著者の、特に平文時の表現力が好きです。冒頭の高校生がいじめられるシーンの心理描写なんかは非常にリアリティがあります。
各登場人物のセリフについては、ややクサイというか、「こんなこと言う人いるかな?」と思う部分はありました。
メインキャラたちが聖人君子ではなく、愛するものだけを必死に守ろうとしているところが現実的でよかったです。
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滅びの前のシャングリラ (中公文庫 な 81-1) 文庫 – 2024/1/23
凪良 ゆう
(著)
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「明日死ねたら楽なのにとずっと夢見ていた。
なのに最期の最期になって、もう少し生きてみてもよかったと思っている」
「一ヶ月後、小惑星が衝突し、地球は滅びる」。学校でいじめを受ける友樹、人を殺したヤクザの信士、恋人から逃げ出した静香。そして――荒廃していく世界の中で、人生をうまく生きられなかった人びとは、最期の時までをどう過ごすのか。滅びゆく運命の中で、幸せについて問う傑作。
〈巻末対談〉新井素子×凪良ゆう
なのに最期の最期になって、もう少し生きてみてもよかったと思っている」
「一ヶ月後、小惑星が衝突し、地球は滅びる」。学校でいじめを受ける友樹、人を殺したヤクザの信士、恋人から逃げ出した静香。そして――荒廃していく世界の中で、人生をうまく生きられなかった人びとは、最期の時までをどう過ごすのか。滅びゆく運命の中で、幸せについて問う傑作。
〈巻末対談〉新井素子×凪良ゆう
- 本の長さ400ページ
- 言語日本語
- 出版社中央公論新社
- 発売日2024/1/23
- 寸法2 x 10.5 x 15.1 cm
- ISBN-104122074711
- ISBN-13978-4122074712
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商品の説明
著者について
凪良ゆう
京都市在住。二〇〇七年に白泉社よりデビュー。以降、各社でボーイズラブ作品を精力的に刊行する。二〇年、一般文芸における初単行本『流浪の月』で本屋大賞を受賞。二一年『滅びの前のシャングリラ』で二年連続本屋大賞ノミネート、「キノベス!2021」一位を受賞。二三年『汝、星のごとく』で二度目の本屋大賞受賞をはじめ、数多くの賞を受賞する。ほかの著書に〈美しい彼〉シリーズ、『神さまのビオトープ』『わたしの美しい庭』『星を編む』などがある。
京都市在住。二〇〇七年に白泉社よりデビュー。以降、各社でボーイズラブ作品を精力的に刊行する。二〇年、一般文芸における初単行本『流浪の月』で本屋大賞を受賞。二一年『滅びの前のシャングリラ』で二年連続本屋大賞ノミネート、「キノベス!2021」一位を受賞。二三年『汝、星のごとく』で二度目の本屋大賞受賞をはじめ、数多くの賞を受賞する。ほかの著書に〈美しい彼〉シリーズ、『神さまのビオトープ』『わたしの美しい庭』『星を編む』などがある。
登録情報
- 出版社 : 中央公論新社 (2024/1/23)
- 発売日 : 2024/1/23
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 400ページ
- ISBN-10 : 4122074711
- ISBN-13 : 978-4122074712
- 寸法 : 2 x 10.5 x 15.1 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 4,697位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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【凪良ゆう(なぎら・ゆう)】
京都市在住。2006年にBL作品にてデビューし、代表作に21年に連続TVドラマ化された「美しい彼」シリーズなど多数。17年非BL作品である『神さまのビオトープ』(講談社タイガ)を刊行し高い支持を得る。19年に『流浪の月』と『わたしの美しい庭』を刊行。20年『流浪の月』で本屋大賞を受賞。同作は22年5月に実写映画が公開された。20年刊行の『滅びの前のシャングリラ』で2年連続本屋大賞ノミネート。その他の著書に『汝、星のごとく』など。
イメージ付きのレビュー
5 星
限界を見た時の人間関係
一気に読みました。書き出し、そして後半に行くにつれこれは途中で読むのをやめてはいけないと思うほどの作品でした。人類への余命宣告の理由はともかく、それに伴う人々の葛藤や倫理や秩序が崩れていくざまや、人間の本性やそれを取り巻く環境の裏表など、これを無様な人の姿と見るのか、それでも絆が確かにそこにあると見るのか意見はわかれそうです。多方面からの人々のつながりに感動しました。今の社会に、そしてこれからの人々に、いざ自分がこの立場ならどうするのか問われているようにもおもいます。とても素晴らしい作品だと思いました。
