タッチの差で前書 Pen Plus を購入しそこなったので、本書 Pen Books との正確な比較はできないが、これはこれで「神田松之丞改め六代目神田伯山」の立派な紹介本になっていると思う。
商品の説明「内容紹介」にもあるように、本書には、神田松之丞としての「ロング・インタヴュー」が2本（2018年8月と2019年7月分）、師匠で人間国宝の神田松鯉の「松之丞なりの神田伯山を」、演芸評論家長井好弘の「『神田伯山』について私が知っている二、三の事柄」、放送作家高田文夫・漫才師太田光・映画プロデュ―サー鈴木敏夫らによる「神田松之丞改め六代目神田伯山を語る」、作家万城目学・文芸評論家杉江松恋・古書店主の内堀弘らによる「エッセイ」、その他、丸龍ジョーの「神田松之丞とその時代」や生島淳の「快進撃が止まらない、神田松之丞の軌跡」などの寄稿文の間に、2014年から2019年にかけての高座と2020年の完全通し5日間公演の写真や、伯山自身が選んだ「勝負ネタベスト10」・「寄せネタベスト10」などが散りばめられている。
巻末には、これでもかと言わんばかりに、「CDで聴く、DVDで観る、松之丞の講談」、「講談に興味が湧いたら、読んでみたい本」、「伯山の高座が楽しめる、東京の寄席・定席マップ」、「気軽に足を運びたい、都内にある4軒の寄席」、「日本講談協会の定席」などのリストがイラストや地図と共に挙げてある。
「神田伯山」が誕生したのが、ほんのこの前（2020年2月11日）だから、今のところ「神田松之丞」をザックリと語るには、この1冊で十分だろう。ただこれからの「伯山」を追って行くのは大変かも知れない。
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