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ティール組織 ― マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現 Kindle版

4.2 5つ星のうち4.2 935個の評価

【大反響、7万部突破!!】
続々受賞!
「ビジネス書大賞2019」経営者賞
「読者が選ぶビジネス書グランプリ 2019」マネジメント部門
「ITエンジニアに読んでほしい! 技術書・ビジネス書 大賞 2019」ベスト10
「HRアワード 2018」優秀賞




本書を読んでいくと、
「あなたは、どんな組織をつくりたいのか?」
「その実現のために最善を尽くしているか?」
と問われている感覚があった。
でも、一気に色んなことをせずに、まずは目の前の一人に心から向き合うこと。
それが自分にできる唯一の道であり、それに気づかせてくれた『ティール組織』に、心から感謝を。

――岡田武史(株式会社今治.夢スポーツ 代表取締役会長、元サッカー日本代表監督)


10年、20年先の組織のあり方を示す決定版こそが「ティール」
この変化が、様々な業界で既に起きつつあることに、興奮を隠せない!

――入山章栄(早稲田大学ビジネススクール准教授、『世界の経営学者はいま何を考えているのか』著者)


人事の役割を再定義させてくれた一冊。
――島田由香(ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社 取締役 人事総務本部長)


組織の変化は、現実的には一直線ではないはず。
本書を読んで、「自分の会社は現在に至るまで、どう変わったのだろう?」と色の変化をたのしんでみよう。

――小竹貴子(クックパッド株式会社ブランディング・編集本部長)


久しぶりに画期的な組織論の本に出会った。
――堀内勉(多摩大学大学院特任教授、書評サイトHONZレビュアー)


これは間違いなく、今後20年は読みつがれる組織論の古典になる。
――岩佐文夫(元DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集長)


「なぜ仕事で疲弊するのか?」
「組織のどこがおかしいのか?」と思ったら
原因を究明するのに最高の教科書。

――吉沢康弘(インクルージョン・ジャパン取締役)


「高い次元の組織」とは何か、という問いに答える刺激的な一冊。
――ロバート・キーガン(ハーバード大学教育大学院教授、『なぜ人と組織は変われないのか』著者)


ポスト資本主義時代における新しい組織モデルのバイブルとして、
21世紀の歴史に刻まれる本になるでしょう。

――佐宗邦威(biotope代表/戦略デザイナー、『21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』著者)



次の組織モデルは、これだ。

上下関係も、売上目標も、予算もない!?
従来のアプローチの限界を突破し、
圧倒的な成果をあげる組織が世界中で現れている。
膨大な事例研究から導かれた新たな経営手法の秘密とは。

原書発売後またたくまに世界中に広がり、15カ国語・40万部を超えるベストセラーに。新しい時代の経営論として大注目の一冊。
続きを読む もっと少なく読む
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出版社より

teal画像

これから私たちは、どんな組織・働き方・社会を選ぶのか?

世界17カ国・60万部突破! 歴史的スケールで解き明かす 組織の進化と人間社会の未来。

数万人規模のグローバル企業から先進的な医療・介護組織まで、膨大な事例調査から導き出した新時代の組織論。

組織の進化パラダイム

進化図

「ティール」とは・・・著者は人類の歴史における組織の進化を色の波長で表現しました。最新の「進化型(ティール)組織」は、世界各地で現れつつあるまったく新しいマネジメント手法を採用する組織のことを指します。

フレデリック・ラルー画像

著者:フレデリック・ラルー Frederic Laloux

マッキンゼーで10年以上にわたり組織変革プロジェクトに携わったのち、エグゼクティブ・アドバイザー/コーチ/ファシリテーターとして独立。2年半にわたって新しい組織モデルについて世界中の組織の調査を行い、本書を執筆。17カ国語に翻訳され60万部を超えるベストセラーとなる。現在は家族との生活を最も大切にしながら、気候危機を止めるプロジェクトに注力している。

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『ティール組織』を各界のリーダーや研究者はどう読んだか。多様な視点から組織や社会の進化を考える。

