100ページ強、5mm強の厚さのブックレットです。キリスト教カウンセリングとありますが、その他の宗教の人や無宗教の人が読んでも違和感ないと思います。ですます調、難しくなく平易な言葉で書かれていて、文字を読むのが辛いときや、理屈を受け入れる余裕のない心境でも、読むことができました。本自体は、グリーフケアを必要とする人ではなく、よく読むとそうした人への援助を行う人向けに書かれているようですが、私のような精神的な危機の中で混乱している者が読んでも、自分のために書かれたのではないかと感じる内容でした。
あとがきに「本書全体を通して「私の物語」という言葉を使いました。それは悲しい不幸な記憶を消し去って別の人生脚本を作ることではありません。不条理とも思われる経験を含む自らの人生を意味あるものとして受け入れていくことです。そのプロセスをまとめてゆくことが「私の物語」なのです」とあります。
単なる慰めではなく、自分の信念が変わってしまいそう、何を信じて生きていけばいいのかわからない、誰もわかってくれない、というようなPTSDになりかねない人にとって、冷静に二次被害を受けずに安心して読める本だと思います。
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