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村上春樹、河合隼雄に会いにいく (新潮文庫) 文庫 – 1998/12/25
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- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日1998/12/25
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104101001456
- ISBN-13978-4101001456
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カラフルで夢があふれるイラストと、その隣に気持ちよさそうに寄りそうハートウォーミングなエッセイでつづる 25 編。 | ギリシャ正教の聖地アトスをひたすら歩くギリシャ編。一転、四駆を駆ってトルコ一周の旅へ──。タフでワイルドな冒険旅行! | 本書を一読すれば、誰でも村上ワールドの仲間になれます。安西水丸画伯のイラスト入りで贈る、村上春樹のエッセンス、全 31 編! | ’84 年の世田谷の路地裏から’38 年の満州蒙古国境、駅前のクリーニング店から意識の井戸の底まで、探索の年代記は開始される。〈読売文学賞受賞〉 | 読者が参加する小説「ストッキング」から、全篇関西弁で書かれた「ことわざ」まで、謎とユーモアに満ちた「超短篇」小説 36本。 | アメリカ体験や家族問題、オウム事件と阪神大震災の衝撃などを深く論じながら、ポジティブな新しい生き方を探る長編対談。 |
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (1998/12/25)
- 発売日 : 1998/12/25
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 240ページ
- ISBN-10 : 4101001456
- ISBN-13 : 978-4101001456
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 23,128位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 24位論文集・講演集・対談集
- - 63位ロシア・東欧文学研究
- - 433位日本文学研究
- カスタマーレビュー:
著者について
1949(昭和24)年、京都府生れ。早稲田大学文学部卒業。
1979年、『風の歌を聴け』でデビュー、群像新人文学賞受賞。主著に『羊をめぐる冒険』(野間文芸新人賞)、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞受賞)、『ねじまき鳥クロニクル』(読売文学賞)、『ノルウェイの森』、『アンダーグラウンド』、『スプートニクの恋人』、『神の子どもたちはみな踊る』、『海辺のカフカ』、『アフターダーク』など。『レイモンド・カーヴァー全集』、『心臓を貫かれて』、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』、『ロング・グッドバイ』など訳書も多数。
(1928-2007)兵庫県生れ。京大理学部卒。京大教授。
日本のユング派心理学の第一人者であり、臨床心理学者。文化功労者。文化庁長官を務める。独自の視点から日本の文化や社会、日本人の精神構造を考察し続け、物語世界にも造詣が深かった。著書は『昔話と日本人の心』(大佛次郎賞)『明恵 夢を生きる』(新潮学芸賞)『こころの処方箋』『猫だましい』『大人の友情』『心の扉を開く』『縦糸横糸』『泣き虫ハァちゃん』など多数。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
私を含め含め幅広いか階層において暴力の意味する範疇がもはや収拾がつかない状況にあると痛切に感じている。痛みの伴わない正義について言及があったが、痛みを引きうけてでも優先したい正義が我の中に存在するのか、確信が持てない方が多いのではないか。報われない日常を引き受けつつ、今日受けた温情に感謝を示すことができればと思うのである。
韓国と中国は欧米文化が入って個人主義が強くなったのではなくファミリーエゴであり、日本はフィールドに関したものだというところがへぇーとなった
カタルシス、スポンテイニアスとか、横文字止めて欲しい。
内容はいいです。
なお、これはおそらく紙媒体も同じだと思いますが、文字の書体が、普通の活字ではなくて、個性的な手書き風の書体であって、個人的にはこれも読みにくい要因になっています。
内容的には、村上氏の小説のユング学派による心理学的な読み解きを期待したのですが、あまりそういうこともなく、肩透かしを食らいました。かといって、文学的な対談という趣も薄く、あえて言えば社会学的な対談と表現したほうがいいかもしれません。
河合隼雄氏の作品は20年前「心の処方箋」で助けられた経験があった。
共著ということで読み始めたら、あっという間に完読した。
大変面白い本になっている。
どちらも欧米体験があり、日本と欧米の文化比較論も楽しめる。河合の「箱庭療法」は説明
不足で(理解不足かも)具体的なイメージが湧いてこない。注釈で簡単な追加説明が必要だ
ろう。また、村上のインタビューでは当たり前になっているが、使用されているカタカナ英
語を日本語で説明してもらえればよかった。例えば、「スポンティニアス」「アフォリズム」
「デタッチメント」「コミットメント」などである。それぞれが深い意味を持つだろう。
日本語化が難しいのでカタカナ英語で表示しているのだろうが、前後の文章読解のため易し
い日本語に置き換えてもらえば理解が深まると思うが、どうだろうか。
村上、河合対話の快いリズム感が読者に伝わってくる。あまり笑顔を見せない村上に、河
合がいつもの素朴な笑顔で答えている光景が浮かんでくる。村上ワールド、例えば、なぜ小
説を書くのか、作品の変遷について、言語と思考システムについてなど、生の声である。
小説をなぜ書くのか。村上の表現を借りても具体的なイメージはうかんでこない。読者は
霞の向こうに想像し、彼の作品を待つよりない。村上自身の意識下にあるもので、忖度する
のは不可能である。「言葉でできないから物語を書く」「心的イメージを物語に置き換える」
と云う表現から読者はヒントをもらえる。また「欠落部分を抱えている」「作家生活は欠落
を埋めるための仕事」とも云っている。村上の「欠落」していることは何か。これも当然、
読者にはわからない。「成長過程で自我が傷付けられた」何か負の部分があるのか。他者に
あり自分に欠けている何かか。「自己治癒」のところで「自分の中にどのようなメッセージ
があるのかを探し出すために書く」とも云っている。
「欠落部分」と「メッセージ」は、「井戸掘り」と「壁抜け」の理論につながっていくの
だろうか。『ねじまき鳥クロニクル』のテーマにもなっている。「壁抜け」はマルセル・エ
イメ『壁抜け男』からでもなかろう。壁抜けとか井戸掘りは心の深層世界、無意識域を表示
しているのだろう。心の井戸を掘って無意識世界をあぶり出し、言語化していく。井戸を深
く掘れば掘るほど壁も多面体になり壁抜けの回数が多くなる。しかし、隔てられているよう
に見える世界も実は壁もなく隔てられていない、と云う結論になる。
村上のいう小説の「マテリアル(素材)」を探し出す井戸には、素材になる集合体意識
(「歴史、記憶、体験、読み、見てきたもの」)が積層しているのだろう。
言語の問題も興味深い。同じ日本語でありながら関西弁と東京言語で、思考の分割が生じ
るという。村上は「第二言語」の東京言語で小説を書いている。東京言語世界と関西弁世界
で、小説を書く意識が違ってくるという。
村上は立ち止まらず新しい挑戦をし、進化していくことは確かである。絶えず井戸を掘り、
新しい水脈を探し求めている。水脈は無尽蔵だろう。
新潮社雑誌『考える人』2010年夏季号で、松家仁之の質問に答える「村上春樹ロングインタ
ビュー」を併読すれば、一層村上ワールドが理解できる。