著者について

[著者]
フレデリック・ラルー Frederic Laloux
マッキンゼーで10年以上にわたり組織変革プロジェクトに携わったのち、エグゼクティブ・アドバイザー/コーチ/ファシリテーターとして独立。2年半にわたって新しい組織モデルについて世界中の組織の調査を行い、本書を執筆。12カ国語に翻訳され20万部を超えるベストセラーとなる。現在は家族との生活を最も大切にしながら、コーチや講演活動などを行い本書のメッセージを伝えている。

[訳者]
鈴木立哉 Tatsuya Suzuki
実務翻訳者。一橋大学社会学部卒業。コロンビア大学ビジネススクール修了(MBA)。野村証券勤務などを経て2002年から現職。専門はマクロ経済や金融分野の英文レポートと契約書等の翻訳。著書に『金融英語の基礎と応用 すぐに役立つ表現・文例1300』(講談社)、訳書に『世界でいちばん大切にしたい会社』(翔泳社)、『Q思考』(ダイヤモンド社)など。

[解説]
嘉村賢州 Kenshu Kamura
場づくりの専門集団NPO法人場とつながりラボhome's vi代表理事。コクリ! プロジェクト ディレクター(研究・実証実験)。京都市未来まちづくり100人委員会 元運営事務局長。集団から大規模組織にいたるまで、人が集うときに生まれる対立・しがらみを化学反応に変えるための知恵を研究・実践。研究領域は紛争解決の技術、心理学、脳科学、先住民の教えなど多岐にわたり、国内外問わず研究を続けている。実践現場は、まちづくりや教育などの非営利分野や、営利組織における組織開発やイノベーション支援など、分野を問わず展開し、ファシリテーターとして年に100回以上のワークショップを行っている。2015年に1年間、仕事を休み世界を旅する。その中で新しい組織論の概念「ティール組織」と出会い、日本で組織や社会の進化をテーマに実践型の学びのコミュニティ「オグラボ(ORG LAB)」を設立、現在に至る。

登録情報

  • ASIN ‏ : ‎ B078YJV9ZW
  • 出版社 ‏ : ‎ 英治出版 (2018/1/23)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2018/1/23
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • ファイルサイズ ‏ : ‎ 18249 KB
  • Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) ‏ : ‎ 有効
  • X-Ray ‏ : ‎ 有効
  • Word Wise ‏ : ‎ 有効にされていません
  • 付箋メモ ‏ : ‎ 有効になっていません
  • 本の長さ ‏ : ‎ 677ページ
  • カスタマーレビュー:
    4.2 5つ星のうち4.2 935個の評価

著者について

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Frederic Laloux
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マッキンゼーで10年以上にわたり組織変革プロジェクトに携わったのち、エグゼクティブ・アドバイザー/コーチ/ファシリテーターとして独立。2年半にわたって新しい組織モデルについて世界中の組織の調査を行い、本書を執筆。12カ国語に翻訳され20万部を超えるベストセラーとなる。現在は家族との生活を最も大切にしながら、コーチや講演活動などを行い本書のメッセージを伝えている。

カスタマーレビュー

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ティール組織を目指さなくても知る価値有り
4 星
ティール組織を目指さなくても知る価値有り
たしかに素晴らしい新組織形態を紹介しているが、決して万能な組織形態とは言っていない点に注意が必要。実際にティール組織を目指さなくても、知るだけでも価値があると思うので、星4つ
フィードバックをお寄せいただきありがとうございます
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申し訳ありませんが、レビューを読み込めませんでした

上位レビュー、対象国: 日本

2018年2月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
これはとても良い本。新しい時代の組織について書かれた一冊。580ページもあるが、理論整然としているし、具体例も多いので極めて読みやすい。著者の言う新しい組織形態は進化型evolutionary組織と呼ばれる。その組織には指示関係を表す組織図もないし、全社戦略も、全社の予算もない。現場の小さな人数からなるチームが権限を持ち、現場でおよそすべての意思決定を行う。進化型組織の人々は利益を追わないし、自分らしく生き生きと働く。

