日本の性文化は、江戸時代まで、女性蔑視、差別などという概念はなく寛容であったということを認識させられました。
本書のなかで、日本では、「男女混浴は恥ずかしいことでも、いけないことでもないのである。」「売春婦は、社会的身分として、かならずしも恥辱とか不名誉とかを伴うものではなく、他の職業とくらべて、何ら見劣りすることのない、全うな生活手段とみなされている。」とあり、日本では、性文化に寛容であったことが伺えます。
現代、ジェンダーフリー、LBGTなど性の多様性について声高に唱えられていますが、本書にあるような日本の性文化を考えると違和感を感じざるを得ませんでした。
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シュリーマン旅行記 清国・日本 (講談社学術文庫 (1325)) 文庫 – 1998/4/10
ハインリッヒ・シュリーマン
(著),
石井 和子
(翻訳)
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トロイア遺跡の発掘で知られるハインリッヒ・シュリーマン。彼はその発掘に先立つ6年前、世界旅行の途中、中国につづいて幕末の日本を訪れている。3ヵ月という短期間の滞在にもかかわらず、江戸を中心とした当時の日本の様子を、なんの偏見にも捉われず、清新かつ客観的に観察した。執拗なまでの探究心と旺盛な情熱で、転換期日本の実像を生き生きと活写したシュリーマンの興味つきない見聞記。
これまで方々の国でいろいろな旅行者にであったが、彼らはみな感激した面持ちで日本について語ってくれた。私はかねてから、この国を訪れたいという思いに身を焦がしていたのである。──(第4章 江戸上陸より)
これまで方々の国でいろいろな旅行者にであったが、彼らはみな感激した面持ちで日本について語ってくれた。私はかねてから、この国を訪れたいという思いに身を焦がしていたのである。──(第4章 江戸上陸より)
- ISBN-104061593250
- ISBN-13978-4061593251
- 出版社講談社
- 発売日1998/4/10
- 言語日本語
- 寸法10.8 x 1 x 14.8 cm
- 本の長さ222ページ
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商品の説明
著者について
【ハインリッヒ・シュリーマン】
1822年ドイツ生まれ。若い頃移り住んだロシアで藍の商売を手がけ巨万の富を得る。1864年世界漫遊に旅立ち、翌65年日本に立寄る。1871年世界的なトロイア遺跡の発掘に成功、以後ミケナイなどの発掘を続ける。1890年ナポリにて急死。主著に、Mykenae,Trojaなど。
【石井和子】
東京生まれ。仏英和高等女学校(現白百合学園)、東京音楽学校(現東京芸術大学)卒業。
1822年ドイツ生まれ。若い頃移り住んだロシアで藍の商売を手がけ巨万の富を得る。1864年世界漫遊に旅立ち、翌65年日本に立寄る。1871年世界的なトロイア遺跡の発掘に成功、以後ミケナイなどの発掘を続ける。1890年ナポリにて急死。主著に、Mykenae,Trojaなど。
【石井和子】
東京生まれ。仏英和高等女学校(現白百合学園)、東京音楽学校(現東京芸術大学)卒業。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (1998/4/10)
- 発売日 : 1998/4/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 222ページ
- ISBN-10 : 4061593250
- ISBN-13 : 978-4061593251
- 寸法 : 10.8 x 1 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 15,685位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 20位講談社学術文庫
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2024年1月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読後感、、、自分自身が、シュリーマンと一緒に、当時の清国や日本をウロチョロ(笑)しているような、まるで同行しているみたい、、、ということかしら。
シュリーマンの一挙手一投足を丁寧に、その心持を表すかのように、記されているのです。現地で、彼が見聞きしたもの、感じたことなどを率直に記述するに、石井様の手になる文体はお優しく、ピッタリと思います。試しに、いくつかのフレーズを、自分なりに書き直してみたのだけれど、だめだったなあ、石井様、すごし!
この本は、シュリーマンの旅行記(あたりまえですね(笑))であると同時に、翻訳者の石井様のシュリーマンの館探訪記や翻訳にあたって思うところが付録その1でついていること、付録その2として、木村尚三郎先生の解説つきなんです。お買い得です(笑)。
シュリーマンの一挙手一投足を丁寧に、その心持を表すかのように、記されているのです。現地で、彼が見聞きしたもの、感じたことなどを率直に記述するに、石井様の手になる文体はお優しく、ピッタリと思います。試しに、いくつかのフレーズを、自分なりに書き直してみたのだけれど、だめだったなあ、石井様、すごし!
この本は、シュリーマンの旅行記(あたりまえですね(笑))であると同時に、翻訳者の石井様のシュリーマンの館探訪記や翻訳にあたって思うところが付録その1でついていること、付録その2として、木村尚三郎先生の解説つきなんです。お買い得です(笑)。
2022年11月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
外国人、特に国内を旅行した人からの、自国との生活風習との対比がよく書かれている。
2022年3月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
さすがにシュリーマン。日本人の服装から、身なりに至るまで、細かい観察眼のまま、国土と、日本人を描いています。そして、日本人の純粋な、誠実さまで、表現されていました。このような描写を待っていました。
2015年12月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本自体は非常にきれいですが、中のページに赤い線(ボールペン)が何ヶ所もあって、ちょっとガッカリ!