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上位レビュー、対象国: 日本
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2024年3月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
世界滅亡をまえに、世の中がどんどん荒んでいき、悲惨な出来事が普通になってしまうなかで、えなくんを中心に暖かい人たちの暖かさがいっそう際立つはなし。
どこか、不完全燃焼で終わる人生だけど、これでよかった、と思える終わりかた。
どこか、不完全燃焼で終わる人生だけど、これでよかった、と思える終わりかた。
2024年6月1日に日本でレビュー済み
江那友樹(えなゆうき)という高校生が主人公である。ぽっちゃり型の体型で運動が苦手、勉強も得意ではない。学校でのカーストも低く、パシリをさせられている。いじめられることもある。人生に絶望して生きている友樹だが、そんなある日に、小惑星が地球に衝突するというニュースが流れる。しかも、1か月後に。
直径10キロの小惑星だという。これは、恐竜を絶滅させた小惑星と同じサイズである。人類は絶滅してしまうのか。
しかし、次の朝友樹が学校に行くと、みんないつも通りに登校していた。ただ、さすがに普通ではない。先生は板書を何カ所も間違い、午後は学校を休校にするかどうかを決定するために会議をするという。
結局、学校はその次の日に休校になり、友樹は片想いしていた同級生の藤原さんの後をついて行く。
藤森さんは医者の家の子だが、養子だった。東京には実の親がいて、その2人に会いに行くのだ。
友樹の母親の静香のところには、昔付き合っていたヤクザの目力(めじから)が来ていた。あと1か月で人類が終わると知って会いに来たのだ。2人は他にすることもないため、友樹に会いに東京へ行く。
藤森さんをいじめっ子の同級生から助けた友樹だが、その同級生に殺されそうになっていたところに、都合良く目力たちが駆けつけ、友樹と藤森さんは助かった。
だんだん終末に向かって進んでいく世界。どういうラストを用意しているのだろうと興味が湧く。私はクリスチャンなので、死んだら天国に行けると信じている。しかし、信仰のない人は怖いだろうと思う。全くないとは言えないシチュエーションで、世界が無法地帯になっていく様のほうが怖かった。死は必ずやって来るが、できるだけ平和に死にたいものだ。
直径10キロの小惑星だという。これは、恐竜を絶滅させた小惑星と同じサイズである。人類は絶滅してしまうのか。
しかし、次の朝友樹が学校に行くと、みんないつも通りに登校していた。ただ、さすがに普通ではない。先生は板書を何カ所も間違い、午後は学校を休校にするかどうかを決定するために会議をするという。
結局、学校はその次の日に休校になり、友樹は片想いしていた同級生の藤原さんの後をついて行く。
藤森さんは医者の家の子だが、養子だった。東京には実の親がいて、その2人に会いに行くのだ。
友樹の母親の静香のところには、昔付き合っていたヤクザの目力(めじから)が来ていた。あと1か月で人類が終わると知って会いに来たのだ。2人は他にすることもないため、友樹に会いに東京へ行く。
藤森さんをいじめっ子の同級生から助けた友樹だが、その同級生に殺されそうになっていたところに、都合良く目力たちが駆けつけ、友樹と藤森さんは助かった。
だんだん終末に向かって進んでいく世界。どういうラストを用意しているのだろうと興味が湧く。私はクリスチャンなので、死んだら天国に行けると信じている。しかし、信仰のない人は怖いだろうと思う。全くないとは言えないシチュエーションで、世界が無法地帯になっていく様のほうが怖かった。死は必ずやって来るが、できるだけ平和に死にたいものだ。
2022年9月29日に日本でレビュー済み
本屋大賞7位ということで読んでみた。隕石衝突前という設定を4章のオムニバス作品で構成し息子、両親、歌手それぞれの視点で描かれている。
イジメ、ヤクザ、母親、歌手という各章の内容が短編小説並みに濃く、逆に隕石の話が淡白となり全体的にぼやけた印象だった。
イジメ、ヤクザ、母親、歌手という各章の内容が短編小説並みに濃く、逆に隕石の話が淡白となり全体的にぼやけた印象だった。
2023年6月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
地球は滅亡するのに、こんな爽やかな読後感を得られるとは想像していませんでした。
あと、これってジャンルとしてはSFですよね。凪良ゆうさんの本は「流浪の月」と「汝、星のごとく」と「神様のビオトープ」しか読んでいなかったので、認識を新たにしました。BLは苦手なんだけど、BL時代にもSFは書かれていたのかな?
