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定年前と定年後の働き方~サードエイジを生きる思考~ (光文社新書) Kindle版
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登録情報
- ASIN : B0C42W5716
- 出版社 : 光文社 (2023/5/17)
- 発売日 : 2023/5/17
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 6909 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 付箋メモ : Kindle Scribeで
- 本の長さ : 228ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 115,282位Kindleストア (Kindleストアの売れ筋ランキングを見る)
- - 788位光文社新書
- - 4,553位倫理学・道徳 (Kindleストア)
- - 4,571位自己啓発 (Kindleストア)
- カスタマーレビュー:
著者について
法政大学大学院政策創造研究科 教授
一橋大学社会学部卒業、産業能率大学大学院経営情報学研究科修士課程修了、法政大学大学院政策創造研究科博士後期課程修了、博士(政策学)。NEC、GE、米系ライフサイエンス会社を経て、現職。越境的学習、キャリア形成、人的資源管理、タレントマネジメント等が研究領域。日本労務学会副会長、人材育成学会常任理事、人事実践科学会議共同代表、一般社団法人シニアセカンドキャリア推進協会顧問、NPO法人二枚目の名刺共同研究パートナー、フリーランス協会アドバイザリーボード、専門社会調査士等。
主な著書:『越境学習入門』(共著)日本能率協会マネジメントセンター、『日本企業のタレントマネジメント』中央経済社、『地域とゆるくつながろう!』静岡新聞社(編著)、『越境的学習のメカニズム』福村出版、『パラレルキャリアを始めよう!』ダイヤモンド社、『会社人生を後悔しない40代からの仕事術』(共著)ダイヤモンド社、Mechanisms of Cross-Boundary Learning Communities of Practice and Job Crafting, (共著)Cambridge Scholars Publishing.
主な論文:Role of knowledge brokers in communities of practice in Japan, Journal of Knowledge Management, Vol.20,No.6,2016.
主な受賞:経営行動科学学会優秀研究賞(JAASアワード)(2020)、人材育成学会論文賞(2018)等
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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1. 幸福感のU字型カーブとエイジング・パラドックス
著者は、年齢と幸福感の関係を探求し、特に50代以降の幸福感がなぜ増加するのかについて説明しています。これは「U字型カーブ」と呼ばれ、生涯にわたる幸福感の変動を示しています。この理解を深めることで、読者は自身の働き方と生活にポジティブな変化をもたらすことができるかもしれません。
2. シニアの働き方への新たな視点
多くの場合、シニアの働き方は悲観的に捉えられがちですが、この書籍はそのステレオタイプに挑戦します。筆者はシニアが直面する固定観念を取り除き、個々の能力とポテンシャルを最大限に活用する方法を提案しています。
3. シニアを支援する具体的な戦略
本書では、シニアが職場で活躍し続けるための具体的な戦略が数多く紹介されています。ジョブ・クラフティングやキャリアの再設計など、具体的な方法が豊富に提供されており、読者が自身の状況に応じて適切な戦略を選べるようになっています。
この書籍を読むことで、シニア世代だけでなく、その家族や人事担当者も、年齢を重ねることの意味や可能性を新たに理解することができます。また、シニア自身が自らのキャリアをどのようにコントロールし続けることができるかの具体的なアイデアを得ることが可能です。
シニア世代に対する新しい視点と実践的なアプローチを提供するため、この重要な人生の段階に対する理解を深めたいすべての人にとって価値のある一冊です。個々の幸福感を高め、より充実した後半生を送るための指南書といえるでしょう。シニアに限らず、手に取ってみることをおすすめします。
なぜなら、我々はすぐシニアになるからです。
シニア前とシニア後には連続性があり、いい働き方をするために必要なマインドや行動をいますぐ学ぶ必要があると感じました。
しかしながら、「シニアは働くべき」という価値観を押し付けるものではありませんので、「知っていると楽になる」程度でも構わないと思います。
とても読みやすかったです。
そんな時に本書に出会った。タイトルよりも副題の「サードエイジを生きる思考」に強烈に惹かれた。
本書は、社会に蔓延する無意識な年齢差別(エイジズム)がシニアに悪いピグマリオン効果を発生させていることをデータと理論を組み合わせて問題提起するところから始まる。そして、「主観的幸福感」を構成する要素に生きがいを示す「エウダイモニア」があることを示す。
本書の特筆すべき点は、このエウダイモニアをどう見つけていくかを、理論的・実証的に示している点である。理論でいえば、これまでにも提示されている理論はあったが、個々人が具体的にどう考えればよいかまでは示されていなかった。実証でいえば、実に豊富な事例で考え方の実例を示してくれている。
また、シニア各個々人がどう考えるかだけではなく、組織がどうシニアを活用するかまで詳述されていることは、実に現実的であると言える。少子高齢化が進む中、本書は日本経済を復活させるカギとなるといっても過言ではない。
幸福に働く鍵だと提起していますが、これはあえての結果提示であって、その本質は読者が本書を読み
進めるなかで発見するようにされているのではないでしょうか?