こんな特性の組織を聞くと、特に営利組織として存在することは夢物語に見える。だが著者はこうした組織を実際に発見し、調査し、その特徴を描き出す。こうした新しい組織形態を模索しているパイオニア組織は、互いの存在を知らず、セクターや規模にかかわらず驚くほど似たような組織構造と慣行にたどり着いている(p.20f)。本書はそうした知らずのうちに共通した、進化型組織の特性をとても分かりやすく書く。すぐに様々な疑問に浮かぶーーやる気のない従業員・フリーライダーへの対処、予算配分、人事考査、報酬体系、採用、チーム間で意見が対立する際の調停、マネジメント、法務や財務などのバックオフィス機能、利益を求める株主への対処。こうした事柄に、進化的組織は対処する方法を持っている。具体例を挙げて明快に示される。頻出するのはオランダの高齢者訪問看護組織のビュートゾルフ、フランスの金属部品メーカーFAVI。他にはグローバルな電力会社AES、アメリカのトマト加工食品会社モーニング・スターなど。日本のネット企業オズビジョンも少し登場する。

著者の組織観は、人間の発達心理学的な発達段階が基礎になっている。単なる受動的な段階から、神秘的、衝動型、順応型、達成型、多元型と名付けられた段階を経て、進化型に至る。この分類と特徴づけはクリアで、ここだけでも価値は高い。ちなみに著者はこうした人間の意識の発達段階を、インテグラル理論に倣って色で表す。ただし色名の付け方は部分的に異なっている(p.28)。邦題にもなっているティール(原題は「組織の再発明」)とは、カモの一種。特にマガモの首の、深い緑から青に至る色を指す。ただ、この色名はさして意味がない。何か思い入れがあるような記述もあるが、なぜ各発達段階にその色名が付けられているのかは説明されない。「進化型」など、それぞれの段階を特徴づける名前がきちんとつけられているので、色名はまったく無視してよいだろう。「ティール組織」なんて名前でなく、きちんと「進化型組織」としてこの概念が広まってほしい。

ここでは発達段階とされているので、あたかもここには階層秩序があって、下位の段階は劣るように見える。本書は明確にそう扱っていないが、読み手は序列を見るだろう。それは間違いだろう。それぞれの環境に応じて、適切な発達段階、組織形態がある。特に新しい段階の組織が生まれるスピードは加速しており、現代は多くの段階の組織が隣り合わせに活動している(p.61f)。ここに序列を読み込むのは先入観に過ぎない。ちなみに参考文献を見るに、この発達心理学的なところは、組織学や経営理論に比べて古い。著者がメインに参考にしているのは例えばケン・ウィルバーなのだが、議論自体の古さは頭のどこかに置いておいたほうが良いだろう。

現代の社会では多くの組織は達成型である。そして多元型が達成型を克服するものとして見られている。達成型の発達段階では人間は自由に人生の目的を追求する。ここでは成功する(出世する、金持ちになる)ことが中心だ。達成型組織は現代のグローバル企業に体現される。イノベーション、説明責任、実力主義がそれを彩る。ただし達成型組織の問題はイノベーションの行き過ぎ。ニーズを無理やり作り出そうとし、成長のための成長を目指す。こうした組織は、医学的には癌そのものといえる(p.57f)。

著者は最後のほうでは、この発達段階の比喩を組織形態のみならず、社会全体にも拡張する。順応型なら封建制社会、達成型社会に至って産業革命が起こるなど。すると、進化型社会では自然との共生、利子なき金融システム、所有権から管理責任へ、といったところがキーワードになる(p.487-497)。

各組織の発達段階を決めるのはリーダーの発達段階だ。リーダーがどのパラダイムを通じて世界を見ているかが、組織を決める。どんな組織もリーダーの発達段階を超えて進化することはない(p.70-72)。ゆえ、組織のミドル層とかからの変革はほぼ無理。進化型組織になれるかは経営トップと組織オーナーの世界観で決まる(p.394-396, 445)。組織の発達段階に応じて、その中の人の振る舞いも作られていく(p.133)。軍隊的な組織にいれば、是非を考えず服従を主とする人間になる。このことは、四象限を用いてうまく語られる。それは個別的/集合的、内面的/外面的の軸からなる。個別的で外面的なもの、すなわち観察可能な個人(リーダー)の行動が起点となり、それが集合的・外面的なもの(組織のプロセス)と集合的・内面的なもの(組織文化)を作り、個別的・内面的なもの(個人の心の持ち方)を作っていく(p.380-382)。