あと、これってジャンルとしてはSFですよね。凪良ゆうさんの本は「流浪の月」と「汝、星のごとく」と「神様のビオトープ」しか読んでいなかったので、認識を新たにしました。BLは苦手なんだけど、BL時代にもSFは書かれていたのかな?
2024年2月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最初は10代の描写なので、とっくに大人になった自分にとって少しこそばゆいような、忘れかけていた痛みなども感じて読み進めるのが少しつらかった。
粗野と言うには生ぬるい男と、色んな人生を抱えた人たちが出てきてからはページをめくる手を止め難く。
自分の死期が、既にわかっていればいいのにとよく考えていた。
それまでに自分が優先したいことがなんなのか、想像するより更にクリアになる気がして。
善も悪も価値も金もステータスも、死ぬとわかっているなら何が変わるのかな??
読書の良さを思い出した。
読み終わったから終わりではない。
そのあと延々と巡る自分の思考と共に、捉えていたものがじわりと変化していくこの余韻。
死ぬまで生きることが、生きるということか。
また再読しようと思う。
粗野と言うには生ぬるい男と、色んな人生を抱えた人たちが出てきてからはページをめくる手を止め難く。
自分の死期が、既にわかっていればいいのにとよく考えていた。
それまでに自分が優先したいことがなんなのか、想像するより更にクリアになる気がして。
善も悪も価値も金もステータスも、死ぬとわかっているなら何が変わるのかな??
読書の良さを思い出した。
読み終わったから終わりではない。
そのあと延々と巡る自分の思考と共に、捉えていたものがじわりと変化していくこの余韻。
死ぬまで生きることが、生きるということか。
また再読しようと思う。
2024年3月11日に日本でレビュー済み
破滅に向かっているからこそわかる本質もあるのだなと思う。
漫画的な展開でファンタジーと受け止められる人なら楽しめる筈。
死に向かってるんだけど爽快感があった。
漫画的な展開でファンタジーと受け止められる人なら楽しめる筈。
死に向かってるんだけど爽快感があった。
2024年1月26日に日本でレビュー済み
一ヶ月後、小惑星が地球に衝突する。
日常が崩壊していく世界で、平常を上手く生きられていなかった主人公達の物語。
恋の物語でもあり、親子の物語でもあり、愛の物語でもある。そして、生きるという物語。
どうしようもなく切なくて、終わるな終わるなと思いながらページを捲って、読み終えてしまいました。
個人的には、崩壊してもなお一部がインフラを支えているという設定も好きでした。
最後も良かった。ほんと、読んで良かったです!
日常が崩壊していく世界で、平常を上手く生きられていなかった主人公達の物語。
恋の物語でもあり、親子の物語でもあり、愛の物語でもある。そして、生きるという物語。
どうしようもなく切なくて、終わるな終わるなと思いながらページを捲って、読み終えてしまいました。
個人的には、崩壊してもなお一部がインフラを支えているという設定も好きでした。
最後も良かった。ほんと、読んで良かったです!