まったくの個人的な感想に過ぎないのを承知で書くなら、その本当のカギは「エウダイモニア」(人生
における意義や目的意識)という高尚なレベルのものというよりも、「SST(Socioemotional Selective
Theory)社会情動的選択性理論」にある”短い展望” と ”人生の有限性への意識” 、そして「SOC理論
(Selection Optimization with Compensation)選択最適化補償理論」にある”喪失するからこその
獲得” あるいはさらに絞るならその要素の中の ”選択” がポイントなのだと我が身を振り返ると感じます。
言い換えるなら、有限性と喪失を受入れることによる「諦観」を通じて、「自己主義」(利己主義では
なく、自分本位の考え方)を旨に生きると幸福感が高まるのではないでしょうか?
さらに言うと、何者かになる「成長」ではなく、何者であるかを探究する「成熟」を目指すことを勧
めているのかもしれません。
この本の中で印象的だったのは、喩えでよく出てくる3人の石工の話の解釈を、大聖堂を作ることを
目的とする職人ではなく、石切りとしての最高の仕事を目指す2人目の方が、シニアがめざす姿を象徴
しているのではないかという著者の指摘でした。
別の個所では、競争に勝つことよりも専門性を追求し、小さな仕事を無理なく働くものへと変えるこ
とが重要だと主張しています。
両者に言えるのは、組織の中での自分の位置づけを考えるのではなく、自分がまず在って、そこから
どう周囲と関わっていくかへの矢印の向きが変わっていることです。管理職(マネジャー)がその役
割を降りてプレイヤーになる哀しみを受容できたら、誰かをマネジ(なんとかやりくり)して動いて
もらう他者本位の働き方ではなくて、”自分の”、”いま(短期の)”、”ここ(目の前にある小さな)” に
ある目標に打ち込むことが、シニアとしてもちたい納得感のある働く意味なのかもしれません。
本書の末尾近くに書かれているかつての箴言が、今現実味を帯びて私たちに問いかけているところも
響きます。
実は幸福を追い求めすぎるという態度は、その個人の幸福感を損なう
本書には一言も出てきませんが、石山さんと同年代の私たちが、この年代だからこそ達しやすい境地
として「禅の精神」にも似た、いまここの私に焦点を当てるからこそ、逆説的に無限性を得られるこ
とを知り、生きる意味を味わえるのかもしれません。
著者の博学と奥深さを感じずにはいられない書であり、より善いシニア時代とサードエイジを過ごし
たい人には是非勧めたい本です。
理由は3つ:
① 理論と実証研究をもとに、定年前後の(多くは正規雇用)ビジネスパーソン(特に男性)がどのような心理状態にあるかを「客観的」に理解できる情報を提供しています。この分野のことは、予断や思い込み、エイジズムを含むアンコンシャスバイアスが多いのですが、それらを排除した、立体的な姿がくっきりと見えてきます。この入り口は眼からウロコです。理論と実証研究は確実に価値を生む好例です。
「(シニアの働き方への)悲観的な捉え方は、幸福感と仕事への熱意の調査を見る限り、あてはまっていなかった。むしろシニアの働き方への悲観的な捉え方は、神話の類だったのかもしれない」p.48
② 「定年前後のプロセスを分断せず連続的にとらえることが望ましい」という具体的な指摘も納得です。そのために「たそがれ研修」でなく「第一線で活躍する能力」を作り込んでいくことの大切さを指摘しています。どういう定年後を生きるかは、各自が自由に判断し多様であってよいという大前提のもと、エイジズムに入り込まないための具体的な取組み方法が示されています。
「理論を知らなくても実践はできる。ただ、理論を知っていれば、さらに効果的に実践できる可能性がある。(中略)その際は定年前と定年後を連続的に捉えることが望ましい」p.78
③ 客観と主観のいいあんばいでのブレンド。石山さん自身が「当事者」であり、自身が研究対象でもあるという自覚のもと、客観と主観の往来をしています。まさにご自身が越境学習的に「定年前と定年後」というテーマを体験しアンラーニング&リラーニングを繰り返している姿勢が織り込まれています。石山さん自身の思いや願いが、行間にあらわれ、共感できます。
「筆者も今や、サードエイジの只中にある。研究課題に対して、それを自分と切り離した課題と考えることは、様々な困難がつきまとうだろう」p.227
本書に特に言及はないですが、リンダ・グラットンが提唱するポートフォリオワーカーを思い出しました。私自身、そのような働き方をしているので、1週間の中でも、何度も、小さな越境を繰り返し、アンラーニングとリラーニングをしている実感がありましたが、本書でその理由がよくわかりました。
ライフデザインを進める意欲と視点をたくさんくれる本です。