進化型の発達段階とは、自分自身のエゴ、私利私欲を切り離した段階。ここでは独りよがりの思いや、他人の評価や外的基準によって人は動くのではない。全体と調和した、自ら正しいと信じる信念に基づいて行動する(p.74-76)。こうしたエゴの超越は、著者においては後ろにスピリチュアルなものが控えている。超越的な精神領域への解放と、自分が大きな完全体の一部であるという深い感覚とともに起こる。ヨガとか禅とか、インド哲学とかを思えばよい。全体性wholenessにたいする憧れが生まれるという(p.82)。この辺りは達成型の個人主義に対するアンチテーゼの面が強く、特に欧米の文脈ではよくあるものなので、さほどまともに受けあう必要はないだろう。

進化型組織は、生命体に比喩で語られる。ちなみに達成型組織は機械、多元的組織は家族(p.90-93)。進化型組織へ移行するための突破口break-through(本書の用語だが、進化型組織の特徴くらいに思えばよい)が3つある。自主経営self management、全体性wholeness、進化目的evolutionary purpose。この三つをキーワードにして、そのために進化型組織がどのような仕組みを備えているのかは簡単にまとめられていて(p.385-389)、そのリストは極めて参考になる。

ちなみに進化目的は本書では存在目的と訳されている。これは著者の意を最大限汲むか、分かりやすさを取るかだが、単純に組織の存在目的(存在理由raison d'être )とは言いにくい。生命体としての組織がどこへと進化していくか、なぜ変化を行うかという意味合いがある。すなわち生命体の比喩を使いつつも、組織は人間が作るものだから目的を持つ。生物学的進化そのものには目的はない、という議論に馴染んでいる人には、進化目的という言葉はちょっとピンとこない。というより、生命体の比喩はそもそも失敗しているとも言える。

自主経営というのも苦しい訳語だが、現場の小さなチームが意思決定を行うこと。その意思決定の程度は並大抵のものではない。マネジメントの権限そのものが委譲される。よって進化型組織にはミドルマネジメントがない。法務や財務など、いわゆるバックオフィスのスタッフもない。通常の会社では各現場がそうしたバックオフィス機能を持つより、本社に集約したほうが規模の経済が働くのだが、そうした考えはない。またスタッフ機能によって現場をコントロールするという幻想を捨てなければならない(p.121)。法務知識などは現場が知識を身に着けるか、外注して助言を求める。スタッフ機能によるコントロールの代わりに、相互信頼による統制が効いている。他人を見習う習慣と仲間からの圧力が、階層性よりもはるかにうまくシステムを統制するのだという(p.133-136)。この、お互いを徹底的に信頼すること、というのが進化型組織の一番の特徴だろう。明確には書かれていないが、相互信頼こそが鍵。進化型組織は従業員を信頼する。マクレガーのY理論だ(p.182f)。

よって自主経営とは、ソビエト的な中央計画委員会から、組織内に自由市場経済を成功させる原則を持ち込むということだという(p.141f)。ただ、自由市場経済が相互信頼によって成り立つかどうかは議論の的だろう。比喩は成功しているだろうか。マネジメントなどの管理業務が一人のメンバーに集中すると、いつのまにか階層的組織のやり方に戻ってしまうリスクがある。ビュートゾルフでは管理業務をいつでも全員で負担しておくようにしている。FAVIではチームリーダーと呼ばれる一人の人に管理的な仕事が集中しているが、誰もがいつでも他のチームに移れるようになっている(p.152f)。意思決定はそれぞれが行うが、利害関係者のすべてに助言を求めることが要求されている。ただし、助言には従わなくても良く、コンセンサスではない(p.165-171)。最後にはその人・チームの意思決定をみなが信頼し、尊重する仕組み。

