著者の竹田道哉さんとの出会いは、フェイスブックであった。
否、それ以前から、私は竹田さんが書く「舟入散歩」というブログの愛読者だった。
当時、私は、印刷会社でDTP出力を担当していた。竹田さんも、まだ印刷会社で働いていた。
そして、私は人生の一部分を舟入の隣町である「江波（えば）」という街で過ごした。
その共通点が、「舟入散歩」を愛読した理由かもしれない。
今回、竹田さんが本を出されたということで、早速購入した。
小さなその本は、優しさに満ち溢れている。
愛情を持った目が捉えた街を優しい絵と文章で紹介している。
冒頭に、竹田さんは「僕が広島に宛てたラブレターかもしれない」と書いてあるが、まさしくラブレター。
他人のラブレターを読んだ時に感じる暖かさや、ちょっと気恥ずかしい気持ちを感じさせてくれる。
広島は美しい街だ。
しかし、私には悪い思い出のほうが多く、広島の記憶は消し去りたいと思っていた。
だが、竹田さんと出会い、この本を読んで、考えを改めた。
私は、竹田さんに会いに行かなければならない。
会って、広島のこと、江波のことをたくさん聞かなければならないと感じた。
きっと、竹田さんは、優しいまなざしで、広島のこと、江波のことをたくさん話してくれると思う。
この本を広島に住む人、広島から離れて暮らしている人、広島が好きな人、そして、私のように広島が嫌いな人に薦める。
きっと、この絵の風景に出会いに旅に出たくなるはずだ。
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