2022年1月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
こんな貴重な資料はない!江戸末期と中國の状況を知るタイムトンネル!是非見るべし!
2017年8月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
シュリーマンについては、中学生のころ、トロイア遺跡の発見発掘者として社会科で習った記憶がある。
本書をもっと早く読みたかったが、色々な事情で今日まで遅れてしまった。
本書は150年前の清国と日本の姿を生き生きと描いている。
最初に訪れた清国では天津と北京について、書かれているが、清国の街や人々の不潔さにはほとほとあきれたようだ。
その不潔さの中、清国の食べ物を食べ、滞在してよく病気にならなかったと感心する。
しかし、万里の長城の壮大さや、そこからの眺めについては絶賛しているから、別に人種的偏見の持ち主でもない。
そのあとで訪問した日本は、清国と対照的に世界中で一番清潔な国と思ったようだ。
また、日本の生活の無駄の無さにも驚いている。
たとえば日本には家具というものが一切ない、とされているが、本当にそうなら江戸時代の人々はどうやって収納していたのだろうか。
押入れはあったろうから、その辺は見落としていたのかもしれない。
食事は畳の上に座って直に食べているように書いてある。お膳のようなものは見なかったのだろうか。
いまでいう公衆浴場では男女混浴に驚いているが、それを野蛮な風習とは見ないで、世界には異なる文化が存在する証左と受け止めているようだ。
当時の江戸でも外国人の姿は珍しく、彼ら外国人が通ると人の山が出来るが、風呂屋から真っ裸で男女が飛び出してきて恥ずかしそうにもしていない。
そもそも、一般の日本人男性は裸に下帯一本で生活しており、なかには全身に見事な刺青をしているものもあり、基本的には裸に羞恥心はない国と感じたようだ。
彼を守ってくれる幕府の役人たちも謹厳実直・清廉潔白を絵に描いたような人々ばかりである。
腐敗した清国から日本に回ったシュリーマンの眼には、ことさら日本人の生活の清潔さ、効率の良さ、まじめさが目に付いたのかもしれない。
最近はテレビなどで訪日外国人に日本の良さを語らせる番組がことさら多くなったような気がする。
しかし、150年も昔から訪日外国人は日本の良さに驚嘆していたことを、われわれ日本人は誇りにおもってよいのではないだろうか。
本書はフランス語で書かれたものを石井和子氏が達意の日本語に翻訳されている。
巻末に、本書を翻訳するに至った経緯など長文のあとがきがあるのも大いに参考になる。
本書をもっと早く読みたかったが、色々な事情で今日まで遅れてしまった。
本書は150年前の清国と日本の姿を生き生きと描いている。
最初に訪れた清国では天津と北京について、書かれているが、清国の街や人々の不潔さにはほとほとあきれたようだ。
その不潔さの中、清国の食べ物を食べ、滞在してよく病気にならなかったと感心する。
しかし、万里の長城の壮大さや、そこからの眺めについては絶賛しているから、別に人種的偏見の持ち主でもない。
そのあとで訪問した日本は、清国と対照的に世界中で一番清潔な国と思ったようだ。
また、日本の生活の無駄の無さにも驚いている。
たとえば日本には家具というものが一切ない、とされているが、本当にそうなら江戸時代の人々はどうやって収納していたのだろうか。
押入れはあったろうから、その辺は見落としていたのかもしれない。
食事は畳の上に座って直に食べているように書いてある。お膳のようなものは見なかったのだろうか。
いまでいう公衆浴場では男女混浴に驚いているが、それを野蛮な風習とは見ないで、世界には異なる文化が存在する証左と受け止めているようだ。
当時の江戸でも外国人の姿は珍しく、彼ら外国人が通ると人の山が出来るが、風呂屋から真っ裸で男女が飛び出してきて恥ずかしそうにもしていない。
そもそも、一般の日本人男性は裸に下帯一本で生活しており、なかには全身に見事な刺青をしているものもあり、基本的には裸に羞恥心はない国と感じたようだ。
彼を守ってくれる幕府の役人たちも謹厳実直・清廉潔白を絵に描いたような人々ばかりである。
腐敗した清国から日本に回ったシュリーマンの眼には、ことさら日本人の生活の清潔さ、効率の良さ、まじめさが目に付いたのかもしれない。
最近はテレビなどで訪日外国人に日本の良さを語らせる番組がことさら多くなったような気がする。
しかし、150年も昔から訪日外国人は日本の良さに驚嘆していたことを、われわれ日本人は誇りにおもってよいのではないだろうか。
本書はフランス語で書かれたものを石井和子氏が達意の日本語に翻訳されている。
巻末に、本書を翻訳するに至った経緯など長文のあとがきがあるのも大いに参考になる。