ソーシャルネットワークなどで他人と結びつくことに慣れている、ミレニアム世代の方が自主経営に馴染んでいるかもという指摘(p.232-234)は面白い視点。

全体性という特徴については、私利私欲を仕事に持ち込まないことが鍵となる。他人の妬みや羨み、足の引っ張り合いをなくす。自分の中の何かを我慢して仕事を行う必要はない。自分らしく仕事をできるように、オフィスを整えること。犬を連れてきたり、子供を連れてきてもよい。エゴを排除すると言っても、無私無欲が要求されるのではない。私たちは利己的でなく、完全に自分らしさを保ちながら、組織の進化目的の達成に向かって努力することができる。勤務中に自分を一部でも拒絶する必要はない(p.412)。こうしたことを実現するために、紛争解決プロセス、ミーティングルール、オフィスビルの工夫、人事制度などがある(p.242-244)。

全体性のくだりは、やや違和感を覚える。どうも論調は、仕事する私とそうでない私(onとoff)の分離を問題視して、私という全体を取り戻そうという話になっている(その先に世界全体との調和というより大きな全体性の話が来る)。ただ、ポイントはエゴを仕事に持ち込まないことだろう。相互信頼は、ペルソナ間では無理なのだろうか?発達段階の話からする進化型段階での自我の超越、全体性のテーマから、進化型組織において全体性が持ち込まれているように見える。ポイントが少しずれている感覚を個人的には持つ。

進化目的は、従来型組織では経営理念だったりビジョンにあたるようなもの。ただ、進化型組織の持っている進化目的は、その組織のためのものというより、より広い文脈にある。社会的課題の解決のようなものが据えられる。その目的が達成されるなら、自分の組織が達成する必要すらない。容易に他の組織と組んでいくし、利益を追うことも目的としない。利益は目的を実現するにしたがって得られていく副産物だ。進化目的とは、自分の組織が世界の中で何を実現したいのかという独自の目的を、従業員が感じ取り、自分の会社が生命体であると捉えるようなものだ(p.470f)。

こうした進化目的に向けて、進化型組織は目標数値などは設定しない。進化型組織の視点からは、未来は予測できないもの。目標数値の設定は意味がない。アジャイルなやり方が主(p.352-358)。こうして進化型組織は状況に合わせて変化し続ける。変革は自然に起こるため、チェンジマネジメントなどいう考えすらない(p.362)。ちなみに、こうした環境の変化への適応、数多く繰り返される実験的な事柄、変化の行方の分からない統制のなさといったところが、進化型組織の生命体との比喩の理由であり、「進化型」という名前の由来だろう(p.485)。だが、進化とは単独の生命体=組織で起こることではなく、世代を通じた淘汰において起こるもの。ちょっとずれがある。

最終章は進化型組織の作り方。進化型組織は一度できてしまえば、もう安泰なのではない。CEO(進化型組織は階層がなく最高責任者という概念はふさわしくないが、いわゆるCEO)や取締役会の理解がなければ、進化型組織もすぐに従来型に戻ってしまう(p.420-427)。三つの特徴のうち、一番達成しやすいのは進化目的。進化目的に関する慣行は、最も容易に受け入れられる可能性が高い(p.472)。もっとも難しいのは自主経営。自主経営を採用する進化型組織に移行する時に最も難しい問題は、ミドルマネジメント、シニアマネジメント、スタッフ部門の抵抗にどう対抗するかだ(p.455-457)。こうしたものができていない、スタートアップ企業は一番、進化型組織にしやすい。そもそも立ち上げの直後の段階はどこも自主経営される傾向がある。進化型組織はゼロから立ち上げる方が作りやすい(p.434)。

進化型組織への移行の仕方は三つ書かれる。創造的カオス、ボトムアップの再設計、既存テンプレート(p.457-461)。創造的カオスでは、ビッグバン的にトップダウンで組織を作り変えてしまう。このこと自体は進化型組織とは相いれないのだが、法措定暴力のようなものだ。ボトムアップの再設計では皆の同意を取りながら、組織を変革していく低速なアプローチ。既存テンプレートはすでにある進化型組織の形(ホラクラシーなど)を導入する。実際はこの導入の過程がトップダウンかボトムアップになり、前二つに吸収される区分だろう。

