女性)をどこよりも高く雇う」
「トーハン、ニッパンに頼らず雑誌を販売する着想」
など、現在の企業像が生まれるべくして誕生したヒントが随所に覗き見れる。
「リクルート事件」ばかりに連想が行きがちな江副氏だが、「彼から何を学び自分の仕事に活かすか」というポジティブな視点に立てば、間違いなく有益な一冊。
革新的技術や、長年の業界経験、人脈、資金などのいずれも持たない人間が起業を考えたとき、具体的な参考書となるだろう。
1晩か、電車の中だけで読んでも1週間で読める、心地よい文章運びが印象的。
そこからの着実な同社の成長には、
「まったく新しい雑誌のつくりかた」
「偉大なる経営者たちに若い自分が会えた事情」
「他社が取りたがらない人材(高卒、女性)をどこよりも高く雇う」
「トーハン、ニッパンに頼らず雑誌を販売する着想」
など、現在の企業像が生まれるべくして誕生したヒントが随所に覗き見れる。
「リクルート事件」ばかりに連想が行きがちな江副氏だが、「彼から何を学び自分の仕事に活かすか」というポジティブな視点に立てば、間違いなく有益な一冊。
革新的技術や、長年の業界経験、人脈、資金などのいずれも持たない人間が起業を考えたとき、具体的な参考書となるだろう。
1晩か、電車の中だけで読んでも1週間で読める、心地よい文章運びが印象的。
2011年7月24日に日本でレビュー済み
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本書は、リクルート設立者の江副浩正の自叙伝である。
特徴を述べれば、次のとおりだ。
まずは、戦時の貧しさを経験した江副がリクルートを設立し、そのリクルートを中心とするグループが戦後の高度成長とともに形成され、そして、バブル崩壊とともにグループとして経営危機になった。
日本経済の歴史を一企業の立場から振り返るようで実に面白い。
つぎに、経営危機は江副が手を広げたノンバンクや不動産会社などの関連会社で発生した一方で、本体のリクルートはバブル崩壊にあっては利益率10%、その後は利益率30%と、高収益の優良企業でありつづけた。
これは、例年での新事業企画発表会や、PCと呼ばれる事業別の独立採算制の成果主義で、社員皆(かい)経営者体制という自主性の高い経営体制を維持したことと、それを可能にした会社の情報公開・透明性・説明責任の高さ、そして、役員全員で奇譚のない批判を述べ合い、相互に成長しあうような社風によるものと考えられる。
この近代的な経営体制と社風が生まれた理由は、本書でしばしば引用されるP.F.ドラッガーに依拠するものなのか、それとも、高校でのアダム・スミスの富国論の講義によるものなのか、それとも、多くの他業種の経営者と交流によるものなかのか、その点への明確な言及はなかった。
さらに、江副はリクルートそのものが人生であり、そして株譲渡後も、リクルートから必要とされる人物だった。例えば、株譲渡は、好意的だった社外とは対照的に、社内からの反発は大きかった。そして、江副浩正が株譲渡によってリクルートの経営から離れることが、リクルートの更なる飛躍と継続的な発展に繋がるという江副の哲学(リクルートの社章はかもめであり、タイトルの「かもめが翔んだ日」とはこのことを意味する)に私はとても感銘をうけた。
以上、本書は全体として非常にエキサイティングな読み物となっているが、ただ株譲渡に関する部分が半分弱を占めており、その前半部分での、江副の経営哲学が生まれた過程と根拠についてもう少し言及が欲しかった。その点マイナス1とした。
特徴を述べれば、次のとおりだ。
まずは、戦時の貧しさを経験した江副がリクルートを設立し、そのリクルートを中心とするグループが戦後の高度成長とともに形成され、そして、バブル崩壊とともにグループとして経営危機になった。
日本経済の歴史を一企業の立場から振り返るようで実に面白い。
つぎに、経営危機は江副が手を広げたノンバンクや不動産会社などの関連会社で発生した一方で、本体のリクルートはバブル崩壊にあっては利益率10%、その後は利益率30%と、高収益の優良企業でありつづけた。
これは、例年での新事業企画発表会や、PCと呼ばれる事業別の独立採算制の成果主義で、社員皆(かい)経営者体制という自主性の高い経営体制を維持したことと、それを可能にした会社の情報公開・透明性・説明責任の高さ、そして、役員全員で奇譚のない批判を述べ合い、相互に成長しあうような社風によるものと考えられる。
この近代的な経営体制と社風が生まれた理由は、本書でしばしば引用されるP.F.ドラッガーに依拠するものなのか、それとも、高校でのアダム・スミスの富国論の講義によるものなのか、それとも、多くの他業種の経営者と交流によるものなかのか、その点への明確な言及はなかった。
さらに、江副はリクルートそのものが人生であり、そして株譲渡後も、リクルートから必要とされる人物だった。例えば、株譲渡は、好意的だった社外とは対照的に、社内からの反発は大きかった。そして、江副浩正が株譲渡によってリクルートの経営から離れることが、リクルートの更なる飛躍と継続的な発展に繋がるという江副の哲学(リクルートの社章はかもめであり、タイトルの「かもめが翔んだ日」とはこのことを意味する)に私はとても感銘をうけた。
以上、本書は全体として非常にエキサイティングな読み物となっているが、ただ株譲渡に関する部分が半分弱を占めており、その前半部分での、江副の経営哲学が生まれた過程と根拠についてもう少し言及が欲しかった。その点マイナス1とした。
2003年10月20日に日本でレビュー済み
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リクルートの創業からこれまでの経緯については、藤原氏や倉田氏など
当時の事業を知る何人かの人々によって断片的には語られてきた。しかし
リクルートの創業者であり、リクルート自身である江副さんの口から直接
ここまで詳しく、事業が語られたのは初めてではないか。
江副さんの生い立ちから、学生時代の学生新聞の話、東京大学を卒業後
そのまま「株式会社大学広告」を設立。事業を拡大し、さまざまな情報誌
を創刊など、リクルートの創業からこれまでの節目節目の気持ちや判断の
根拠が語られて大変貴重な情報である。ダイエーに株式を譲渡した経緯な
ども当事者だけが知っているやり取りを公開したのは初めてではないか?
時間を忘れて一気に読んでしまった。
さすがに、「!リクルート事件」と言われた未公開株の譲渡に関する事件
については、見事なまでに!一言も触れられていない。
江副さんの来し方をよかった面も悪かった面もかなり踏み込んで記録さ
れた貴重な本でした。
当時の事業を知る何人かの人々によって断片的には語られてきた。しかし
リクルートの創業者であり、リクルート自身である江副さんの口から直接
ここまで詳しく、事業が語られたのは初めてではないか。
江副さんの生い立ちから、学生時代の学生新聞の話、東京大学を卒業後
そのまま「株式会社大学広告」を設立。事業を拡大し、さまざまな情報誌
を創刊など、リクルートの創業からこれまでの節目節目の気持ちや判断の
根拠が語られて大変貴重な情報である。ダイエーに株式を譲渡した経緯な
ども当事者だけが知っているやり取りを公開したのは初めてではないか?
時間を忘れて一気に読んでしまった。
さすがに、「!リクルート事件」と言われた未公開株の譲渡に関する事件
については、見事なまでに!一言も触れられていない。
江副さんの来し方をよかった面も悪かった面もかなり踏み込んで記録さ
れた貴重な本でした。