進化型組織が、自主経営・全体性・進化目的を実現するために持っている仕組み、慣行(p.438-443)。自主経営について3つ、助言プロセス、紛争解決メカニズム、同僚間の話し合いに基づく評価と給与決定プロセス。全体性について4つ、安全な空間を作るための基本ルール、オフィスや工場の設計、オンボーディング・プロセス(新人教育)、ミーティングで実践すべき慣行(参加者のエゴを防ぐ手段)。進化目的について2つ、採用プロセス、「誰も座らない椅子」(組織そのものの意見を代弁する)。よくまとめられている。

進化型組織への全面的な移行は、記されている通りリーダーやオーナーの世界観によってなされる。一見、従業員には関係のない話に見える。ただ、徐々にでも進化型組織の特徴を取り入れていなかければならないように、時代環境は要求しているのも確か。自分のチームで進化型組織の慣行をいくつか採用してみるなど、できることもあるだろう。誰もが一度は読んで、みずからの属する組織(それは企業に限らず、地域コミュニティーや学校かもしれない)について考えるべき。豊富な視点を提供する、貴重な一冊だろう。
35人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2021年3月10日に日本でレビュー済み
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大変勉強になりました
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2018年2月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
前半は組織モデルについて色別に分けてわかり易くされた発展段階が載っており、以下のようなイメージでした。こういった歴史的な段階を学ぶことで、自分の所属している組織が本当に正しい段階なのかという疑問が湧いたり、多くの気づきも得られました。
・レッド(衝動型):ジャイアンの世界。人を動かすのには最も手っ取り早い豪族やマフィアによる支配。
・アンバー(順応型):ピラミッド時代のように身分で支配する世界。支持命令の組織。業務フローはここで登場した。
・オレンジ(達成型):技術が進化するとそれぞれの村や国が出会うようになり、武器を発明しないといけない時代。一人一人を測定した能力主義となり、上層部の指示に従う部品だけの人生を歩む人もいる。
・グリーン(多元型):家族をメタファとした組織。従業員としてではなく、家族・仲間としてみんなで話し合いエンパワーメントする(ディズニーではキャスト、スターバックスではパートナー、お互いを名前で呼び合うなど)。欠点としては、なかなか物事が決まらないことと、最終決定はトップ層が決める為、そことの溝だけは大きくなる。
・ティール(進化型):上司がおらず、一人一人が意思決定しているけど信頼だけで成り立つ組織。
(前半の無職とマゼンダについては省略)

現在はオレンジやグリーンの段階の組織が多いが、組織論は人が関わることなので、なかなか試行錯誤できずにミニマムチェンジの連続で少しずつ進化させることしかできない。
これとは対極にプロダクトやサービスは、激変するテクノロジーやマーケティング手法の発展によって予想以上に早く進化する。この価値提案の変化速度に組織は本当に追随できるのだろうか?
そういった中で、ティール(進化型)組織には、上司がおらず、一人一人が意思決定をし、信頼だけで成り立つ組織のようで、もし本当に実現できる場合には、上記のような変化やその先に訪れる未来の社会にも迅速に適合したり変化できる可能性があるのではという期待が湧きました。
また、自然界の多くの生命は、季節や自然災害の変化を周りの雰囲気から察知し、自らの判断によって適応できている。なのに私たち人類は組織の中では、トップだけが最終的な意思決定をしている。この一見当たり前のような常識を破り、もし全ての人が持っている全ての力を組織の目的に注げれれば、組織も人もより持続し、人生をもっと大切にできるのではと感じました。

ティール組織は、主に以下の3つの共通項を持ちます。

①セルフマネジメント
組織の存在目的は何かということに向かい続ける。
具体的には
 ・この世界に何を実現したいか?
 ・世界はその組織に何を望んでいるのか?
 ・その組織がないと、世界は何を失うのか?
 このような目的をティールでは「ギフト」と呼び、常にギフトを徹底的に追求しており、自己調整のことではない。

②意思決定の助言プロセス
 影響が出そうな人にアドバイスを求めるが、必ず自分が決める。
 助言した人も、誤った意思決定されるのは怖いので真剣に語り合ってくれる。

③ホールネス(全体性)
 組織内で、その人の持っているらしさの一部しか使わない人生は勿体無い。複数役職を歓迎し、企業を維持する仕組みよりも、その人の人生の方を大切にする。

尚、本に紹介されている12社も上記の3つ全てができているわけではなく、どこもティール組織への進化を模索しているような状況である。
さらにこのような組織にはIT企業の方が少なく、規模も数十人から数万人までの組織に及ぶ。

ページ数が多いので、上記のような概要を最初に理解した上で読むと、より深い内容について理解ができる。私は後半に載っていた「これまでとは違う金融システム」のところが特に気に入っている。

また、これは書籍には載ってないが、私はブロックチェーン技術に興味があり、自立型分散テクノロジーと、人それぞれが自律しながら信頼しあうことで幸せになるティール組織の相性が非常に良さそうに感じた。組織論にもこのようなテクノロジーを取り入れ、それぞれの意思決定を信頼し、かつ、その合意がデジタルによって保証された組織にするのはいかがでしょうか?
112人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2021年6月20日に日本でレビュー済み
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ティール組織という組織に関する新しい概念を提唱してもらえたのは非常に有難いし面白いと思った。しかし、統計的なデータによる説明がほとんどなかったため説得力に乏しいと感じた。また、似たような企業エピソードが何個も続き、くどいと感じた。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2019年8月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「ティール組織」は今まで読んだビジネス書の中でベスト5に入りそうです。
正直、話題になっていた当時はただの組織論の本かと思ってましたが、内容を読んで驚愕しました。
これは大げさに言えば人類の進化、人と集団の歴史、文化人類学を描いた本です。
関連書籍を上げるとすると「サピエンス全史」や「銃・病原菌・鉄」がよいのではないかと思いました。

この「ティール組織」はマッキンゼー出身のフレデリック・ラルー氏によって書かれた本です。
本の中ではこれまでの人類が歩んできた組織構造を「レッド」、「アンバー」、「オレンジ」、「グリーン」、「ティール」と色に分けて定義されています。
簡単に説明すると「レッド」の組織はギャングのような力による支配の組織、強いリーダーによる恐怖の組織です。次の「アンバー」は階級的なピラミッド、「オレンジ」は多国籍企業のような実力主義、「グリーン」は家族的で人間関係を重視する組織と続いていくのですが、最後の「ティール」がまさに本題の「ティール組織」となっており、本の定義によると、マネージャーやリーダーなどの役職が存在せず、上司や部下といった概念もなく、各自が自立して動き、平等に権限を持ち成立する組織となっています。

それぞれの段階が層になっており組織の変遷を表しています。
これがかなり自分の中では腑に落ちますし、非常にわかりやすく納得感もあります。
まあもちろん本の中でも同じ会社でも単純に色分けできないと書かれていますが、本の中では世界中のティール組織を実現している会社が紹介されており、同じティールを実現している会社でも多様性があり興味深かったです。
まだこれは実践していかないとわからない面も多々ありますが、これからの組織や会社を考える上で考えさせられました。

ぜひマネージメント層などだけではなく、末端の一般従業員から個人事業主まで、自分の人生をどう世の中の組織と歩んでいくか考えるキッカケになると思うので、すべての働く方に読んでほしいです。
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2021年2月20日に日本でレビュー済み
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今、自分が所属している組織と照らし合わせて読むと非常に面白いです。前半に比べて後半は読みづらいところもありましたが、ビジネスに限らずあらゆる組織に所属し、そのマネジメントに疑問を持たれている方は是非とも一読する価値があると思いました。
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2020年1月26日に日本でレビュー済み
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自分的には既にこれに近い考え方をしていたことがこれを読んでわかった。

東芝やフォルクスワーゲンのニュースを見てきて達成型オレンジ組織に限界が来ていることは感じていた。
また日常の経営を通じて個人の自己管理能力、全体性を重んじて任せることによって個々人の顔つきが変わってくるのを目の辺りに感じた。経営者も全体を感じて適切な処置を講じることができるようになる。

だから著者の言いたいことはすんなり入ってきた。

インターネットで世界が繋がりAI、IoTで情報量爆発が起こり加速度的に世の中が変わってくる前提においてはこれまでの組織では恐竜のように絶滅する。各構成員が全体性、自己管理能力を持って常に進化していかないと滅びる。

社内にも周知したかったので買って社内に配布しました。
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